第二十話 無事に産めるため②
僕何もやってないよ!!
光野は内心イライラしている。
「おばあさん、お怒りにならないでください。その、私は自発的です。私のせいです。」
正彦は悔しそうで頭を低く垂れ、姿勢はまっすぐで、普段の適当な態度とは全く違う。
雅子はデザイナーで、想像力が豊かだ。正彦のかわいそうな様子を見て、彼女の頭の中ではAlphaに捨てられた可哀想なOmegaのテレビドラマが浮かんだ。。
「黙れ!」
「まだ彼を非難するのか!」
雅子は光野の衣服をつかんで前に引き寄せた。そして、優しく正彦を慰めた。
「黒田君、おばあさんは君に代わって光野を教育するから。」
正彦は頷き、感謝の気持ちは顔に写っている。そして、再び光野を見て、素早く頭を下げた。
雅子は正彦をOmegaのように扱った。隆矢は疑問持ってるが、母親が息子に教育を施しているところに口を挟むことはできない。
雅子は光野の衣服をつかみ、ほうきの柄を光野のふくらはぎに振り下ろした。
「ぱん。」
この音を聞いて、正彦はようやく状況のキツイを気付いた。音が鈍い、打撃が軽くないことが分かる。
光野は痛みを我慢し、叫ばずに抵抗しなかった。これが彼にとって初めての打撃だ。自分が実の子ではないので、雅子が彼を叩いたこととか、厳しい言葉さえ言ったこともなかった。
雅子は再び腕を振り上げ、もう一度振り下ろす準備をした。
正彦は素早く反応し、光野と雅子を引き離した。
「おばあちゃん、ダメ!」
ドアの隙間から覗いていた直人は、光野が叩かれたのを見て、すぐにドアを開けて中に入いた。彼は腕を広げて光野と雅子の間に立った。
隆矢も急いで前に出た。
「雅子、落ち着いて。子供を叩いてはいけない。」
教員室は狭く、雅子はほうきを持って部屋中を追いかけた。正彦は再び光野を引っ張りながら部屋中を駆け回った。一瞬のうちに、教員室の机や椅子が転倒し、調停の声で部屋は大混乱だった。
騒ぎが一段落し、雅子はついに力尽くした。光野は非常に疲れており、胃が激しく反応し、吐き気がますます悪化している。
「光野、来て。もう叩かないから。」
「......」
厳しい視線、真実ではないようだ。
「それなら、黒田の後ろに隠れないで。それがAlphaらしい態度か?」
え?Alpha?
なぜおばあちゃんもおふくろをAlphaと言っている?母はOmegaではないか。
教員室は大混乱で、直人が駆け込んでも先生たちの注意を引かなかった。直人は光野を本当に守りたかったし、混乱の中で光野を守るために幾度か棒で叩かれた。雅子は本当に叩いており、直人の背中はまだ痛みを残ってる。




