第十八話 保護者会②
直人は自分が誰かに蹴られ、ベッドから転げ落ちた。頭も床にぶつかった。これで何回目だ!この世界は俺の頭と合わないのか!
怒りに燃えながら直人は立ち上がり、ベッドの上で光野を抱きしめて寝ている正彦を見た。
「夢…か?」
直人は目が落ちるほど驚いた。数歩後退し、地面に座った。座った瞬間、お尻の鈍痛から夢じゃないと気付いた。
確かに、自分はこのベットから落ちた。
2回床叩き音、光野が起こられた。彼は不満そうに眉をひそめ、不機嫌そうに目を開けた。目の前には拡大された顔だ。
「?!」
「どん!」
「隆矢?」
正彦は地面から起き上がり、痛む頭を揉んだ。
母だ。直人は心の中で答えた。
直人は正彦の庇護で、自分の寮に無事戻った。その後の2日間、彼はおとなしく寮にいた。光野も彼を可愛がり、ほぼ毎食彼と一緒にする。
今日は成績発表の日、保護者会の日でもある。
生徒たちは学食や自習室でエアコンの効いた空間で集まり、保護者会の終わりを待っていた。もちろん、大胆なカップルもいて、体育館や屋上で会っていた。何しろ、保護者会が終われば夏休みだ。遠方に住んでいる生徒も、一夏の間、お互いに会えないこともある。
光野は先生たちが成績表を運ぶ手伝いして、担任の先生に親が来れないことを伝えに教員室に向かおうとしていた。
「あの…すみません。高一Bクラスの場所を知っていますか?」
「高一Bクラスは2号館の2階にあります。」
学校のAクラスとBクラスは優等クラスであり、ABクラスは学年トップ100位以内に入る生徒たちで構成されていた。学校は優等クラスと普通クラスの建物を分けており、初めて学校に来ると迷うしやすい。
「2号館…あっ、そこですか?」
「案内しますよ、ちょうど私も2号館に行く途中です。」
教員室へ行くために通る道はちょうど2号館の廊下だ。
「すみませんね、助かります。」
光野はその人を2号館の階段口まで案内した。
「ここです。」
「わかりました、ありがとうござ……」
「隆矢…くん?」
自分の名前を呼ばれたことに気づい、感謝の意を示している保護者は身を離した。
「え?雅子…さん?」
「まあ、本当に隆矢くんなの?久しぶりなので、まさか間違えたかと思ったわ。」
「お母さん?」
光野は馴染みのある声を聞き、頭を振り向いて木村雅子を見つけた。どうして彼女がここに?いや、どうして今日が保護者会だと知ってる?
「息子さん?」




