第十七話 泥棒②
正彦は光野を見ましたが、手電筒の光が光野の表情を照らすことはできませんでした。しかし、彼の握る力で判断すれば、光野は怖がっていることがわかります。
直人は手電筒を振って、正彦は直人の手を離しました。直人は手電筒を持ち上げて立ち上がりました。
「部屋に何かいる。」
正彦は光野がビクッとするのを感じました。
「まさか本当に…」
直人はクローゼットを開けた。正彦今日でクローゼットをからっぽにしたばかりで、中にはほとんど何もなかった。
「おかしい、音はここから出たはず。」
「カラガラ。」
音はクローゼットの隣の戸棚から鳴っていた。
「靴箱だ。」
正彦も興味を出た。彼は立ち上がろうとしたが、途中で身動きが取れなくなった。彼は光野を見つめた。
「……」
光野は不自然に手を緩めた。
「直人。」
「あ?」
直人の性格は正彦に似ているが、どこかで光野も受け継いだ部分がある。直人は戸口に邪魔な服を片付けている、服を引っ張る様子が猫のようだ。
「何んだよ。」
「お前、光野のそばに立ってろ。」
理由はわからないが、直人は言われるがままに光野の隣に立った。
「俺も、俺も見たい…」
直人は興味津々だった。「幽霊」がどんな様子だとか、自分の目で確かめたい。
「光野と一緒にいたくないのか?」
確かに、危険な状況では母親を守るのは当然のことだ!直人はすぐに光野の手を握って、ポケットからスティックを正彦に渡した。
「これを。」
「てめえ、いいもん持ってんのかよ。」
山崎たちは正彦が戸棚に近づくのを見て、緊張して呼吸を忘れていた。戸棚の扉が開いた。
「ガアーー」
扉の中のものは懐中電灯の光に刺激を受けて、一気に飛び出してきた。まるで道を知っているのように、正彦の部屋から飛んで行った。
「山崎!」
山崎は突然の出来事に驚きのまま凍りつき、反応して捕まえようとした時にはもう遅かった。正彦が部屋から飛び出すとき、そのものは開いた窓のふちに立っていた。正彦が近づいてくるのを見ると、そのものはすぐに窓から飛び出した。
「あれ、なんだ?」
「鳥か?」
稲葉は輪郭しか見えず、鳥だ。しかも結構大きい。




