第十六話 こっくりさん⑤
「こっくりさん、こっくりさん、いますか?もしいったら、答えてください。」
「こっくりさん、こっくりさん、いますか?もしいったら、答えてください。」
同じ質問が5回繰り返され、硬貨は突然「はい」の方向に動いた。
「ちょっ、本当にいるかよ。」
直人はすぐに正彦を見る。直人本気の年は12歳だ。この年の子は、解決できない問題に直面すると、無意識に親の助けを求める。
残念だが、ここは15年前の世界だ。同じ年齢の正彦の方がより頼りなさそうだ。直人は正彦が無秩序に震えている様子を見えた。
「お前、どうしたんだ?」
全員が正彦の異変に気づいた。
突然、正彦は白目を剥いて恐ろしい笑顔が顔を覆った。直人はポケットから護身用のスティックを取り出し、いつでも自己防衛の準備をしていた。
「分からないか?こっくりさんに憑依したんだ。」
「ちぇっ。」
まさか本当に何かが起きたのかと思った。正彦の答えに直人は嫌悪感を示した。
光野は毛布の中で腕を振り回し、抜け出そうとしていた。正彦の体の震えがここから発した。
「憑依?それなら話してみろ。こっくりさんが何と言った?」
「この世で一番かっけーのは俺だって言った。スー」
毛布の中で、光野はついに正彦の手を振り解いた。正彦手の甲には歯型が一つ増加した。彼が痛くて、気を吸い込む音が山崎たちも正彦を見るようになった。正彦は彼らを睨んだ。
「何んだ。」
直人以外の3人はすぐに頭を左右に振った。
ベッドの光野も寝たふりができなくなり、座り上がった。
「光野!起きた?じゃ一緒にやろう!」
光野は地に置かれた紙を一瞥し、そのものに全身で拒絶している。ただ、男の子が霊が怖いと言うのはあまり自慢にならないことだ。
光野が答えず、ベッドに座っているだけで、真っ暗で表情も見えない。山崎たちは唾を飲み込んだ。
想像できる。眠っていた光野が騒がしく起こされ、誰でも気分が悪くなるだろう。
窓の外から、風が吹き込んできった。地に置かれた紙が片隅をめくり上げた。
エアコンもなく、元々蒸し暑時、この風を感じて、稲葉の背中に鳥肌が立った。この時、部屋の中から変な音が聞こえた。
「誰?!」
直人は再びスティックを握りしめた。全員が正彦の部屋を見つめ、その音は正彦の部屋から聞こえた。光野も聞こえた。彼の体が硬直して身動きできなかった。
「正彦、お前たちの寮、本当に幽霊が出るのか?」
「お前らこれまでを持ってきて、心霊事件出会うためだろ。」
正彦はそういうことを信じないタイプで、直人が持ってきた紙を指差して皮肉を言った。稲葉は言葉が出なくなり、ただ汗を拭っていただけ。
「あ、いや、実は、ええと…」
俺は確か刺激を求めてきたんだ。今夏だぞ!肝試し大会とか、ホラーゲームとか、それが王道じゃないか!だが、山崎は心の中で言ってるだけ、口では正彦に反論できなかった。




