第十五話 発見された④
「なっ、えっ?」
「いつもお前らの誤解だ。」
正彦は携帯を切った。彼は通話記録を見て、確かにつながった電話があった。正彦はさっき光野がいた時のことを思い出した。その時うっかりにボタンを触れただろう。誤解を続けないように、聞いてもいいんだ。
「ブィ——」
また電話。Eleanorのだ。
正彦は舌打ち、イライラして電池を落とした。
Eleanor…やば、顔思い出せない。確かきれいな顔だが、具体的には思い出せない。正彦はそれを考えているうちに、あの夜の光野の姿が脳に浮いた。明かりが足りない、真っ白な肌。正彦は首を振り、顔を枕に埋めた。
光野が試験を終えて保健室に戻ると、こんなシーンがあった。正彦は枕に顔をうずめ、背を天井に向けて寝ていた。携帯の電池がほじくり取られてベッドの端に散らばっている。
光野も正彦の休憩を邪魔しなかった。椅子に座って正彦が自然に目を覚ますのを待っていた。正彦は光野が携帯のことを聞くと思っていた。結局二人は寮に戻ったが、光野は一言も言わなかった。
翌日、正彦の胃はもう痛くなかった。彼はベッドに横になって天井を見ている。
彼は本当に自分のことを気にしないのか。
正彦は聞きたい。でも口を開けない。そこで、彼は仮病を続けると決めた。
「はい、薬。」
「今日の試験終わった?」
「ん。」
「粥食べたい。」
光野は粥を持ってきた。正彦は彼を見てまばたきした。
「あ——」
「自分で食え!」
「嫌だ、薬苦い。」
光野は相手にしたくなくて、部屋を出る準備をしていた。背中の服を正彦が掴んだ。
「ちょっ、脚、脚も痛い……」
光野は彼の手に沿って怪我をした足の甲を見た。もう腫れってないのに。でも自分を救うための傷だ。光野はまた気が弱くなった。この2日間光野がいったら、正彦は絶対自分でご飯食べない。断食とか、かわいそうをふりなど。正彦は光野を軟らかく方法を見つけたと気がした。
「どこでまなんだ。粥。」
世話の手際も慣れている。
「子供の頃、両親暇ない時、妹が病気すると、僕が世話する。」
妹いるか。仲が悪くないようだ。




