第二話 父だ②
彼はテスト用紙からまっすぐに歩いて行った。
そう、倒れた女の子を無視して、地面のテスト用紙を無視して、直接踏んで歩いて行った。
マジおふくろかよ!嘘つけ、そんな温厚の人はこうゆう行動できるわけ…まー、怒る時は別かもね。だが他人に無視することはないだろう!彼は家でご飯を炊いているおばさんにも優しく微笑みしているぞ!
うわ……もう行っちゃた。
木村が冷たくテスト用紙を渡って階段に上がった。黒田は追いついて上がるしかない。
「ヤッベ、かっこいい、さすが氷山木村!」
「うわ、私も彼に踏ませたい、テスト用紙になりたい。」
どんだけ変態だよお前ら!黒田はツッコミしながら木村についていく。黒田は行ってしまったが、後ろの会話は聞こえなかった。
「あの女は誰。」
「知らないの?高山雅美だよ。今年入学から木村さんにつきまとってるさ。」
「残念ながら木村さんは彼女を一目も見たこともない。」
「高山雅美?彼女は高1 Dクラスのべるじゃん。Omegaだけ?」
「そうよ、自分がomegaで、容姿も悪くない、さまざまな出会いを作り出しているクソ女。」
廊下様々な評価は高山が噛んだ下唇を青ざめた。彼女は中学生の頃から多くの追求者がいて、まだ誰も彼女を拒絶することはできなかったが、今回は鉄板を蹴った。彼女は心を調整し、まず鼻を吸った。そして、痛そうに膝を揉んで、涙がぽたぽた落ちた。しかし、彼女は腕で強く涙を拭き、地上の答案用紙を片付け始めた。
小さな花のように弱く、無実でかわいそうに見える。誤解されても心が強い。彼女の人柄を知っていなければ、さっきの転ぶは不注意と思われるだろう。そんな仕草に、彼女を知るomegaとbetaが嫌がっている。しかし、こういう動きはAlphaたちに保護欲を出した。すぐにAlphaたちが取り囲んで、テスト用紙を拾って彼女の手に渡した。
黒田は木村について2階階段に登り、やっと職員室に来た。
「黒田直人よね。」
「はい。」
「これを記入してください。木村?黒田くんの生活委員は?」
「病気みたいで、今日は休みです。」
「じゃ、寮に連れて行ってください。」
「はい。」
黒田は鬼塚から手渡された書類を受け取った。寮の申込書だ。黒田は記憶の破片から思い出した。この体の元主人の両親が離婚して,彼は母親について暮らしている。この母親はファッションデザイナーで、いつも残業や出張たり、子供の世話あまり時間がない。前回会うのはもう去年のことだ。
たしか、フランスで新たな彼しができて、ラブラブしすぎてこの一年間あまり息子に電話かけなかった。この体の母親が生きていることを証明できるのは毎月口座に振り込まれる生活費だ。月30万円。2007年の高校生にとって、もうすごく高い。しかもこいつの家は母親が買いたもので、家賃はない。