第十四話 胃が痛い②
光野は直人のズボンをチェックして、破れなかった。怪我はないはず。しかし、手にしたガーゼは地面に摩擦で赤くになった。かさぶたができたばかりの傷口がまた割れた。
「大丈夫、これ自分で……」
「病院に連れていく。」
光野は隣の細谷を見て言った。
「ええ、もう怪我したよ。一緒に行こう。車乗れるから。」
「病院?どこが悪いのか。」
「いいえ、退院後の再検査。」
直人は緊張して光野を見て、また細谷を警戒して見ていた。こいつ、見知らぬalphaだ。
正彦の足はまだ痛み残っている。速く歩けない。教室棟を出た時、ちょうど直人と光野が細谷の車に乗っているのを見た。
道で直人は運転する細谷を警戒していた。20代、大学生に見えない、社会人みたいだ。誰だこいつ。自分が見たこともない。
光野は直人がじーと見るのを気づく、まだ細谷を紹介していないことを思い出した。
「紹介忘れた。細谷さんだ。細谷千秋、隣人だ。」
「光、小さい頃から一緒に育ったのに、隣人と呼ぶなんて傷づくよ。」
なっ?!小さい頃から一緒に育った?幼馴染?隣人?おばあさん家のそばにこんな隣人がいるのを知らないぞ。光?これは貴様呼べる名前か!
「黒田直人。」
直人は名前を言って、病院まで沈黙した。細谷も初めて会った子が自分に何か不満を持っているのかわからず、いつも警戒して自分を睨んでいた。
「ブル」
正彦からのメールだ。
直人は目を閉じている光野を見て、携帯を開けた。
「どこに行く」
「市病院。」
「あいつ誰。」
病院に行ったと言ったのに、まず「なぜ病院に行ったのか」を聞くではないか!独身はざまだ!直人は携帯を閉じ、返事をしたくなかった。
「ブル」
またメールが来た。
「彼病気した?」
馬鹿ではない。直人は再びメッセージを返事した。
「退院後の再検査。」
「あいつ誰。」
「幼馴染。」
正彦は返事をしなかった。
オヤジも大変だ。初めて二人でメールを送ったのは、おふくろうわき対象(偽)のため。
病院に着くと、直人は傷口を包帯し、光野は再検察した。光野が診察室にいる間、直人と細谷は診察室の外に座って光野が出てくるのを待っていた。その間細谷は直人と交流したいが、直人はしたくない。彼は言い訳をしてトイレに行った。




