第十一話 何か忘れたような④
光野はフォークを持ち上げてエビフライをさして一口噛んだ。そして、彼の腕は引っ張られ、そのエビフライは正彦が二口飲み込んだ。
「何をする!」
「彼にご飯あげれる、なぜ俺はだめだ。」
直人は正彦の横暴に驚いた。彼らは仲悪いと言ったではないか。誤報なのか?
「彼と一緒にすんな?」
「何が違う?何の関係?」
光野は答えられない。そう、自分と直人は同級生?友人?ご飯をあげるほど親密ではない。自分では答えられないが、正彦も自分にご飯をあげるほどの仲ではない。正彦が使ったフォークを見て、光野も食事ができなくなった。
「もう食べないの?」
「食欲がない。」
「具合が悪い?」
「ん。」
光野の顔色が悪いのを見て、直人は早く帰って休ませようと提案した。同時にカバン中のブドウ糖を光野に与えた。光野はブドウ糖を受け取り、上に2粒欠けていた。それは前回彼がピアノ教室で食べたもの。
山崎は直人が何を与えたのをよく見えないが、直人の手には光野の常備薬があると認識した。何の関係で常備薬があるんだよ。恋愛関係?だらか直人が光野と正彦の仲がいいのかと緊張しているのかよ。そのせいかよ。
光野と直人は支払いを済ませ、店を出たところで正彦と山崎もついてきた。山崎は店の前で正彦と別れた。彼はもうだめだ。この怪しい気圧の中で命が尽きそうな気がする。光野がしばらく歩くと、正彦がまだ後ろについていた。
「何の用?」
「帰る。寮もこの方向。」
光野は何とも言えない、後ろの人を無視するしかない。光野が住んでいるところは寮と学校の間だ。直人と光野が別れた後、後ろについてきた正彦をちらっと見た。おふくろはこいつのせいで夕食も食べなかった。
独身はざまだ。
直人は声をかけずに寮の方に向かった。
正彦は直人が自分をじろりと見て、黙って寮に向かった。寮に着いても挨拶をかけず、自分の部屋に入った。
この野郎、ますます大胆になってきた、俺を無視するなんて。だが、今日は正彦の気持ちがいい。光野の怒った顔を思い出すと、胸が張って気持ちがいい。
ご飯を食べないと低血糖になるよ。そうだ。なぜさっきコンビニにデザートを買って彼に持ち帰るのを考えなかったのだ。待って、この話どこか聞いたような…?ご飯を食べないと、低血糖になる。ご飯たべない…
あの日夕食を食べてないから、低血糖よ。
直人は突然ベッドから起き上がった。彼は時間を見て、八時半だ。もう日が暮れた。そうだ。なぜ忘れたのか。おふくろは学生時代に火事にあった!
「なに?火事?」
「そうよ、もう少しで逃げ出さなかった。友人2人が彼を助けに行ったよ。」




