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モヒトは酒じゃないⅠ  作者: 清蘭
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第十話 二年借りって④

「借りないなら、他人に探す。」




「誰を?秋兄か?」




 光野は振り返った。正彦は初めて光野の顔から表情を見た。そして、彼は何が言いたいのも当たった。




「盗み聞いてない!ちょうど廊下に見ただけだ。」




「借りないなら、他人に探すしかないだろう。」




そう言ったとたん、光野は腕がちくりと痛むのを感じた。




「他のalphaに拒絶反応あるでは?」




「一度やったら消えるかも。」




 正彦は光野の首を見た。そこの歯形はまだ消えていない。正彦は手に力を入れ、光野は引っ張られた。そして、後の首の痛みが脳に伝わった。




「ん……」




 鼻先が去来するラム酒の匂いが体に伝わり、アルコールが血液に侵入したように、心臓の鼓動が急に激しくなった。体の熱さは光野の手足を柔らかくなった。彼は下唇をかみついた。




 今回告知なしで行われた仮表記に、光野は怒っている。仮表記が終わると、彼はすぐ正彦を押し外した。何か言おうとしたが、腰が力入れず立ってられない。光野の体を傾げると転びとき、正彦は彼の肩をつかんだ。




 真っ赤な顔、目にはまだ悔し涙が浮かんでいる。これは光野の顔には見えないものだ。正彦は光野の唇にキスをした。更に、舌を出して光野下唇の歯の跡を舐めた。光野の体は瞬に硬直した。すると広々とした屋上から大きな手の平でたたく音が聞こえた。




 チックショー!なんもきこえねー!




 直人はドア前に焦っている。突然ドアノブが回る音が聞こえた。明らかにこの人は急いでいて、ドアが鍵がかかっていることを忘れた。直人は回転音に驚いて、すぐ階下の角に走って隠れた。隠したばか、ドアが開いた。




「ドン!」




 ドアを閉める音。そしてドアは再び開けられ、ロックする音が出だ。




 先に階段を下りてきたのは光野。北極から帰ってきたような冷たい顔。耳は赤く、怪しげなコントラスト。後ろに降りてきたのは正彦で、顔に真っ赤な平手打ちの跡が目立っていた。二人は話をしておらず、階段を下りた。直人は疑問満々。何の状況?ケンカ?それともなし?




 正彦は光野の後ろについて、考えれば考えるほど腹が立つ。どういう意味だ。俺様は助けても殴られなければならないか?2年借りるって誰が言った話だ。




 生徒会と教室の教室棟は一緒ではない。2棟の間に長い廊下がつながっている。4階は教員室、学生はほぼなし。正彦は足早く再び廊下にいる光野の腕をつかんだ。




「離せ!」




 光野は振り切ろうとしたが失敗した。彼は別の手を上げて正彦にパンチを与えようとした。今度の正彦が構えていて、光野が打ってきた腕をつかんだ。光野は抜け出そうとしたが、抜け出せなかった。もがいた後、光野は疲れて喘いた。彼は自分ことを考えた。身分も、二次分化も、未来の道も。なぜ、どうしていつも自分で。




「離せ!なぜいつ……」




「ぎゃ——」

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