第十話 二年借りって①
真人はTwitterで光野が授業中に体調を崩して保健室に行ったことを読んだ。彼は長い間心配していた。夜は光野にメールを送ったが、返事が得なかった。彼は光野が毎日早く学校に行って生徒会の用事を処理するのを思い出した。直人は翌朝も急いで学校に到着した。
直人は時間を見た。この前こんなに早く学校に着いて、おふくろがピアノ練習室にいるのを会った。直人は先に生徒会に行った。
やっぱり早く学校に来てもこんなに早いわけではないだろう。直人は生徒会の入り口に回って、急にピアノ練習室へ行ってみたくなった。音楽部のビルに入ると、かすかにピアノの音が聞こえた。狂気、焦りと絶望、直人はまだその小さな窓から覗いた。
光野の顔は青白く、緑の瞳は焦点を失し、生き感がない、機械のようにピアノを弾いている。
直人は叔父と叔母が話した両親の過去を努力回想したが、。確かにこんな落ち込んだ母は聞いたことがない。いったい何があった。これはどう見ても昨日の体調不良とかんけいないだろう。
ピアノの音が止まった。直人が何歩下がって、光野が出てきから調子を聞きたい。彼は長い間待っていたが、光野が出てなかった。直人はドアの前に戻り、再びドアのガラス窓から中を見た。
光野はピアノにうつぶせになり、動きがなくなった。泣いた?それとも寝た?直人はドアをノックして、中には反応がなかった。直人は少し慌てた。彼再び急いでドアをノックしたが、反応はなかった。直人は急いでドアの取っ手を回して部屋に入った。
「木村さん?」
直人が軽く声をかけた。光野は全く反応がない。
「木村!」
直人は光野の肩を叩いた。同じく反応がなかった。直人は焦って、光野の脇をつかみ、上半身を後ろにもたせかけた。近くを見ると、光野の顔色はさらに白く、血の気がなかった。
低血糖だ。
直人はすぐにポケットに持たブドウ糖を取り出し、光野の口に押し込んだ。けど、なぜこんなにひどだ。今まで低血糖で昏睡状態になったことがないはずだ。
直人は知らない。光野は昨日精神的なショックを受け、採血後も取ってない。更に、一晩中寝なかった。このいくつかの原因が重なって今の昏睡状態になった。
光野はピアノを半分まで弾いて、目の前が黒くなって、頭がくらくらした。自分が低血糖だと知って、かばんの中のブドウ糖を手に入れようとしたが、手を伸ばす力がなかった。うとうとした時、口の中に甘みが広がた。
「直人?」
「ん?はい。」
光野に初めて下名前を呼ばれ、直人は一時反応できなかった。光野は起き上がり、頭が少しくらくらしていた。
「もう一粒飲む?」
「ありがとう。」
光野は直人から渡されたブドウ糖を受け取って口に押し込んだ。




