第九話 フェロモン依存症②
「坊っ様には尾行の癖があるのか。」
「誰が尾行だ。偶然だろう。」
「病院で偶然出会う。坊様、どこが悪い?」
「胃の調子が悪い。」
正彦がそう答えて、光野も反論できない。2人とも待合室に座り、医者が名前を呼ぶのを待っていた。座った光野は、小説を取り出して読んだ。正彦は何を喋りたいが、無表情な光野を見て、話しかける気にもなれなかった。
「木村さん?」
看護師に声をかけられて、光野は立ち上がった。正彦も立ち上がった。看護師は正彦が付き添い家族だと思って、止めなかった。光野が診察室に入ってから、正彦もついてきたのを気づいた。
「何しに来たんだ?」
「家族」
「出てて」
「omegaのことだろう、何か聞けないことある?」
正彦は厚かましくベンチを持って光野の隣に座った。彼が座ってからジトして光野腺体のどこを見ている。光野は向こうに座っている医者を見た。その医者は興味を持って彼ら2人を見ている。そのため、光野は一時発作しにくい。やはり犬は人の話がわからない。光野の心にはまた悪口を言った。
「二次分化?何か問題ありましたか。」
医師はパソコンから光野前の症例を検出した。
「最近⋯⋯」
「二次分化でなんだ?」
正彦は光野の言葉を遮った。名前から彼はもう半分当ている。
「二次分化とは15歳で分化期を経た後、第二性別が再び転換されたことです。例えば、15歳になってから、第二性別がbetaに分化しました。
しかし、18歳で成人する前に二次分化が行われる可能性があります。二次分化、それはbetaからomegaまたはalphaになります。二次分化後の性別こそ、最終的な第二性別です。」
「なぜ二次分化が起こるのか?」
「原因はいろいろですね。でも、現実の例なら、90%がalphaが他のalphaを愛して、体が18歳前に分化が不安定のとき、無意識に愛する人との結合したいという強い意識に基づいて、性別を再選択してその目的を達成する。」
正彦は答えを聞いて視線を光野に移った。光野は相変わらず無表情だった。
「好きな人はない。」
「そうでしたか。実際には90%のケースがこの原因ですからね。医学界ではまだ二次分化の原因が完全に解明されていません。それに、omegaになっても悪くないと思います。だから、どこか具合が悪いですか。」
光野は口を開け閉め。隣に座った正彦を気になっている。
「出てて」
正彦は眉を上げて彼を見て、話がない。
「すみませんが、ちょと回避させてもらえませんか。」
「嫌だ。」
どうしてこんなにずうずうしい人がいるのか。光野は仕方がなく、咳をした。
「alphaのフェロモンに拒絶反応がある」
「拒絶反応。具体的にはどんなですか。」
「めまい、嘔吐、発汗、足のだるさ。熱も出てるかもしれない。」
「酷い反応ですね。普段はしないはずよ、君はもうomegaになっているし、どうしてalphaのフェロモンに拒絶反応しますのか。」
もし答えを知ったら、病院に行かないだろう。光野心の中でツッコミした。医者は光野の症例を再び詳しく読んだ。




