第七話 補習も感情の増幅剤である③
「ごほん」
正彦も自分の行為が変だと意識した。彼は光野冷たい目の中で自分の席に戻った。
「omegaの匂いがする。」
「あ?」
「悪くない匂いだ。」
「発情した?」
正彦は光野の冷たい目つきを見されて、殴られたところはまだ暑い。
ひどい仕打ちだ。正彦は復讐心を持って、宿題を取り出して書き始めた。
さすが犬の鼻。心の中が悪口して、光野は宿題を続けた。
30分後、正彦は書き終った数学の宿題を光野の前に置いた。正彦がなぜ突然宿題を始めたのか、光野はようやく分かった。数学の宿題は全部10問で、一つもあってない。
「補習の先生だろう、理解できないから、説明しろう。」
このクソガキめ。
悪口は悪口で、補習は今の仕事。そう考えた光野は正彦を理解してもらうために、補習を始めた。補習時間は2時間しかない。野原が階段を上がって、時間きりと言うまで、光野はまだ話し終わっていない。正彦は光野が一気にお茶を飲んでいる様子を見て、ようやく心が楽になった。
ざまみろう、殴るの報復だ。
バイトの給料じゃないと、誰が来る。光野は水を飲んで、かばんを整理した。もういい、次は来ない、二度ども。
直人が光野をノックした後、ドアを開けたのはオヤジだと見た。彼は急に頭が回らなくなった。どういう意味?週末におふくろはオヤジを探しに来た?あの二人、実は仲がいいの?
「ドン」
そう思った途端、直人はオヤジがドアを閉めたのを見た。やはり、仲良しなんて、アホか俺は、何を期待すんだ。彼は光野がドアの外に閉じ込められて、何歩か後ろに下ったのを見た。オヤジのフェロモンが強すぎの原因かも。直人は遠くでもオヤジのフェロモンの匂いがする。
すると野原が現れた。なぜ担任の先生がここにいるのか。直人は表札を見てみると、野原と書いていた。あれ?どういう状況?ここは野原担任の家?まさか、学校の秘密会議とか?
直人は光野が野原の家に入ったのを見ていた。外は雨がしとしとと降っていて、直人も傘を持っていない。彼は2時間近く雨の中で待っていたが、光野が出てこなかった。直人はおふくろの安全を考えて、不安になった。待てば待つほど焦った彼は、光野の安全を確かめたい。
光野がかばんを整理するとき、野原家のチャイムが鳴った。
「はい、はい。あれ?黒田くん?」
「の、野原先生。」
「どうしたの、この…」
「ハッチュ!」
「風邪弾くよ、待てて。」




