第七話 補習も感情の増幅剤である②
光野はビックリして手を震わせた。彼はできるだけ気にしないふりをして、遮断剤をかばんに入れた。第二の性別は秘密ではない。仲良し同級生やクラスメイトの間は相手の第二の性別を知っている。ただ光野は稀に二次分化しているので、周りは彼がまだalphaだと思われている。このような性転換は、光野自身がまだ完全に受け入れていないのに、他人にはよほど知られたくない。
まして彼は正彦を気に入らない。彼のせいで、光野の平穏な生活が乱れ、噂に悩まされている。勉強が極端に偏っているのに、英語と数学を0点取っても、上位50位に入ることができる。学校にはalphaがたくさんいるのに、今日のように反応したことは一度もない。体変な反応は正彦に対する光野の反発はさらに強まった。
正彦が風呂場のドアを出たとたん、光野がカバンに小瓶を入れたのを見た。
香水?
アホか。
正彦はツッコミした。
部屋の中のフェロモンは薄れたばか、正彦が現れるにつれて再び濃厚になった。光野は再び息苦しくなった。幸い、彼は抑制剤を飲ん、また遮断剤をスプレーした。腰を力入れないや頭がくらくらの状況がない。
正彦は椅子を開けて座った。フェロモンがより濃厚になり、光野の心臓は再び焦った。彼は目の前のお茶を飲んで、体のイライラを和らげた。
正彦は座ってから試験や宿題を出さず、漫画を取り出して読んだ。光野は表紙を見て〇ンピースだ。
フェロモンが濃すぎて、光野は目を閉じて南無阿弥陀仏を黙読してやっと落ち着いた。相手が話をしたくないなら、自分が話すかけ必要もない。光野は授業の準備を置き、自分の宿題を始めた。部屋の中は静かで、たまに本をめくる音と字を書くサラサラ音しかない。
「八ッチュ」
正彦はティッシュを探しに立ち上がり、光野嫌な目を見た。正彦は気にも留めず、ティッシュを持って、再び座って漫画を読んだ。正彦裸の上半身を見ていた光野は、心の中バカだと罵倒した。くしゃみしたのに服をつけないとは、やはり知的障害者の考えは正常な人と違う。心の中で悪口を言って、光野は自分の宿題を書き続いた。
正彦もおかしいと思った。20度以上の天気で、自分も寒く感じなかった。さっきミントような匂いがしたようで、鼻を騒がせた。正彦はふと思い出した。確か光野はalphaだけ?だが、自分は光野にフェロモンを一度も感じてない。先週の練習試合もそうだ。、激しい運動の時、alphaのフェロモンが普段より濃厚になるのに。
正彦はここを思いつき、光野を見上げた。光野は頭を下げて宿題をしている。黒いショートヘアに白い首筋をのぞかせた。きちんとした服、まじめで人当たりがよく、冷たい性格。学校と同じだ。正彦がゆっくりと近づくと、ある香りが鼻の穴に漂ってきた。冷たいミントの味だ。ミント味のど飴を舐めながら氷水を飲んだ刺激のようだ。冷たいミントにまた甘い香りも少し付いている。
光野は後に何かが近づいているようを感じ、振り返って様子を見た。振り返らなければいいが、振り返ると正彦の拡大した顔が見えた。体は本能的に一発振り上げた。
「パ!」
拳を肉につく音は静かな部屋で響いている。




