第七話 補習も感情の増幅剤である①
野原は正彦中間テストのランキングを思い出し、顔がすすった。
「それはよかった。彼偏科がひどいことも知ってたよね。」
「はい。」
「じゃ、補習は頼む。」
「はい。尽力します。」
「正彦、補習の先生来たよ。」
野原は部屋へ入ったあと、3階の方向へ向いて、話をかけた。
「3階は一つの部屋しかない、正彦くんのだ。先に行って、飲みのもはお茶でいい?」
「はい、ありがとうございます。」
玄関時の強烈さには及ばないが、正彦部屋のフェロモンは相変わらず濃い。光野は部屋に入った途端にめまいがした。そのほんのり甘いラム酒はレモンの酸味を混ぜって、光野の毛穴にくぐる。この部屋の侵入者に主権を誓うようだ。
光野は少し青ざめた顔をしていた。歯を食いしばって窓際まで歩き、窓を開けた。少し冷たい風が部屋に吹き込み、部屋中の濃厚なフェロモンを吹き飛ばした。
部屋中のフェロモンが薄くなり、光野の膨れ上がった頭がやっとはっきりした。
正彦の部屋は光野思ったより広い。ワンルームのようだ。ドアを入ったらリビングで、リビングの右は寝室だ。寝室のタタミは古そうに見えるが、清潔だ。光野がシャワー音を聞こえた。正彦はお風呂に入っているようだ。
りイング窓のそばに机が置いている。机の上には本もペンもなし、いくつ3センチ恐竜ようなフィギュアしか見えない。電気スタンド一つ、携帯電話1台。
机のそばに学校のかばんが置いている。壁に制服が掛けてある。椅子の下にはバスケットボールが見える。
光野は机前にもう一つの椅子を見た。一目見たら、それが臨時的に置いた椅子だ。
この時、野原はお茶とお菓子を持って部屋に入った。ドアが開いていて、野原は部屋の中で正彦を見なかった。光野はかばんを持って立っているのを見て、すぐ机の前の椅子を開けた。
「座って。」
「はい。」
野原はお茶を渡した。冷たいお茶が、光野の焦る体を落ち着いた。野原は光野の顔色が少し青ざめている。
「体調が悪いか?」
「いいえ、少し息苦しいだけで、雨の原因かもしれない。」
野原は窓外の天気は曇っていて、確かに天気の関係で部屋中の湿気が重い。
「気分が悪いなら、言ってください。早く家に帰って休んでいい。」
「はい。」
野原はまた浴室の前で強くノックした。
「補習先生は着いたよ、早く出るて!」
浴室中は返事がないが、シャワーの音が消えた。
「じゃ、お願いね。」
「はい。」
野原が部屋のドアを出て、光野は再び椅子に座った。彼は耳を立て、野原の足音が階段を降りたから、瞬速バッグから抑制剤を取り出して飲んだ。また遮断剤を取り出し、自分に向かって何度かスプレーした。
「カタ」
後ろのドアが開いた。




