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モヒトは酒じゃないⅠ  作者: 清蘭
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第五話 木村光野③

 議論の声は小さいが、制御されずに光野の耳に潜り込む。政治結婚、やだ。彼自身が政治結婚の生まれもの。光野は文乃を抱きしめて、涙が止まらない。彼は唇を噛んで、なるべく声を出さないようにしている。




 文乃は兄さんがおばあちゃんが横になって動かないことを悲しんでいると思った。3歳の彼女は両親と兄がなぜ悲しんでいるのを理解できないが、おとなしく兄に抱かれていた。木村光野の両親は政治結婚。あの2人は結婚前に感情がなかった。2人の両親が仕事や家族が必要と考えのため結ばれた。光野は母親が父親を気にしていることを知っていた。けれど、光野の父には他に好きな人がいるようだ。




 子供頃の彼は理解不能だ。大人になった彼は思い出すと、母親は彼が記憶がある時から、識がもうろうとしていた。父の交通事故は母がやった。その日光野の母親は突然家から飛び出した。当日の夜、光野は両親の死亡の知らせを聞いた。




 それから彼は少し大きくなって、事の全貌を大体知った。その日、彼の母親は車を運転し、正面から父の車にぶつかった。2台車中の人は全員死亡した。父親車中の執事も、父親のそばに座っている知らない女性もすべて即死だ。




 長男の政治結婚の不幸、更に木村拓弥のこだわりを加せ。光野の祖父は拓弥の自由結婚に反対しなかった。その原因で、拓弥は政治結婚の結末を逃れた。

じゃ、自分は何なんだろう?




 光野は手を上げて後ろ首を触った。そこは、腺体の場所だ。




 車は2時間以上かけて、ようやく別荘へ到着した。見慣れた日本庭園が目の前に現れた。光野が顔を上げ、すべての感情が再び体内に隠された。痛いか?痛いよ。じゃあ、心を閉めばいい。




「兄ちゃん!!」




 車を降りて彼女はもう自分の懐に飛び込んだ。文乃だ。




「もう2ヶ月も会ったないよ。文乃を会えたくないの?」




「会いたいよ。」




「嘘ばか!じゃプレセントは?」




「はい。」




 木村光野は微笑みして、優しく妹の頭を撫でた。彼女はまだ8歳で、甘えるのは彼女の特権だ。光野の顔は微笑みしているが、目は笑っていない。しかし、この少し上がった口元が学校の連中に見られたら、きっと大騒ぎになるだろう。木村光野が笑うなんて、それはどれほどのビッグニュースだろう。




「文乃!今日はお兄さんの誕生日だよ、プレセントは君から出すじゃないの?」




「嫌よ。兄ちゃんだもん。」




「お母さん、ただいま。」




「おかえり。早く上がって、今日用意したのは全部光野の好みなの。」




「はい。」




 木村雅子。光野のおばさんで養母だ。雅子は2人の子供が階段から引っ張って部屋に入ってくるのを見ていた。幸せと感じている。




「文乃、ちゃんと兄さんを勉強しなさい。光野はいつも学年のトップなのよ。」




「やだ!授業はつまらないから。」




「いいよ、文乃の運動細胞は優れている。」




「ほら!やっぱ文乃の良さが見えるのは兄だけだ!」

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