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モヒトは酒じゃないⅠ  作者: 清蘭
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第五話 木村光野①

「俺は父、君は俺の息子。」




「そう、息子だ。」




「で、母親は?」




「えっ?」




「母親はだれ。誰が君を産んだのか。」




「母はき……」




 木村だ。でも、言っちゃダメ。答えを出そうとした直人はすぐ口を閉じた。さっきこの二人会った様子はもう見た。もし木村の名を言って、正彦がわざと遠ざかったら、自分は生まれないではないか。だめだ、もともと自分の目的は早く帰ることだ。ここでバタフライ効果を引きたら、自ら墓穴を掘るではないか!アホか!!




「ひ、秘密だ!」




「そう。他の用事ある?ピアノの練習始めたい。」




「反対しなければ、これから黒田さんのことオヤジと呼ばる。」




「ダメ。」




「二人だけの時だ!」




「……好きにしろ。」




 神様ありがとう。正彦は自分の言うことを信じてないが、なんとか堂々とオヤジを呼ばれた。この呼び方あれば、徐々感情も積まれる。感情が積まれると、彼ら2人を仲介することもできる。彼らが今どんなに仲が悪くても、結局は一緒になる。自分の役割はこの二人の接着剤だ。直人はピアノ練習室を出た時、次の目標を明らかにした。



 木村は学校を出る時、後ろに小走りつく橋本はまだべらべらと説明している。木村は耳もとでハエがぶんぶん回っているように感じた。




 面倒な女。彼は小さい頃から恋をしたことがない。誰に好きになったこともない。噂の高山さん。彼女は正彦に拒絶されてから自分を追いかけ始めた。彼女は毎日自分にくっついている。自分はどれほど無視しても、彼女も放棄しない。




 例え、彼は屋上や教室で食事をしするとき、高山はいつも彼いる場所へ現れ、手作り弁当を自分に渡す。木村は高山から押し込むものには触れたことがないが、噂はそうではない。結局、噂の中に、彼は黒田正彦の元カノに惚れ込み、愛を奪うことになった。




 この橋本もそうだ。自分を追いかけて1年して、逆に正彦に振り向いた。自分にぶつかられて、またべらべらとついてくる。自分は彼女に興味があるように見えるのか?



「坊ちゃま。」



 木村は学校を出ると、執事らしい人が木村に一礼した。木村はうなずいて、彼について隣の車に入った。



 木村の後を追う橋本は車の後ろに止まった。彼女は手を上げて何かを掴もうとした。結局、彼女が追いかけた木村はもう一度自分を無視した。



「長谷川さんは?」




「長谷川さんはお嬢さまを迎えにきました。今日は坊ちゃまの誕生日、お嬢さまは楽しみですね。」



「……」



 楽しみ…か。これは彼女の特権ね。木村は目を伏せた。まつげが長く、彼目の中感情をすべて隠した。木村は学校の近くに住んでいる。借家だ。本家は京都にある。普段は自分で登下校し、両親と別居している。今日は彼の誕生日でなければ、執事も車で迎えに来ないだろう。

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