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ただひたすらに

投稿遅れてすみません!

リアルが忙しかったです!

「はあっ! 〈烈火滅却〉! !? ……やばっ、近―――」

「フッ! ハッ! 大丈夫ですか!? 先輩!」

「あ、ありがとう……えい!」


 レベルも上がって、節約も上手くなり、魔力量も増えたおかげで、かなり魔法が撃てる。

だけど、数の暴力、経験値の差、色々な面で魔物に圧倒される。

カイみたいな強い人だったらなあ……


「領域魔法! 〈超強化領域(スーパーバフ)〉!」

「!? す、すごい! 力が、あふれる!」

「どうですか、先輩! かなりの強化ができたはずです! これで頑張ってください!」

「うん! ありがとう! 〈烈火滅却〉十連!」


 愛ちゃんも広範囲を強化してくれたり、回復してくれるすごい人だし、


「うおおおおおおおっ!!! フン! ハッ! 〈雷刀閃激〉!」

「……は、速い……」


 カイの親友である京君。

職業は暗殺者で、気配を消すことに特化しているのに、正面切って戦っている謎の子。

でも、その二対の小刀は、幾百の魔物を切り裂いている。

私が雷ぶつけまくったせいで、変なスキルまで持っちゃったけど……それでも、間違いなく強者の一人だ。

でも……じりじり押されてるな……


「〈嵐天怒絶〉、〈激流泉禍〉。複合魔法、〈暴嵐の凶刃〉」

「いや、先輩もしれっとチートじゃないですか……最上級ぶっ放して、さらにそれを複合するんですからね。世界に数人しかできない芸当を数日でできる件について……」

「うるさい。近接が弱いから、攻め込まれたら弱いもん。はあ~早く魔星武術教わりたい」

「じゃ、まずは生きて帰らないとですね! うおおおおおおおおおおっ!!!!」

「〈反抗源波〉!」

「〈強制進化〉!」

「!? おい! 愛はともかく、先輩は結界作って中に閉じこもってないで戦ってくださいよ!? ちょっと!」

「大丈夫! 攻撃反射する系だから!」

「自分で魔法撃った方が早いじゃん……」

「我儘だな~〈暴嵐の凶刃〉!」

「ん!? こっち飛んでくるぅ~!? カイぃ~~ッ!!! 早く帰ってこいや! こちとら死にそうなんだよッ!」


 このままではマズイ。押し切られて、魔物の波に飲まれる。その危険を察知したからこそ、先陣斬って殲滅を始める京。

そして気付く、カイとの差。

ここにいる三人は、絶妙にカイに届かない。

魔法だけで言えば、鏡花の方が強い。職業補正がかかるからだ。

しかし、それをレベルと密度、超魔法の優先度補正でカバーし、近接最強の武術で対応する。

開眼能力もあり、最強をものにしている。


(チッ……だがな、モブだろうと……親友ポジションだろうと……譲れねえモンがあるんだよ!)


最強ポジションにいるのがカイならば、主人公ポジションにいるのが正義。

物語だと、それ以外はだいたい「その他大勢」として扱われる。

だからこそ、譲れない。

譲るわけにはいかない。

最強じゃないなら、二番目になればいい。

主人公じゃないなら、一番輝くサブキャラになればいい。

妥協なんて選択肢、カイについて来た時から捨ててある。


「だからっ! 俺は! 負けるわけにはいかねえんだよっ!!!!!!」


 妥協しちまったら、負けたことになる! 才能に! 運命に! ()()()()()

だから……だから! 俺は!


「らああああああああああっ!!!!!」


 しかし、悲しいかな。一瞬の隙をついてきた蛇型の魔物の尻尾をまともに喰らってしまった。

疲労も重なり、魔力も少なかった京だが、決死の想いで〈雷刀閃激〉を使い、蛇を斬る。

だが、ダメージは思った以上に深刻だ。

回復魔法はまだ使えないため、ここからの回復はできない。

女子組も大量の魔物に阻まれて見えない。

万事休すか……



―――鏡花サイド―――


「やっばいっ! 結界がすぐ破壊されるっ! 〈烈火滅却〉!」

「せ、先輩! た、助けて……」

「愛ちゃん!?」


 見れば、狼の大群に押されて、結界が壊されそうになっている。

回復と強化が本分の彼女では、持たないだろう。

ただ、ここからあそこへ行くには、目の前の大軍を薙ぎ払ってからだ。

しかし、魔法耐性が強くなっているのか、魔法を結構強く撃たないと倒せない。

かといって、ここで大量に消費してしまうと後が怖い。

だけど……ッ!


「ここで助けなきゃ、()()()()()()だからっ!」


 理屈とか超えて、動かなきゃいけないんだ!

ッ! 魔力量は一割を切ってる。けど……


「最大火力! 〈烈火滅却〉ッッッ!!!」


ゴオオオオオオオオオッッ!!!


「!? 先輩!」

「ッ! 助けに来たよ! ……けど……」


 マズイ……少し、フラフラする。魔力枯渇の初期兆候だ。

そして、目の前には先ほどのやつらよりも一回り大きい魔狼。

恐らく中ボス的な扱いだろう。

魔力のない私にできることはない。

愛ちゃんだって、攻撃魔法は愚か、魔力譲渡系の魔法はまだ覚えていない。

こ、れは。やばいかも……


「す、すみません先輩……私のせいで……こんなことに……」

「そんなことない! これは私の自己満足だから。愛ちゃんは気にしないでいいの!」

「で、でも……目の前に魔物が……!」


 今にも泣きそうな目でこちらを見て来る愛ちゃん。

立ち上がれそうにないな……けど、せめてでも愛ちゃんは守る!


「グルルルルル……グワオ!」

「やばいね……終わりかも」


 目の前に狼の巨大な牙が迫る。

動けないから、と、喰らおうとして来る。

……はあ。


「……もっと、カイと話した(イチャイチャした)かったな……」

「じゃあ、これからももっと話さなきゃな」

「……ふぇ?」


 パアアアンッ! 七条の弾丸が走る。

スパン! スパァンッ! 二本の剣が躍る。


「グ、グル、ルルゥ……」

「はい、お終い」

「あ、ああ……」

「よく頑張ったな、お前ら」

「……か、カイくぅん!」


 一番待ち望んでいた人が、来た。



京サイド―――――


「がっ、がふっ! ごはっ! あがっ!」


 蹴られる、殴られる、噛まれる。

動けない京に対して、魔物は暴力を重ねていく。

じわじわといたぶっていく。


「や、っべえ……がはっ! もうすぐ、だな……」


 ああ、短い人生だったな……

まだしたいこと結構あるんだがなぁ……

だが、やっぱ思い出すのは―――


「カイ……」

「おう。なんだ?」

「……は?」

「なんだよ、お前が呼んだんだろうが。ってか、お前らも寄ってたかって虐めんなよな。俺の仕事が増えるじゃねえ、かっ! 〈終末の罪火〉」

「……お、おおう。惨い。なんか惨い」

「〈魔神荒狂凶葬爆破〉」


ババババババンッ!!!!


「さ、皆で帰ろうぜ。入口に二人を待たせてるからな。それにしても……」

「うん?」

「よくやったな!」


 と、笑うカイ。

親友であり、憧れている奴から言われるのは、少し嬉しかった。

勿論、本人には言わないが。



――――――



「はあ~生きてるぅ~」

「太陽光ぅ~」

「あ゛~疲れた」

「みんな、お疲れ。すげえ頑張ったじゃん。あ、鏡花以外装備見せろ。直してやるから」

「え!? なんで私以外!? 嫌われてる!?」

「そんなわけないだろ。俺たちの装備、自己修復機能付いてるし、ある程度浄化されるし」

「なーるほど……」

「というわけで……〈修復〉」


 ぽわーん、と、優しい光が二人を包む。

すると数秒後、ボロボロだった装備が新品のように綺麗になっていた。


「ほんと便利だよな。超魔法って。そんなもん開発できるお前すげえわ」

「だろう? まあ、創ってくれるのは鏡花で、俺は魔法をはめ込むだけなんだけどな」

「二人のコンビプレーってことね。それで、なんでカイはちょくちょくポーション飲んでるの?」

「それなんだがな……勝手に魔力が減ってくんだよ。しかもえっぐいスピードで」

「え……なんで? 呪いの類い? ヒュドラにかけられてるとか?」

「うーん。あいつにそんな能力ないはずなんだがなあ……」

「「……」」

「……あれ? カイさ、もしかして」

「? なんだ?」

「〈可能性演算強化学習〉発動しっぱなしじゃない?」

「あ……」


 うっかりしてた……

あの魔力を喰い続ける魔法を発動しっぱなしとか、恐ろしいんだけど。

そんで、学習を続けてるから、結果が一気に脳に流れてくる点が怖いんだよな。

普通のやつの脳がパンクしちまう。

俺でなければな。


「ふう~解除……ッ!? ぐっ! があああっ!!! ぐうううっ!」

「だ、大丈夫っ!? ポーション!? いや、〈回復〉! ごめん! 魔力少なくてこれしか無理!」

「わ、私も! 〈治療〉! あれぇ!? 効果なし!?」

「あー俺なんもできねえわ」

「……京は後で殺すとして、脳へのダメージは、回復できない。時間経過しかな。だが……これはえぐい」

「どういうこと?」

「魔星武術のパターン数が増えて、最適な手数だけを打てるようになった」

「ってか、可能性体とはいえ、魔星武術同士のタイマン見てみたかった……」

「んーじいちゃんに会いに行ったら、タイマン挑もうかな? 多分負けるけど」

「ステータス的に?」

「違う違う。ステータス的にも負けるだろうけど、まず経験値が違いすぎる。魔星武術はもちろん、古今東西の武術を極めてるからな。戦闘経験が違いすぎて……」

「なんか、カイのおじいちゃんが強すぎて、何とも……」


 最強の老人だぞ。知らんけど。

しかし、魔星武術を極め切っていない俺がこれを習得できたのはよかった。

最適な手順を打つ魔星武術も、使用者によって打ち方が変わる。

だから、最適は変化し続けるのだが、学習したおかげで最適が打てるようになった。

いいね。



―――――



「それじゃ、ステータス見せあうか?」

「そうだね! それじゃ……」

「「「「ステータスオープン」」」」



時兎カイ

職業:村人

Lv:623

魔力純度:白

称号:魔狼殺し・殲滅者・挑戦者

固有スキル:時兎

スキル:超越・本能・毒竜喰


毒竜喰

自身に有害な物質の分解、吸収をする。(毒無効と統合されました)

入手条件:毒無効を入手していること、毒竜の討伐時、0.002%の確率で入手。


カイ「毒竜喰ってないが!?」

鏡花「れ、レベル623って……」

京「勇者よりチートじゃねーか」

愛「化け物ぉ」



水無月鏡花

職業:聖女

Lv:142

魔力純度:白

称号:高貴なるもの・美しきもの・魔に長けるもの

固有スキル:想像構築(イメージクリエイト)

スキル:奏支相愛



美しきもの

人相手に印象上方補正。

入手条件:創世神の嫉妬。


魔に長けるもの

魔力の扱いが、人の十倍になる。

入手条件:魔法を連続で使用し続ける。


奏支相愛

想い人と繰り出す合成魔法の威力が三倍。

入手条件:愛。



カイ「奏支相愛?」

鏡花「美しきもの? 魔に長けるもの?」

京「入手条件が笑える」

愛「愛の力~あいのぉ~ちか~らぁ~」



西凪京

職業:暗殺者

Lv:146

魔力純度:黄緑

称号:闇夜喰・雷の子

固有スキル:気配消失

スキル:纏衣の魔雷



闇夜喰

影が薄くなり、闇との親和性が高くなる。

入手条件:暗殺者が百体以上生物を殺した時、0.003%の確率で入手。


雷の子

雷に対して圧倒的補正がかかる。

入手条件:纏衣の魔雷入手後、雷属性最上級魔法を喰らい続ける。


纏衣の魔雷

雷を吸収、自身のエネルギーに転換するロングコートを展開する。

入手条件:雷属性最上級魔法を喰らい続ける。


カイ「お前も十分すげえよ。勇者卒倒」

鏡花「うう……ごめんね、京君……」

京「あの地獄が俺を強くしたのか……」

愛「雷の子w」



猫咲愛

職業:聖治癒師

Lv:132

魔力純度:白

称号:癒しの子・天使

固有スキル:聖域

スキル: …未獲得


癒しの子

回復与量50%上がる。使用魔力量も減る。

入手条件:特になし。


天使

愛される。

入手条件:特になし。


聖域

領域系の魔法の効率が50%上がる。(聖魔混成領域の展開には適応されない)

入手条件:強化系の領域を同時に十五個展開。


カイ「へえ、【聖域】か。文字通り、聖なる魔法の領域だから魔を混ぜることはできないのか……」

鏡花「癒しの子ね。聖治癒師にふさわしいわね」

京「魔力純度も元から白なのか……」

愛「……」


……


「「「「【天使】っっっっ!!??」」」」

「いや、どういうことだよ! 愛されるって!? 入手条件特になしって!?」

「えぇ!? 天然人たらしってこと!? ってか天使って! 天使ってッ!」

「……私だってほしくて貰ったわけじゃないんですけどぉ!? おい、創世神ッ! 変なものばっか渡すなあっ!!!!!!!」


 いつでもネタ枠の愛であった。



愛の能力は全てネタ枠というわけではありません。きっと。

【奏支相愛】は、ん゛っん! 踏み込んではいけないのです。

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― 新着の感想 ―
[一言] お忙しい中での更新ありがとうございます!京の主人公じゃないなら、一番輝くサブキャラになればいいっていうセリフが染みました。格好いいキャラと可愛いキャラ、それぞれ生み出せていて凄いと思います!…
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