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リベンジ

「うおおおおおっ!!! モンスターだっ!」

「ひいいいいいっ! スライムっ! スライムっ! ずらいむ゛があああっ!」

「ちょっと、二人とも集中! 〈炎弾〉」


 今は三に……四人で洞窟に潜っている。

ちなみにこんなことがあった。



…………



「あーはいはい。洞窟潜るんだな? 分かった。で? お前はどうせこっちにペースを合わせねえんだろ? ふむ、レベルを上げるため以外にも何か理由がありそうだな……」

「京。お前エスパーか!? そうなのか!? なんで考えてることが分かるんだよ!?」

「何年お前と一緒にいると思ってんだよ。それくらいわかる……と、言いたいところだが、あの地獄でなんかスキルを手に入れてな」

「見せろや」

「あいあい。〈ステータスオープン〉」



西凪京

職業:暗殺者

Lv:12

魔力純度:黄

称号:闇に生きる者

固有スキル:気配消失

スキル:纏衣の魔雷



「お前さ、スキル運高すぎだろ? ざけんなよ」

「なんんでだよ! このスキルの入手理由聞いてくれよ!」

「? なにがあった?」


 要約すると、こう。

どうやら、京は元から雷属性へかなりの補正があった。

それに加えて、鏡花から雷を喰らいまくったことが理由のよう。

む、虚しい……


「で? 使えるのか? 上手く」

「ああ、一応使える」

「やってみろ」


 そこでいきなり、俺は上級超魔法〈轟雷〉を放つ。


「いきなりぶっ放しやがってっ! 【纏衣の魔雷】ッ!」


バチバチバチッ! キュウン!


「……いいね。うまく機能してる」

「てめえカイ! こんな近距離で上級の魔法撃ってくんな!」

「いいじゃねえか。そのスキル、雷属性魔法無効化、いや、吸収するだろ?」

「まあな! だけどな! 展開が間に合わなかったらどうすんだよっっっ!」

「そん時は……まあ、耐えられるだろ。鏡花の最上級喰らいまくってたんだし。な?」

「な? じゃねえよ! ……いや、もういい。お前に常識を問うことが無駄だった」

「ぶっ飛ばすぞ。で? 来るのか? 来ないのか?」

「そりゃあ行くさ。というわけで、お前の目的も聞かせてもらおうか」

「ああ。お前たちに殺しを体験してもらおうと」

「……ああ。鏡花先輩から聞いた。ま、先輩は事故ったらしいが」

「そういうこと。愛はともかく、お前は殺しに慣れねえと」

「暗殺者だしな」

「大丈夫! 最近の暗殺者は正面切って戦うから!」

「暗闇なのか、陽の下なのかはっきりしろよ……」

「ww確かにな。ああ、それで、お前に相談したいことがあってな」

「ほお~お前が相談か。珍しいこともあるもんだ。それで? 内容は?」

「ああ、愛なんだが……戦わせるか、サポートに徹させるか」

「……悩むな。あいつは治癒師……それも聖治癒師なんだろ? 回復やバフ、結界とか、いろんな役があるが……どうする?」

「こっちが聞いてんだよ。ぶっちゃけ、俺は戦わせたい」

「その心は?」

「それが、生き残る術だからだ」


 カイの考えはこうだ。

ただのサポート役は、戦争は愚か、タイマンでも邪魔になる。

いずれ、愛自身で戦いに挑むときがある。その時に、魔法しか使えないやつなんて、正直役に立たない。

ならば、その時に悲しい思いをさせないように、今のうちに近接格闘も仕込んでおこうと思ったのだ。


「鏡花先輩と愛で、お前のじいちゃんに魔星武術習いに行ったらいいじゃねえか」

「そうだな~……! そうだな! そうし……いや、愛が行けねえじゃねえか。魔力純度が足りん」

「そうか……ま、取り敢えずレベルを上げねえとな! 善は急げ! 行くぞ!」

「そうだな! で、二人は?」

「愛ならすぐ来る。先輩は散歩」

「ふーん。じゃあ、すぐ用意するわ。愛にも言っとくから、カイは自分のことだけ考えとけ」

「ハッ、言うねえ。お前もお前で堕勇者に勝てるようにならねえとダメだぞ? 俺のパーティーにいるんだからな。ぬるま湯に浸かっている奴らに圧倒的な差を見せつけてやんねえと」

「お前も悪いこと言うな。じゃ、また後で落ち合おうぜ」

「ああ」




 というわけで、その後全員合流の後、洞窟ヘGO!

俺が入った五分後に入れさせて、俺は五十層のヒュドラへの復讐、あいつらはレベル上げ、となっている。

あいつら、大丈夫かな? 危険になったら即戻ってやるけど、上層の敵はそこまで強くないから大丈夫か。

そして、突っ走ったり、ボスを瞬殺していると、ほぼノーダメで五十層まで到達。

アップとしてそこら辺の魔物を〈弾丸〉で殺し、感覚を研ぎ澄ませる。

さすがに、ヒュドラクラスだとノーダメは無理だろうから、回避はしねえとな。


ギ、ギギギイィィィ……


「さ、愛で(殺し)に来たぜ。ヒュドラ」

「ファアアアアアアアアッ!!! フンッ!」

「あー死んで再復活したから、覚えてねえか。まあいい」


開眼【超魔進化】!


「秒で死ね!」

「ファアアアアッ! ラアアアッ!」

「ッ! 最初は薙ぎ払いか! おいしょっ!」

「!? フ、フン! ファアアアアアアアッ!」

「毒ビームな! ある程度耐性があっても辛いもんは辛い! 〈魔絶結界〉!」


パアアアンッ!


「おっけーい! 今回は防げた! さーて……今度はこっちの番だ! 〈弾丸(バレット)〉!」

「ファッ……!? ガアアアアアッ!」

「反応があると嬉しいねえっ! 剣式、攻型、百花繚乱!」

「アアアアアアッ! フンッッ!!」

「! 尻尾! やっべ、避けきれな―――」


ドゴオンッ!!


「ガッ! ……だが……前より痛くねえっ! それに攻撃も通るし……この装備すげえなっ!」

「!? キュワアアアアアッ、ラアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」

「毒ビームね。耐性つけるために喰らっとこうかな? ウラア!」

「!!?? (え、なんで耐えてんだよコイツ! そのまま死ねよ!)」

「う……ぐっ! きっつい……! だが、もうちょっとな気がするッ! があっ!」


ギュウン

毒耐性Ⅳ→毒耐性Ⅴ


「っあ、キタコレッ! うぐあっ! でもキツイっ! 早く無効になれやああああああ!!!!!」

「ウラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!(さっきより余裕そう!? なんで!? 早くくたばれえええええええ!)」

「うおおおおおおっ! 〈治癒〉! 〈抗魔治癒〉! 〈絶魔完全治癒〉ぅぅぅぅ!!」

「ウラアアアアアアアアッ!!!!!」


バシュウウウウウウッ……


毒耐性Ⅴ→毒無効


「きたああああああああっ!!!! よっしゃああああああっ!!!!」

「キュワッ!? !? (あれ? 喰らってないし、もう防いでない?)」

「いやーよかったよかった。【毒無効】が手に入るとはな。後は物理攻撃だけ気を付けてればいいな」

「フウン! ファアアアアアアッ!!!!」

「ああ、言っておくが……」


スパン!


「もう、遊びは終わりだ」

「!? フ、ファアアアアアアアッ!!!!!! フウウウウウウンッ!!!!」

「〈終末の罪火〉、〈流龍の演舞〉、〈荒風の嵐刃〉、〈砕地の暴虐〉。四属性混成魔法」

「キュワ!? フ、ファアアアアッ!」

「邪魔すんな」


 ヒュドラは、俺の使い始める魔法の尋常じゃないプレッシャーを感じて急いで尻尾を振ってきた。

だが、簡単に障壁で防げる。

さあ、本命だ。


「ふぅ~……〈聖魔混成絶対領域(カオスエリア)〉」


 キュイイイイイイン……


「!? キュアアアアッ! ファアアアアアアッ!!!! !? (力が入らない!?)」

「ふう、成功した。カオスエリアは、四属性の最上級魔法を混ぜて創り出す結界のことだ。〈聖魔混成絶対領域〉っていう超魔法じゃない。ただ集めて圧縮するだけだったら、弾丸の方が強い。だが、これは〈展開式領域〉と、〈混成〉を描いて、それに四属性の最上級魔法をはめ込む感じだ。それで作れるのが〈聖魔混成絶対領域(カオスエリア)〉だ」


 その効果は、相手の力を五割削ぎ、自身のステータスを五割上げるタイプの領域を発生させる。

魔法の威力も、基本四属性だけ上がる。

この領域の中で俺に勝てるやつはなかなかいない。

例え、ヒュドラでもな。


「さ、仕上げだ!」

「ファアアアアアアアアアッ!!!! ガッ、ガフッ! ファアアアアアア!」

「よしよし、いい感じにダメーじ与えられてる。結構弱ってんな。いい実験ができそうだ」

「!? キュワ!? (え、なになに!? 何すんの!?)」

「〈終焉の災禍(フィナーレ)〉」

「ウウウウウラアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!! ファアアッ……アッ、ア、ッ、アァ……ガッ……」

「……俺の勝ちだ」


 終焉の災禍(フィナーレ)。それは、()()()()()戦いが終わらせれるときに絶大な威力を発揮する、特殊すぎる魔法だ。

序盤に使っても、ほとんど威力はない。〈火弾〉ほどもない。

だが、どんな強者だろうと、HP1で耐えるスキルを持ってようと、一撃で殺せる。

これは、俺がウトウトしている時に、制作中の魔法陣に、()()()()()()()ではなく、()()()()を入れてしまったのだ。

すると、バグったのか、無が追加されたせいかは知らないが、こんなものが生まれた。

超魔法かすら怪しいレベルだ。

だが、


「ふー回復回復。しかし……勝ったんだよな……圧倒的に」


 先日ギリギリで勝った(?)ような状況だったが、今回は怪我も数か所ぐらい。

ま、装備と新しい超魔法のおかげか……

いやーこの調子で……


「狩るしかないよなぁっ!!!!」


 ズバババババッ!! バアアアアアンッ!!!


 狩る、斬る、撃つ。

カイの剣戟は竜巻の如く。

カイの銃撃は戦艦の如く。

三十秒で一層を突破するその姿にもはや、畏怖すら感じ始める魔物。

そして、三十分後……


バン!


「あ゛~百層到達ぅ~。さて、一応帰ってやるか」


 百層まで開放したし、あいつらの進捗も気になるし、こっちも疲れたし。

いやーダンジョン内で念話できねえからな。めんどくさい。

ゆっくりでいいから帰ってくか。


 早く帰ってこいや! カイぃ!!


 …………

なんか、悪寒を感じた。

気のせい気のせい。


その頃……


「ああああああっ! トカゲ! トカゲぇ!」

「〈烈火滅却〉! 〈激流泉禍〉! 〈嵐天怒絶〉!」

「ふんっ! おらっ! あいよおおおっ! あの野郎、まったく帰ってこねえっ!」

「それより、早く斬ってよおおおおおおっ!! こっち来たああああっ!! 〈進化の施し〉!」

「うお!? 体が軽く……【纏衣の魔雷】! 〈雷刀閃激〉!」


 〈雷刀閃激〉武器に雷を付与し、圧倒的熱と、速さで切り裂く魔法。

雷に絶大な補正があり、そして職業が速さに適性がなければできない。


圧倒的な物量に押し負けそうになる鏡花達三人。

せめて、この波は超えて帰るという意思を持ち、敵を殲滅する。

カイが到着するまで……十分。






圧倒的スピードでスキルレベルが上がったのは、挑戦者の成長効率補正のおかげです。

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