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プロローグ

結構頑張るつもりですし、応援よろしくお願いします!

「うーん〈調理〉と〈作成〉合わせてみる?」

「あー、作るもの系で?」

「そうそう」

「あ、じゃあさ、〈作成〉を〈圧縮〉して、〈錬成〉作ってみる?」

「〈作成〉から〈錬成〉かぁ! 思いつかなかったな!」

「よし作ってみよっか」

「うん! えーと、〈作成〉を円型に十個並べて、中心に〈圧縮〉ッ!」

「おー! いいんじゃね? だいぶ」

「ちょっと改良していこっか」


 あーやっぱ、新しいもの創るの楽しいよな?

ましてや、ファンタジーな世界で魔法陣創るとか! 最高だな!


 あ、どうも。言い忘れてました。

俺の名前は、時兎カイ。

今は、魔法陣を創ってるところ。

うん。何を言ってるかわからない。ちゃんと説明しろ! っていいたいのか。

えーと、ど、どこから言えばいいのかなぁ?

ちょうどいいから振り返ってみるか。





「あー……寒い……」


 そりゃあそうだろう。十二月真っただ中で、しかも大吹雪だ。傘をさしている人も少なくない。

その中で、制服と上着一枚、そしてネックウォーマーのみ。それは寒いものだ。


「ちっ、傘でも持ってくりゃあよかった。少し弱まるのを待つしかないか?」


 あー寒い、マジ寒い。とか思いつつ、ただ待ち続ける。寒い。

早くやまないかな、雪。今日は帰ってネット小説でファンタジー読みたかったのに!


 ふと、斜め上を見ると校舎の時計が六時を指していた。

あれ? 待ち始めたのって四時半よ? 長すぎね?


「やっべぇ……どうしよう……くっそ寒い」

「そりゃそうだろ。そんな薄着でさ。お前馬鹿だろう?」

「なんか最後聞こえたが……まあ、寒いぞ。ってお前誰だ?」


 なんだこいつ。いやまじで。

いや、待てよ。なんかこの顔見たことあるわ……あ、クラスメイトじゃねーか。


「ふん。クラスメイトの名前すら忘れるとは、さすがに馬鹿だな、お前」

「それほどお前に興味がないということだ。自意識過剰すぎるんじゃねえのか? 九素崎」

「んだと……!てめえ!」

「キレ症乙」


 こいつの名前は、九素崎……(下の名前なんだっけ?)生徒会書記のやつだ。

性格は、ご覧の通りクソウザい。もうむっちゃウザい。

そして……


「おい、てめえへの用件は一つ。水無月様に近づくな。彼女と付き合うのは俺だ! 調子に乗るなよ敗者!」

「はいはーい。了解っす。あざしたー」

「ふざけるなよ! 貴様ぁ!」

「いっそ大真面目なんだが」


 こいつは、うちの生徒会長、水無月鏡花(みなづききょうか)さんに実らぬ恋をしている。

そう、絶対に実らぬ恋が。

俺のつたない情報網では、水無月さんは好きな人がいて、九素崎ではないということしかわかっていない。

気付けよ、まじで。

あ? 誰か来たな……誰だ?


「あら? 何でここに時兎君が? しかも今日はみんな帰ってる時間だし……」

「ああ、先輩。こいつ薄着で、しかも傘がないというので今貸してやろうと思っていたところですよ」


おお、ちょうど来た。

ってか、しれっと嘘つくなよ。オイ。


「そう……なら私のを使うといいわ。折り畳み傘もあるからね」


 そういって、先輩はゴソゴソと学生カバンから小さい傘を取り出す。え、何この人、優しすぎじゃね? ってか、この学校にいる生徒ってこの三人だけなのか……なんだその微妙な絵面は。


「ちっ(ポイント上げられそうだったのに)……そうですか、じゃあ、たしか家こっちでしたよね? 俺が送りましょうか?」

「え? 会長こっちなんですか? うちもですよ。じゃあ、九素崎も?」

「え、え? お、俺は……(このやろぉ……全部計画を壊しやがってぇ)俺は左です……」

「そうか、じゃあ私は時兎君と一緒に帰ろうかな。いいかい? 時兎君?」

「ええ、いいですよ」

「ま、待ってくれ! 俺もそっちに用事あるから一緒に帰る!」

「そう? じゃあ、一緒に帰ろうじゃないか」

「っしゃ!」 


 ……この一連の会話で察せるだろ。もはや。

ってか九素崎来るのかよ。半分、いや、四分の三ストーカー説。

あー、よく考えなくても最悪な帰り道だわ、今日。










 ……やった! やったよ! ついに、時兎君と一緒に帰れるよ!

私は、水無月鏡花。この学校の生徒会長で、絶賛恋する乙女である。でも、やっぱり。

はぁ~~! 時兎君尊い!

 今、高校三年生の私が二年生の彼と出会ったのは入学式の日だ。私は二年生から生徒会長になっているが、入学式のあいさつの時、私は緊張しすぎて遅刻してしまった。なんて失態!

そんな中、


「ヤバイ! ここで遅刻したら先生に何を言われるやら……!」

「だよなぁ、わかるわかる。遅刻した身はそうなるよなあ」

「じゃあ早くしないとっ! って、君誰!?」

「ん?」


 いや、ものすごい自然体で独り言に入ってきたよね、君。

すっごい自然に走りながら喋ってるよ。

うちの学校で見たことない。ということは新入生かな? 多分。

え、じゃあ、遅刻してちゃだめなんじゃないの?


「え? 君遅刻してる新入生でしょ? ここにいていいの? 早くいかなきゃ!」

「逆に聞くけどさ、あなたが先生なら、授業に五分遅刻した奴と、十分遅刻した奴、怒るとしても違いはある?」

「えぇ? そんなの、十分遅刻した方に決まってるでしょ?」

「本当にそう?」

「何を言って……」


 そろそろ、走りながらの会話も疲れてきた。

でも、この子の言ってる意味が分からない。


「結局、『遅刻した』という事実に変わりはしない。だからどうせ、『次は気を付けるように』だろう?所詮は五十歩百歩なんだよ。人間な」

「あ、え……」


 言ってる意味が分からない。

いや、分かるんだけど、納得してない。


「要するに、もう遅刻してるから、急ごうと、急ぐまいと変わらないってこと?」

「まーそういうことだな」

「なるほど……」


 確かに一理あるな……うん? いや待て。

立場とか、公とか考えて、


「さすがに授業と入学式は違う気がするけど?」

「あ、ばれた?」

「ば、ばれたじゃないわー!」

「結構押し通せると思ったのにな……ま、どうせここで別れるし? じゃ、さよなら!」

「え? ええ?」


 一瞬、分からなかったが、もう体育館だ。

って、一年生と入口違うじゃん!


「やばいやばい……!」



……これが彼との出会いだ。

しかし、一応周りから『高嶺の花』と言われている分、陰キャと陽キャの中間みたいな場所にいる人に話しかけづらい。


「そうか、じゃあ私は時兎君と一緒に帰ろうかな。いいかい? 時兎君?」


 でも、自分から言えたよぉ! ほめてほしい、みんな。

でもなぁ~九素崎がいるからな。

 ぶっちゃけ、私は九素崎が好きではない。

生徒会っていうグループの関係上接しているだけで、決してI LOVE! じゃない。

でも、ついてきたからなー……めんどくっさいけど。


「うん? なんだこれ? ってこれまさか……ッ!」


 はぁ~カイ君尊いわ(もう心の中だし、カイ君でいいよね?)。と、思っていたら、突然焦りだすカイ君。ん? 地面に浮かび上がるこれって……ッ!


「「魔法陣!?」」

「? なんだそりゃ」

「ってか水無月先輩もそういうファンタジー知ってるんですね」

「うん!」


 虹色に光り輝く幾何学模様……これは、これは……!

ネット漫画で見た! 夢にまで見た! 魔法陣じゃないか!


「カイ君!」

「……はい?」

「最高だよねッ!」

「知らねえよ! んなもん!」


最早タメ口になってしまった。

でも距離が縮まったという証拠だ!

そして、この魔法陣? はおそらく……勇者召喚だ!




あー、水無月先輩は、結構外面と内面のギャップがすごい感じにしたいですね。

九素崎は……俺の身の回りのウザいやつにしたいと思いますw

誤字脱字、コメント、ブクマよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] カイと水無月先輩の2つの視点で書かれている。 読みやすい。(私だったら絶対書けない) キャラクターの個性が激強。だから、読んでて面白い。 [気になる点] 特にない。 [一言] 九素崎好きw…
2022/09/04 22:12 卵料理大好き人間
[一言] 九素崎略してザキポンがいいと思います!
2021/12/29 06:50 退会済み
管理
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