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Kittens dance in Wonderland

作者: 九条美玖

 死ぬ。私は死ぬ。今日こそ本気でそう思ったことはない。

 昨夜、家にかえれたのは午前2時。しかもそれまでは泊りがけの三連勤だった。

 私は女だが、もうそんなことどうでもいい。この瞬間、男でも女でもいいから早くシャワー浴びて寝たい。

 明日はようやく休みだ。

 一応マスコミ関連の下働きである私は、どういうわけか大手事務所のモデルたちと面識が広く、下働きに過ぎないのに人と人の間を橋渡しする営業の役目も請け負っていた。

 ああ、死ぬ。人に押しつぶされて死ぬ。これはあれだ、あの人に関わってしまったせいだ。あの社長、面白がって私を次から次に……。

 この三連勤、私は特集記事の為に面識のあるモデルやマネージャーさんと連絡を取り、彼女らの(公式)サイズを調べまくっていたのだ。自分のスリーサイズも知らんのに、モデル200人のスリーサイズを熟知した(してしまった)下働きはおそらく日本におらんぞ……。

 私はだらだらと服を脱ぎつつ裸になり、そのままシャワーをあびた。お化粧を何度もなおしたから、目の下のあたりが凄いことになってる。

 明日は昼間で寝て、友達のモデルのコとブランチを食べに行くのだ。ああ、今から心が躍る。

 その淡い夢を打ち壊す着信がスマホに入っているのに気づくことなく、私はシャワーを幸福に浴びていた。


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