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相生雪乃4:これから先は私だけの人生
ぷつんと、何かが途切れた気配がした。
遠ざかっていく。本来のこの体と魂の持ち主と、私が本当にわかれてしまったことを理解する。
「……もう、夢に見ても貰えないのでしょうね」
鏡の中にうつる美しい女性はアマンダ・ローレッタ。
相生雪乃がこの世界に転生した姿。
憑依ではない。____が"転生さん"を行った瞬間から、私は確かに赤子の頃から相生雪乃が転生したアマンダ・ローレッタなのだから。
実行された後は、返そうと思ったってどうしようもない。
身を投げようが、首を吊ろうが、"転生さん"になってしまったことは変えられない。
「……修道院に入るときは、魔術教科の本をたくさん持って行きましょう。思い出す前も勉強してたけど、ちゃんと身に入っていなかったもの」
引き出しから手帳を出し、持って行きたいものを改めて洗い出す。
これから先は、私だけの人生。
私が後悔しないためだけに、修道院に持って行くものと先に送っておくものをリストアップしていった。