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わるものパン びっくりパン

作者: やまくま

久しぶりの投稿です。創作をサボっていたわけではありません。投稿はサボっていました(笑)

 ここは、まちの パンやさん。おやおや? ゆうがたに なって、うれのこったパンが ありますよ。

「あー、どうして おれのこと かってくれなかったんだー」

 クリームパンが、おこりだしました。

「おいらだって、たべてほしかったのにー」

 カレーパンも、おこりだしました。

「ぼくだって、ぼくだって……」

 あんパンは、もう なきそうです。

「こんなに おいしい わたしが、どうして うれのこっちゃうのよ!」

 メロンパンも、プンプンプン。

 おきゃくさんは、もう だれも いません。さっきまで こんでいたのに……。

「えーい。どうせ だれも かってくれないなら、こうしてやるー!」

 クリームパンは、ピューッと クリームを だしました。

「これで なかみは からっぽだい! ふん!」

 カレーパンも、カレーを ぺぺっと だしました。それが、あんパンに かかってしまいました。

「あはは。こりゃ、けっさくだ」

「うう。もう、だれも たべてくれないです~」

 あんパンは、なみだを こぼしました。

 メロンパンは、うーんと きばって、からだを かたくしています。

「もう、しーらない! いーだ!」

 クリームパンが、むすっと いいました。

「おれたちは、わるものパンに なったんだ」

 カレーパンが、うなずきました。

「そうだぞ。おいらたちは、わるものパンだ。だれも かってくれなかったせいだぞ」

 メロンパンも、つんと おこっています。

「そうよ、そうよ。せっかく パンやさんが つくってくれたのに!」

 あんパンは、しくしく なくばかりです。

 そこへ、おばあさんが やってきました。にこにこがおの、やさしそうな おばあさんです。

「ああ、まにあったわ。まだ、パンが あってよかった。ぜんぶ もらおうかしら」

「えっ?」

 おばあさんを みて、パンたちは だまりこんでしまいました。

「え、えーと……。あ、あの……。その……」

 さあ、パンたちは こまってしまいました。まさか、いまになって おきゃくさんが くるなんて……。

 こんな ことなら、わるものパンなんかに ならなければ よかった……。

「うう、なんで もっと はやく きてくれないんだよー。おれたち、わるものパンに なっちゃったんだよー」

 クリームパンが、なきだしそうな こえで いいました。

「うう、そうだよー。もう、おそいよー」

 カレーパンも、もう、なきだしそうです。

「うわ~ん。もうだめです~」

「ああ~ん。どうしよう」

 あんパンと メロンパンは、とっくに ないています。

「まあまあ、みんな どうしたの?」

 おばあさんは、めを まるくして、おどろいています。

「おれ、なかみが からっぽなんだよー」

 クリームパンが、わめきました。

「おいらもだよー」

 カレーパンも、わめきました。

「ぼ、ぼくは、カレーが かかっちゃって……。わ~ん、わ~ん」

 あんパンは、もう、くちゃくちゃです。

「あ~ん。かたくなった わたしを たべたら、おばあちゃんの はが おれちゃうわ~。ごめんなさ~い」

 メロンパンも、なきさけぶばかり。

 そんな パンたちを みて、おばあさんは、にこっと わらいました。

「まあまあ、たいへん。でも、おもしろそうね。あなたたちは、びっくりパン なのね。おいしそうだわ」

「えっ? びっくりパン?」

「お、おいらたちを たべてくれるのか?」

 クリームパンたちが、ひっく、ひっく、なきやみました。

「クリームなしの クリームパン。カレーなしの カレーパンと、カレーの かかった あんパン。かたーい メロンパンは、あたためれば やわらかくなるわね。うふふ。おじいさんを びっくりさせちゃおうかしら。いっしょに たのしませてもらうわ」

 おばあさんの やさしい えがおを みて、パンたちは、また、なきだしてしまいました。

「わ~ん。おばあちゃん、ありがとう」


 パンを かっていった おばあさんは、おじいさんと いっしょに、ぜーんぶ たべてくれましたとさ。よかったね。

読んでくれてありがとう。

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