8話 作戦会議
「さて、お腹も満たされたことですし、作戦会議ですよ渚くんっ!」
お弁当を食べ終わり、お茶を啜る俺に妙な話を持ちかけてくる。
「作戦会議·····?」
急な話で少し戸惑ってしまった俺は、語尾が疑問形になってしまう。
こいつは突然何を言い出すんだ。また何か企んでるのか·····?
「そうですっ! 名付けて『青春しちゃおう大作戦』! どうです? 面白そうでしょう?」
そういうと、ゆるは指パッチンをしてドヤ顔をした。
「へ、へぇ〜。た、確かに面白そうかもなぁ〜。それで作戦内容はどんな感じなんだ?」
またろくでもないことを考えたのかと思った俺は、この作戦にあまり期待はせず、一応内容だけは聞いておくことにした。
すると、ゆるは万遍の笑みで俺に近づいてくる。
「私と渚くんのお友達をたくさん作るんです」
とも·····だち?
俺の日常会話で使われないような言葉が出てきて、一瞬固まってしまう。
「な、何言ってんの!? むりむりむりむり! だって俺あんなに虐められてるだぞ!? ゆるだって知ってるだろ!?」
俺は首を左右にぶんぶん振って、ゆるの作戦に全力で否定する。
こいつは馬鹿なのか!? 毎日毎日、来る日も来る日も虐められている俺に友達と青春を送るなんて夢のまた夢だろ!
俺のリアクションと対比して、ゆるは「それがなにか?」と言いたげにキョトンとしている。
「はい。知ってますけど?」
「だったらなんでそんな無茶言うんだ! 誰も虐められている人間と友達になりたいと思わないだろ!」
割と正論を言ったつもりだ。人間は自分よりも下だと思っている人のことは、相手にもしないだろう。
すると、ゆるはこめかみを人差し指でチョンチョンと叩き、煽るような口調でこう言った。
「頭がいいのに視野が狭いですね〜、渚くんは。こんなに酷い虐めが黙認されてる学校ですよ?」
「ど、どういう意味だ·····?」
ゆるは待ってましたと言わんばかりに 、得意げに口を開く。
「普通の人が相手にしてくれないなら、渚くんと同じ状況の人だったら相手にしてくれるんじゃないですか?」
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