小さな世界
筆者が現在社会復帰の為に通っている施設で、最も多く行われている仕事が商品の包装である。
意外に思われるかもしれないが、今なお包装を手作業で行っている商品というのは案外多い。大手の工場辺りでは作業工程の殆どがオートメーション化されているであろう現在においても、手作業の需要というのはまだまだ存在しているのである。
有名どころでは、公式ポケモングッズならお任せのあのポケモンセンターの商品の包装も担当した事がある。こんな片田舎の小さな施設で、全国の子供達にポケモングッズを届けるお手伝いをしたのだと思うとちょっと胸が熱くなってくる。
さてうちの施設、どこで売られているかはさっぱり解らないのだが実に様々な地域の限定を謳った商品が送られてくる。勿論全て、筆者の住んでいるのとは違う都道府県から送られてくるものである。
記憶にある限りでは、北は北海道から南は沖縄まで。まさに全国から、この片田舎へと商品が届けられるのである。
各地域からうちの施設へ来てまた各地域へ、というのはちょっと考えにくいので、恐らく近場にあるどこかの物産展辺りで販売しているのでないかとは思う。作った地域で包装をしないのは、恐らくそちらの方が都合がいい何かがあるのだろう。
もっともそのお陰で、仕事には困る事はない。健常者に頼むより安く済むという理由であろうと、今のご時世安定して仕事が入ってくるというのは実にありがたい事である。
今の施設はあくまでリハビリ用であるので、給料は出るが自立して暮らせる額には遠く及ばない。それでも雰囲気もいいし職員も同じ利用者も皆いい人達ばかりなので、通う事に苦痛はない。
それにしても気になるのが、同じ中身をガワだけ変えたような商品が時折入ってくる事である。いや、違う地域から来ている以上どこかは違うのだろうが、その差が解らない。
もしかしてこれ、全く同じものなのでは……。そんな黒い疑惑も沸くが、未だに問い質せてはいない。
まだ社会に出ていない諸君。大人になるとは、こういう事である。




