デビューするという事
そういえば、ネット小説大賞の一次・二次選考の総評を読みました。というか載せましたってお知らせに書かれなかったから暫く載ってる事に気付かなかった。
いつもはこういうのは読まないんですが、今回は一次通過したという実績がある。なので二次通過に当たって自分に足りなかったのが何だったのか確かめたかったんです。
でまあ、書かれていた事をざっくり要約するとこうです。
一次通過したのは「面白い」作品。
二次通過したのは「面白くて売れる」作品。
それを見てストン、と納得。ああ、そりゃ二次落ちるわと。売れる要素、何にもない話ですもの。
しかし逆に言えば、「売れないだろうけど面白い」とは思って貰えたという事でもあります。これが解った事はかなり大きい。やっぱり面白いって思って貰えるのが一番嬉しいですから。
それにしても、うん、売れる話。言葉にするのは簡単ですが、実行するのはべらぼうに難しい。
売れるにはまず、現在どのような傾向の話が読者の間で好まれているか把握しなければなりません。その上で、他にはないその話独自の「売り」を前面に押し出す必要があるのです。
昨今の小説批判でよく目にする「文章力がない」ですが、ぶっちゃけそんなものは売れる為には二の次です。多少文章力がアレだろうと、話の内容そのものが面白くて人を惹き付けるものならそれでいいんです。文章に気を遣ってきた今までの自分を全否定するような言葉ですが。
率直に言えば、文章を美しくするのは誰にでも出来ます。しかし人を惹き付ける話を作るというのは、誰にでも出来るものではありません。こう言えば、どちらを優先すべきかは一目瞭然ですよね。
いつかの記事では「書く以上はなるべくエタらせないで欲しい」と書きましたが、本気でデビューしたいのであれば人気の出ない話は早々に切り捨てるのも一つの手ではあります。売れない事が確定している話にいつまでもしがみつくより、売れるかもしれない話をどんどん世に送り出す方が当然デビューの確率は上がります。
しかし、ここで忘れないで欲しいのはデビューは「ゴール」ではなく「通過点」にしか過ぎないという事です。
売れそうな話を乱発し、デビューしたとします。そうすると今度は、ずっと売れ続けなければならない訳です。
しかも一度デビューした以上、「売れないからエタらせる」という手は使えません。いや、作者が書きたくても出版社側がこれ以上は儲けにならないからと打ち切るパターンもありますが。
瞬間的に人を惹き付けるのは、それほど難しくはありません。しかしずっと人を惹き付け続けるのは、並大抵の努力と才能では効きません。
最も解りやすい例が漫画ですね。途中どれだけ人気が出ようと、その人気が衰えてしまえば待っているのは打ち切りという運命です。
デビューを通過点と考え、デビュー後どうやって生き残るかを模索する。それが出来る人が、本当の「小説家」になれるのではないかと筆者は考える訳です。
……そういう、売れる為の努力を「面倒臭い」と切り捨ててるから筆者はデビュー出来ないのだろうなあ。多分、一生。




