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夢の跡地

今回は、拙作「徒然怪談」の最新話「夢か現か」の裏話でも語ろうかと思う。作中に出てきた閉園した幼稚園、これには実はモデルがある。

筆者が現在通っている病院へ続く道の途中には、かつて幼稚園があった。かなり年季の入った感じの建物で、通りがかると園児達の遊ぶ声が聞こえてきたものだ。

しかし少子化による経営難か、今から二年ほど前に閉園してしまった。建物は全て取り壊され、更地になった敷地内には一本の大きな桜の木が残るのみとなった。

その光景を見て思い付いたのが、「夢か現か」である。実に二年間も温めていた事になる。

すぐに書かなかったのは、まず当時、筆者はスマホアプリを大量に掛け持ちしていた。執筆に時間を割く余裕が、全くなかったのである。

そして一年前、執筆を再開した時は文章を短く纏める目処が立たなかった。「徒然」のルールは一話完結かつ五百字以内なので、違反する長さのものは載せられない。

で、先日、漸く短く纏める目処が立ったので執筆したという訳である。手前味噌だが、苦心しただけあってなかなか綺麗に纏まったのではないかと思う。


さて件の幼稚園跡地だが、下にあった遺跡の再調査を経て、現在は新しい建物を建築中である。やけにパステルカラーな建物だが、一体何になるのだろう。

建物は新しくなったが、桜の木だけはまだそこにある。しめ縄が張られている辺り、手を出してはいけない木なのかもしれない。

この木はこれから、どんな景色を見る事になるのだろう。そんな事をふと思った春の日だった。

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