入学試験8
俺たちは今屋敷の話し合いをする部屋で円卓を囲んで座っている。座席はおれの右横に時雨、青龍、朱雀、玄武、黄龍、刹那、冬姫、命の順で円卓を囲んでいる。ちなみに白虎は俺のそばを離れたくないのか俺の膝の上に座っている。
「ああ、話はわかった。我らは主に仕えると誓っている。異論はないが、一つ問題がある、白虎をどうするかだ。」
話し合いは、ある程度進み黄龍達の協力も得たが、問題が残った。
問題というのは白虎だった、俺が黄龍達をここに置いて別の所に行くといったときに白虎が『おいていかないでよ~!』と泣き出してしまったのだ。
「白虎ちゃんを連れて行けばいいじゃない。」
ここで刹那がそんなことを言い出した。
四神達が人の姿になったお陰か、妹たちに恐怖の色は無くなった。しかし、まだ緊張しているみたいだ。
考えなかったわけではない。ただ、白虎を連れて行ったら呼び出した意味が無くなるうえ、引っ越し先で一人にするから、声に出していなかっただけだ。
「まあ、それしかないよな」
そこの辺りはどうにかならないか後で考えるか。
俺は膝の上に座っている白虎の頭を撫でた。
「さて、話がまとまったところで、今更だが自己紹介をするか」
実はまだ自己紹介をしていなかった。
「それに加えて、これから黄龍達は人間界で過ごすにあたって俺から名前を与えようと思う」
人間界で過ごすにあたって四神達の名前は有名すぎるので、名前を与えることにしたというわけだ。
もし、街中で有名な芸能人の名前を呼んだりしたら、回りの人たちに注目されるだろう。
それと同じことが起きる可能性があるので、名前を与えると言うわけだ。
「そうですよね、黄龍、玄武、朱雀、青龍、白虎って名前は流石に注目されますよね」
俺の意見を聞いて冬姫がうなずいている。
「ああ、我らも賛成だ。実は以前から主に名をつけてほしかったのだ」
黄龍は、うなずきながらそう言った。
「黄龍、玄武、青龍、朱雀、白虎って種族名みたいなものだもんね。」
朱雀が笑いながらそう言うと。
「人間からしたら人って呼ばれるようなものです」
青龍も苦笑しながらそう言った。
「いい名前付けてくださいね~」
結構みんな乗り気らしい、ちなみに白虎は頭を撫でてたら眠ってしまっていた。
「まずは黄龍からだな、黄色の黄に守るで黄守だ」
俺は皆のイメージから名前を付けることにした。
「青龍は蒼空、玄武は玄奈、朱雀は朱音、そして白虎は白だ」
俺は少し心配で皆の顔をうかがってみたが、みんな笑顔なので気に入ってくれたようだ。
ネーミングセンスに関しては深く考えないでほしい。
白には起きたら伝えることにするか。
「じゃあ、自己紹介をしようか。俺はする必要が無いからまずは、黄守から」
俺は黄龍改め黄守から自己紹介をするようにうながす。
「ああ、我は黄龍の黄守だ。我は四神のまとめ役をしている、今後この家に厄介になるのでよろしく頼む」
「次は蒼空」
蒼空が立ち上がる。
「我は青龍の蒼空です。我は龍神ではありますが、主様や黄守様みたいに強くはないです。ですが、防御、治癒、支援系の魔法が得意なのでよろしくお願いです」
蒼空が席に座る。
蒼空は自分があまり強くないみたいな言い方をしたが、龍が龍神になるには知性と力が必要だ。
実は最低でも直径十キロメートルの島を沈めるぐらいの力と他の種族の言葉を理解する知恵がなけれ龍神には成れない。
ちなみに、蒼空はその気になったらこの大陸を沈める位はできる実力を持っている。
「次は玄奈」
「わたしは玄武の玄奈でこっちの蛇はわたしの半身だから怖がらないでね~」
玄奈の自己紹介は短かった。
もう少し話すことは無かったのか。
「次は朱音だな」
「私は朱雀の朱音、よろしくね! 実は私と玄奈と白は変身が苦手でね少し元の姿の名残が残っちゃうけど気にしないでね」
朱音の言った名残とは、玄奈の玄武の蛇、白の白虎の耳としっぽ、朱音の朱雀の光る髪だ、朱音の変身は割とうまくいっている感じで羽の代わりに髪が少し熱を持ち光源になっているぐらいだ。
本来は龍しか人間に変身できないのだからうまくいっているほうだと思う。
「えっと白の紹介は俺がする、白は少し臆病で甘えたがりだから皆も白には優しく接してほしい」
俺たちはこの後適当に雑談をして親睦を深めた後眠った。
ちなみに結構大きな屋敷なので布団や部屋は余分にあるので、一人一人に部屋と布団を割り振って寝てもらった。白は俺の部屋で寝たけど。