未来視
朝の続きです。
一度学園近くにある自宅に帰宅し、そのまま屋敷に転移をした俺達。
そこで俺達を出迎えたのは陽月と龍那、凛那だった。
なぜ、俺達が転移する場所と時間がわかったのだろう。
「やっぱり帰ってきた!」
とそう喜びながら俺に抱き付いてきたのは黒髪に深紅の瞳を持つ幼女、龍那だった。
その純粋無垢な笑顔にはただ、褒めてほしいという感情しかなかった。
とりあえず俺は訳のわからないまま龍那の頭を撫でてやることにした。
「えへへー」
頭を撫でられた龍那は可愛く笑顔を浮かべていた。
「で、これはどういう状況?」
このままでは状況がわからないのでとりあえず俺は陽月に状況説明をしてもらうことにした。
「実はね。私が龍那と凛那に未来視を教えたの」
と語りだす陽月。
未来視を使える人間はほとんどいない。いや、人間以外の神々ですら使えない方が多いくらいの技術だ。
未来視を使えるようになるには才能が不可欠になる。才能がなければ絶対に未来なんて見えない。
才能を持っている人間は一億人に一人、居るか居ないかの確率だ。
ただ、今確認されている人間で未来視を使えるのは82人。内56人は何らかの形で軍事、または戦闘においてかなりの実力を保有していることがわかっている。
戦いにおいて未来を見ることは相手より優位になれるので、未来視を会得したいと思うものは数多い。
「そしたら出来ちゃって。確認のためにここに居たってわけ」
陽月もただ、笑いながらそういっているだけだった。
その笑いはどこか疲れているようにも見える。
俺が知っている限り、未来視を使えるのは俺を含めると六人だ。
俺、陽月、時雨、刹那、鬼神龍鬼、焔龍勝だ。
おそらく知られていないだけでまだいるとは思う。
多分、黄守も使えるだろう。
冬姫も未来視並の先読みを使えるので、未来を見ることができるようなものだ。
龍は元々戦いの才能がある。龍那もその才能をもって生まれたわけか。
今回も読んでいただきありがとうございました。