服選び
龍王との戦いは俺の敗けで勝負がついた。
勝敗は簡単、先に死んだ方の敗け。結果龍王が相討ち覚悟の至近距離でのブレスで俺は敗れた。
夢の中での死は現実世界には何の影響もないので別にいい。
そもそもこの戦いは龍王が戦いた過ぎて何かしないかという心配からだ。
おそらくこれでしばらく龍王もでしゃばらないだろう。
これですべて上手くいくと思っていた。
だが、現実は違った。
『我の勝ちだな。負けた貴様には罰ゲームをしてもらう』
突然龍王がそんな事を言い出したのだ。
「そんなの聞いてねーよ!」
俺は思わず龍王に叫んでしまった。
『お前だって龍属唯一の掟は知ってるだろう』
龍属の唯一の掟。それは、弱肉強食。
龍同士の戦いは本来片方が死するまで続く。相手を殺して勝者が決まるのが龍種なのだ。
だが、今回のように片方が不死なら話は別だ。弱い者が強い者に下るのが道理なのだ。
だが、ここで勘違いしてはいけないことがある。
それは、今の俺が戦ったのは俺の龍の部分の自分と言うことだ。
つまり今の戦いは龍種同士の戦いではなく、龍と人間の戦いであると言うことだ。
だから俺が龍王の言うことを聞く必要はないと言うことだ。
「知ってはいるが俺は人間だし」
俺は龍王にそう言った。
『だから罰ゲームと言っているのだ』
龍王は俺が言っているのに自分の意見を通そうとしている。
まったくわがままなやつだ。
「一応罰ゲームの内容は聞いてやる」
俺はしょうがないから無理がない罰ゲームなら聞いてもいいかもと少し思い、ゲームの内容を訊いた。
『内容は戦闘系の能力の制限だ。例えば戦闘中の龍神化を出来なくするように我が封印するのだ』
龍王はゲームの内容を話し始めた。
まあ、その程度なら問題ないだろう。
だが、一つ気になることがあった。
「一応訊くが──」
『貴様が思っている事はわかっている。その時はすぐに封印を解くから心配するな。我と貴様は結局は一つなのだから心配なのはわかる』
俺が龍王に訊こうとしたら、龍王は俺の言葉を遮って答えてくれた。
この条件なら別に罰ゲームも受けてもいいな。
「わかった。罰ゲームをしてやるよ」
俺は龍王にそう言った。
長い夢の中で俺は龍王と戦っていたが。やがて朝は来る。
そう起きる時間だ。
意識が段段と覚めていくのがわかる。
暖かい布団から出るのは辛いがしょうがないか。
俺は目を覚ますとあることに気が付いた。
胸の辺りに抱きつかれたような感覚がある。
布団の中に誰か居る。
俺は布団をはがし誰が居るのか確認する。
そこにいたのは白虎の白だった。
白は気持ち良さそうに俺の布団の中で寝ている。
俺の布団の横にはもう一つ小さな布団があり、その布団は白が使っている布団なのだが、何故か白は俺にくっついて寝ている。
だけど暖かいからいいか。
いや、良くない。
登校しないと遅刻する!
俺はそう思い近くにあった腕時計で時間を確認する。
午前9時完全に遅刻だ。
「白起きろ」
俺は俺にくっついて寝ている白をユサユサと揺さぶり起こす。
「ん? きりゅ~」
白は少し寝ぼけながら俺に抱きついてくる。
白は結構抱きつき癖があるな。
「急いで準備して学園に登校しような。今からでも三時間目には間に合うから」
俺は白を連れて居間に移動する。
まるで白のお父さんだな。
居間に行った俺は勘違いをしていたことに気づくのだった。
「兄さん今日は土曜日なので学校はありません」
居間に行った俺と白にそう言ったのは俺の妹である龍神冬姫だ。
冬姫はいつも通り銀髪を後ろで縛って椅子に座りながら本を読んでいた。
少し日にちの感覚が狂ってたみたいだな。
「じゃあもう一回寝るかな」
俺は寝るのが好きだ。だから今日は登校しなくてもいいとわかったのでもう一回寝ようと思う
「白も一緒に寝る~」
白も二度寝を希望していた。
だが、それを阻止しようとするものがいた。
「たまには出掛けたらどう? 戻ってからあまり出掛けてないみたいだし」
龍神家の長女、龍神刹那がそんな事を言ったのだ。
えー 確かに戻ってからあまり出掛けてないけど。
眠いな。
俺のそんな心の声が聞こえたのか刹那は冬姫に向かってこう言った。
「冬姫ちゃん、鬼龍と買い物でもしてきてくれるかしら?」
「え!? 私がですか?」
それに対して冬姫は少し驚いていた。
「……わかりました」
冬姫は少し考え込んで言葉を出した。
俺と白は二度寝をあきらめて、渋々ショッピングモールに来ていた。もちろん冬姫も一緒にだ。
なぜショッピングモールに来たかと言うと、いい機会だし白の服を買おうと言うことになったのだ。
実は白以外の四神達の服は刹那が買ったらしいのだが、白のサイズがわからなかったため一緒に買うことが出来なかったらしい。
だからこの機会に白の服を買うことにしたというわけだ。
「白ちゃんどんな服がいい?」
冬姫が白にそう訊いた。
「動きやすいの」
白は短く答えた。
白は人見知りで、まだ冬姫には馴れていないみたいだ。
「動きやすいのか。俺は服がわからないから冬姫に任せる」
俺は冬姫にそう言った。
実際服のセンスなんてまったく無いからしょうがない。
「まったく兄さんは。動きやすい服ならあれとかどうでしょう?」
冬姫は店の入り口から見える青いTシャツに肉球の模様がデザインされている服をを指差した。
確かに白に似合いそうだな。
「きりゅーは?」
白が俺を見てそう言った。
多分俺にあの服は似合うか訊きたいのだろう。
「いいと思うよ。白はあれでもいいのか?」
俺は白にそう言った。
実際問題選ぶのは白本人だ。
「うん! あれがいい!」
と俺たちはこんな感じでしばらくショッピングをした。
次回の投稿は来週の日曜日に予定しています。




