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実戦訓練 決勝 表

短いです。

 つい先ほど龍神の巫女。龍神代陽月が俺の能力を使った気配があった。

 使われた能力は創造。創造は自分の思ったものを造りだす万能の能力だ。

 陽月が俺の能力を使うのは珍しい。一瞬緊急事態が発生したのかと思ったが、特に異様な気配は感じないが一応、眼だけ龍神化させて確認をした。

 龍神眼で見えたのは草原しかない異世界で白と一緒に昼寝をしている陽月の姿だ。


 気持ちよさそうだ。


 「鬼龍そろそろ行こうぜ」


 俺のパートナーの春田優が俺に声をかける。

 そうそろそろ模擬戦の決勝戦だ。決勝の相手はもうわかっている。相手は元気な少女結城朱里とその幼馴染の泉雫だ。


 「あぁ、行くか」


 俺は立ち上がり演習場に向かった。






 演習場に着くとそこにはもう朱里と雫が居た。

 二人とは昨日も戦ったがあの時とは顔つきが違う。本気で戦う戦士の顔つきになっている。


 本気と言うことか。


 「ん? 確かあの子達はキリュウーの友達だよね」


 シルフィーが二人に気づいたみたいだ。

 まあ、最後にあったのが早朝で、まだ十時間も経っていないのだから忘れるわけはないか。


 「そうだ。次は朱里達と戦うんだ」


 俺はシルフィーにそう言った。


 「なあ知ってるか? あいつらはこの学年で上位五番以内に入る実力者なんだ」


 優が俺に小声でそう言う。

 知っているとも。


 俺は頷く。


 「刀を持っている方が泉雫。元々は武術科だったが、こっちに来て更に強くなったらしい。あの刀は妖刀だ」


 親切で話してるのかもしれないが、今言われたことは全て知っている。


 「で、もう一人が結城朱里。炎の最上位精霊の一体であり龍種でもあるサラマンダーと契約を交わしている召喚士だ」


 やっぱり知ってる情報しか聞けなかった。


 優が話し終わったタイミングで禁呪の魔女でありこのクラスの担任である桜井沙那が姿を現した。


 見た目は女子中学生な彼女だが、れっきとした教師で軍人でもある。


 「最後の戦いは私が審判をする。相手を殺さなければ何をやってもいい、全て私が治してやる。思う存分に戦え」


 沙那はそれだけ言うと少し離れた場所に行った。

 少し偉そうな言い方だがこれはいつものことだ。


 「では始めろ」






 やっと始まった最終試合。

 私たちはきっと本気の鬼龍君には勝てない。ただし本気ならばだ。

 おそらく鬼龍君は私たちには本気を出さないだろう。理由は明確だ、その理由は私たちを脅威だと認識していないから。そこに勝機がある。

 意識の差を利用する。鬼龍君が本気を出さないなら私たちは鬼龍君を殺す気で攻撃すればダメージくらいは与えれると思う。


 「やるよ雫」


 私は隣に居る親友、泉雫にそう言った。


 「うん、作戦通り私が先に仕掛けるから」


 雫がそう言いい、刀を鞘から抜き出した。

 さっき雫に言った作戦通りに事が進めば鬼龍君もびっくりすると思う。


 雫が妖刀を鞘から出したことによりここら辺の湿度が高くなった。


 「鬼龍さん行くよ」


 雫が鬼龍君に向かって走り出した。

 雫の周りには水の塊が宙に浮いている。

 その水の塊にはかなりの魔力が含まれていた。そんな塊が五つ。


 「水斬刀」


 五つの水の塊の姿が変わっていく。その姿は雫が今手に持っている妖刀の姿に酷似していた。

 ただひとつ違うところは、透き通っていてまだ水だとわかるところだろう。


 水の刀が鬼龍君を襲う。

 だが水の刀が鬼龍君に触をうになった瞬間、ただの水に戻った。


 「させないですよ」


 どこからか女性の声が聞こえた。

 よく見ると鬼龍君の肩に小さな人影がある。いやそれだけじゃない、空中にも人影がある。

 空間に居る女の子の方は見覚えがある。

 昨日鬼龍君が契約した風の精霊王シルフィード。


 「キリューには手出しさせないよ~」


 シルフィードがそう言っているのが聞こえてくる。

 正直簡単には倒せると思っていない。いないがここでシルフィードに手も足も出なかったら幻龍姉妹には勝てない。


 「水の魔法陣の完成」


 雫を中心とした大きな魔法陣が出来上がっていた。

 その魔法陣の効果は凍結。

 魔法陣内に居る者を全てを氷の檻に閉じ込める魔術。この魔術は大魔術に指定されているため本来は大人数で発動させるのだが、雫に魔力保持量は普通の人の十倍にもなるため、この大魔術を使うことができたのだ。


 そして氷の檻に閉じ込めた鬼龍君ともう一人、春田優は身動きができない状況だ。もちろん術を発動させた雫も氷の中に閉じ込められている。

 それが本来のやり方で発動させたら雫も閉じ込められていただろう。だが。


 「成功したね朱里」


 雫が私の後ろから声をかけてくる。

 実は氷の中に閉じ込められたのは水で作った分身で、本物の雫は試合が始まってすぐに分身を作り、本体は水の反射を利用して姿を隠していたということだ。その間にかかった時間はほんの二秒。


 「そしてこれで終わりにする」


 私はサラマンダーに魔力を送る。

 空中に巨大な炎の魔法陣が描かれる。

 その魔術の効果は大爆発。

 一瞬にして氷の檻が跡形もなく蒸発する程の圧倒的な熱量。こんな攻撃を受ければ普通の人は死んでしまうだろう。だが、相手は龍王様なのだ。この程度では死ぬはずがない。


 私たちは炎の最上位精霊サラマンダーの力で熱さは全く感じていないが、演習場の床が融解しているのを見ると魔術は成功したらしい。





 何故か私は天井を見上げている。

 周りを見渡すと私はベッドの上に寝ていることに気づいた。


 確かさっきまで鬼龍君と戦っていたはずなのにどういうことだろう。


 「あら、目が覚めたみたいね。ここは保健室よ」


 声の方を向くとそこには茶髪を後ろ縛っている白衣を着た女性が立っていた。


 確か名前は三浦汐里。保健室の先生だったような。

 そしてなぜ私はここにいるのだろうか?

次回の投稿は諸事情により再来週の16日。日曜日の午前九時に予定しています。

また、次回も読んでください。


※もしかしたら今週の日曜日に投稿できるかもしれません。

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