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実戦訓練4

久しぶりにちゃんとした投稿です。

 今回の相手は優一人では難しいだろう。

 前の戦いでは二人とも油断しまくってた相手だったから優が速攻で倒せたが、今回の相手はそんな間抜けではないはずだ。

 しかも今回の授業はトーナメントで行われている。俺達はトーナメントの一回戦を勝ち上がったため次の相手も勝ち上がった相手になるのだ。

 ようするに、さっきみたいに召喚獣を出す前に一人で倒すのは難しいという事だ。


 「今回は鬼龍の実力も見せてもらおうかな」


 優は汗を拭いながら俺にそういってきた。

 おそらく召喚獣を自分自身に召喚したために疲れているのだろう、疲れてると言ってもおそらくは百メートルを全力で走った後程度の疲れだ。


 「わかった。俺の実力を見せてやるよ」


 俺はここであることを思い出した。それは白が居ないことだ。

 白が居ないつまり自分で戦わなくてはいけないのだ。まあ、戦うこと自体はいいんだ、なぜなら優も自分の手の内を見せてくれたわけだし。だが問題がある、それは召喚科なのに召喚獣を必要としない戦いができるからだ。

 なにが問題かというと「別の学科でよくね?」って思われるかもしれないからだ。

 まあ、どうにかなるかな?


「ところでひとつ質問なんだけど、白ちゃんいなくて大丈夫か? あの子あんなに可愛くても召喚獣なんだろう? 今日は一緒に居ないみたいだし」


 優がそう言ってきた。

 そりゃあ当然の疑問だろう、召喚士は基本的には召喚獣を常時召喚していても周りの迷惑にならないなら良いとこの国の法律にものっている。

 だが、この学園の生徒のほとんどが常時召喚していないのには大きく二つの理由が存在するからだ。

 一つ目は簡単だ、使役する者の技量の問題だ。

 二つ目は召喚獣の力が大きすぎて、またはコントロールできなくて周りに被害が出るためである。


 まあ、今日俺が白を連れていないのは別の理由だけど。


 「まあ、大丈夫だ。さっきは優が前衛をやってくれたから今度は俺が前衛をするよ。もし俺が危なくなったらよろしくな」


 俺の言葉を聞いた優が困った顔をした。


 「どうした?」


 俺は率直に優に訊いた。


「いや、実はあんまり後衛をやったことがなくてな。あんまり遠距離攻撃は得意ではないんだよ。だから期待はするなよ? それとも俺が前衛をやるか?」


 確かにさっきの戦いを見ていた限り優は白兵戦が得意なタイプだ。だが、この学園で基礎となる魔術や魔法の中に遠距離攻撃のものがあるはずだから出来ないことはないだろう。


 「いや、俺が前衛で優が後衛だ。もしやばくなったら優が前衛に来て戦えば問題はないだろう? それに実は俺も近接の方が得意だ」


 そして順番がくるまでしばらく待つ。


 その間他の人の試合を見ていたが色々工夫、召喚獣があって結構面白かった。




 ついに順番がまわってきた。

 敵は当然二人、一人は薄紫色のショートの女の子で。もう一人は黒髪ボブカットの女の子だ。召喚獣も二体。一体は白い毛並みに二メートルはあるかという獅子だ。

 二体目は黒い大剣を持つ全身真っ黒な大男だ。白い獅子と比べても相当大きい。おそらくはアンデッドと呼ばれる生きる屍だろう。


 「ン?」


 一瞬黒い戦士が喋った気がした。

 良く見ると肉体は魔力でできているのがわかる。生前は相当な実力を持っていたことがわかる立ち姿だ。


 俺がそんな風に観察していると白い獅子が動き出した。

 この戦いは両者が立ち位置にたった時点で勝負開始である。


 白い獅子は疾風迅雷の如く素早い動きで俺に襲いかかってくる。

 噛みつきや鋭い爪での攻撃、そのすべてを俺は最小限の動きでかわし続ける。


 「鬼龍!!」


 俺は白獅子の攻撃を難なくかわし続けているのだが、優にはそうは見えないのか?

 白獅子は主から命令を受けていないにも関わらずすごい攻撃を仕掛けてくる。それに合わせて黒い戦士は優の方に走り出した。

 優はまだそれに気が付いていないみたいだ、なぜなら優は俺の後ろにいるため黒い戦士は俺を狙っていると思っているみたいだ。


 「大丈夫だ。おとなしく見てろ」


 俺は優とは共闘をしたことがないため一人で戦った方が楽だ。

 白獅子の猛攻はまだ続いているが俺はまだ無傷だ。俺は頭に噛みつこうとした白獅子を手刀で白獅子の首を断つ。

 首を切られた白獅子は光のように消えていった。

 おそらくは死んではいない、しばらくしたらまた呼び出せるだろうが今は無理だ。


 「え? 嘘? 白王が」


 薄紫色の髪の女の子がそんなことを言った。

 まあ、当然だろう。召喚獣に無傷で勝ったのだから。しかも素手で首を落とすという非常識な光景を見せられたのだから。


 「マジかよ鬼龍」


 後ろで優が驚いている声をあげているのがわかる。

 そして黒い戦士を召喚した黒髪の女の子が魔術を使おうとしているのもわかる。


 使おうとしている魔術の仕組や術式を魔方陣から読み解く。

 魔術の効果はアンデッド、スケルトンの複数召喚。数は二十体。スケルトンは最下級のアンデッドに位置する。だが、これだけの数召喚するのは相当な魔力量と精密な術式が必要とされる。それを戦闘中にするのだから彼女は天才なのかもしれない。

 魔術を解析した時間はほんの一瞬。まばたきが遅く感じるくらいの時間だ。

 だが、そんな一瞬でも隙だ。黒い戦士はその隙を見逃さずに黒い大剣で俺に斬りかかった。

 だが、刃が俺を傷つけることはなかった。なぜならその攻撃を俺は手で挟んで止めたからだ。

 普通の人間には無理な芸当だろう、だが俺は普通の人間ではない。

 握力だけで止めたが勢いが凄まじく俺の足が地面にめり込んでいる。どれだけの力で大剣を振り下ろしたのだろうか。


 「さすがに笑えてくるよ」


 後ろから場違いな声が聞こえたが聞こえなかったことにする。

 俺の握力に耐えきれなくなった大剣が砕け散った。


「サスガハキリュウサマダ」


 俺はまた黒い戦士が喋ったような幻聴を聞いた。幻聴じゃないかもしれないが。

 それをきっかけにして俺は黒い戦士の頭までジャンプをして頭部を殴り飛ばした。いや、消し飛ばしたといった方が正しいな。

 だが、ここまでしても黒髪の女の子は驚かない、集中しているのだ。


 次の瞬間、この場の温度は数度下がった。いや、下がった気がした。

スケルトン二十体これだけの数のアンデッドを呼び出したのだ。寒気がするのも当然だろう、

 だが、さっきの黒い戦士の方が驚異だった。


 俺は魔法を発動させる。詠唱を必要としない基礎の魔法を。名もない魔法を。


 二十体のスケルトンが突然発火する。


 この魔法は基礎中の基礎。昔は四大元素と呼ばれていた火、水、風、土の四つの一つ、火を発生させる魔法だ。

 だが、この魔法をここまでの数ここまでの規模で発生させれるのは長い時間が必要だろう。


 スケルトンに付いている炎が大きく火柱を上げる。


 そして残ったのは地面が焼けた後だけだった。





 当然相手は負けを認め俺達の勝利で終わった。


今度は色々な設定をのせた物を投稿はしようと思います。

次回の投稿は来週の日曜日です。

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