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入学試験2

 入学試験当日


 「次、試験番号005番と006番ついてきなさい」


 005番が時雨で006番が鬼龍である。

 鬼龍たちは試験官についていった。そこは、大きな部屋だった、まるで学校の体育館を連想させるような部屋だ。部屋の真ん中には何かの装置がある。


 「これから君らにはあの装置に魔力を流してもらう」


 試験官は俺と時雨に試験内容を説明している、第一試験の試験内容はあの装置に魔力を流して数値を測り、その数値で合否を出すようだ。

 こんな機械で大丈夫なのか。


 「それじゃあ早速、試験を始める。まずは受験番号005番、装置に魔力を流し込んで」


 「はい」


 時雨は短く返事をし、装置へ魔力を送った。


 「これはすごい、なんて魔力だ」


 試験官達が時雨を見て驚いていた。

 次の瞬間装置が爆発した、この装置が時雨の魔力に耐え切れなくなり爆発したのだ。

 まあ、こうなるよな。


 「怪我はないか? まさか魔力を測る装置が壊されるなんて」


 試験官は時雨に近づき怪我がないか確認した。そもそも時雨があの程度の爆発で怪我をするはずが無いのだ、時雨は瞬間的に自分の周りに魔法の結界を張り、防いだからだ。


 「はい、怪我は無いです」

 「それはよかった」


 試験官は時雨が怪我をしていないのを確認すると第一試験の試験監督のもとに行った。


 「鬼龍」


 時雨は鬼龍のもとに駆け寄った、駆け寄って来た時雨の顔は不安そうに見えた。


「怪我したのか?」


その場を動かなかったが実は鬼龍も時雨を心配していたのだ、大丈夫だとわかっていても心配だったのだ。

だが、心配は無用だったようだ。


「私機械壊しちゃった、大丈夫かな」


 時雨は機械を壊して試験で失格になるのではないかと心配していたようだ。

 まったく、そんなことで時雨が失格になるわけがないのに、逆に誇るべきことなのに。


「大丈夫だと思うぞ、機械が壊れるなんて学校側も想定外みたいだし、それに時雨の魔力を見た試験官達も時雨を入学させたいはずだ」


 鬼龍は時雨の目を見ながらそう言った。


「本当に?」

「あぁ」


 鬼龍が時雨と話していると試験官が近づいてきた。


 「ほかの試験官と話し合ったんだけど、特別に君を合格にする事にした、この後の試験も受けなくていいよ」


 学校側も時雨のとてつもなく膨大な魔力を見て異例の試験途中での合格を認めたらしい。

試験官は時雨に合格を告げると、次は鬼龍の方に話しかけた。


 「すまないが試験の装置が壊れてしまってね、試験の方法を変更することにした」


 驚くことに試験官が試験内容を変えると言ってきたのだ。


 「わかりました」


 だが、鬼龍はまるで試験の内容が変わることが分かっていたかのように冷静だった。

いや、わかっていたのだ。

 鬼龍は相手の心を読むことができる、この能力で鬼龍は試験官の心を読んでいた。


 「で、新しい試験とは?」


 鬼龍は心を読めるが時雨は心を読めるわけではない、だから鬼龍は時雨に聞かせるのと同時に自分が相手の心を読めるとは悟られないように試験官に試験の内容を聞いたのだ。


 まさか、試験官と戦うことになるとは思っていなかったな。

 そう鬼龍も心の中で思いながら。


 「試験の内容は僕と戦うことだよ、もちろん手加減はするけど」


 試験官は笑っていた。


 「・・・・・・しなくていいです」

 「え?」


 試験官が困惑していた。


 「今なんて?」


 鬼龍は、試験官に挑発ともとれるようなことを言った。


 「だから、手加減なんてしなくていいです、全力で相手してください」


 試験官は、鬼龍を睨んだ。

 手加減、その言葉は鬼龍が嫌いな言葉でもあった。


 「一応言っておくけど、こう見えても僕はこの国でも強い方なんだよ」


 鬼龍は試験官の瞳をのぞき込んだ、それが試験官にはすごいプレッシャーだったのだろう。

 普段の彼なら絶対にそんなことは言わなかった。


 「いいだろう、全力で相手してやる」


 試験官は笑いながらそう答えた。

 試験官は笑っていたが、実は鬼龍に恐怖していたことが鬼龍にはわかっていた、鬼龍は相手の感情をコントロールできる。

 それに、鬼龍にはある秘密がある、その秘密のせいで試験官は本能的に鬼龍恐れを抱いていた。

 それを隠すために、いや自らが気が付かないように無意識的に自分の方が格上だと公言したのだ。


 「闘技場に移動する、ついてきなさい」


 試験官はそう言った。

 鬼龍と時雨はそれについていった。


 鬼龍たちが連れてこられた場所は第二試験会場と書かれた闘技場だった。

 第二試験会場で戦うのか。


 「さて、君にはお詫びとして僕に勝ったら君は合格にしよう、これは校長からの申し出だ」


 実はここに来る途中で試験官は電話をしていた、実はそれが校長との電話だとはほとんどの者が気付いていないだろう。


 「わかりました、ありがとうございます」


 鬼龍は、試験官にお礼を言った後、客席に座っている人物に目をやった。

 校長も暇なんだな。

 そこに座っていたのは双神学園の校長だった、その横にはほかの試験官と時雨が居た。


 「では、この試験の説明をする、今から僕と君が戦う、もしも僕が君に負けたらその時点で君はこの学園に入学することになる、もし負けても僕が君の力をこの学校にふさわしいと思ったら、第二試験に進むことになる、だけど、ふさわしくないと思ったら君は不合格になる」


 試験官が闘技場の真ん中に歩いて行った。


 「それでは試験を始める、006番こちらへ」


 試験官が鬼龍を呼んだ。


 「ちなみに審判は三日月学園長に頼んであるから安心して…… それではお願いします」


 三日月学園長が立ち上がり。


 「これより試験を始める! 両者! 始め!」


 鬼龍の第一試験は唐突に幕を開けたのであった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 心を読み、感情を制御する……良いですね! とても面白いです! 主人公がこの先どのような困難を握り潰していくのか、この先が楽しみです。 [気になる点] 「。」などの句読点が付いていない文が多…
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