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邪神の眷属達2

優柔不断でスミマセン

最低でも週一回は投稿します。

午前四時半。場所は大陸の南東のとある街。驚くことにこんな朝早くなのに多くの人が起きていた。


「助けはまだ来ないのか!」


男が怒鳴り付けるように叫ぶ。

サイレンは鳴り響き、窓ガラスは割れ、地割れが発生し多くの建物が崩れていた。

多くの人が寝ているなか、地震は起きた。地面が大きく揺れたのだ。推定震度八以上。ここら辺は地震が滅多に起きないので、震度六までの耐震対策しかとられていなかったのだ。


「おい! 軍隊が到着したぞ」


遠くからそんな声が聴こえてきた。

この軍隊は鬼神龍鬼がクトゥルフへの対策として呼んだのだが、大きな災害が有ったため急遽四割の兵士を救護に向かわせたのだ。


「よかった」


男は安堵した。

この大陸の軍隊は異能者が多く所属している。緊急時には一般の異能者も救助に参加するので他の国よりは災害の対策はいいと言えるだろう。

まあ、この国では九割近くが異能者なので災害で死者が出ることはあまりない。





時雨達が戦闘を開始する少し前、刹那達は海辺にいた。

ここには、刹那以外に冬姫と命がいる。


「なんでこんなことになったのかしらね?」


唐突に刹那がそんなことを言い出した。

確かに今思えば、邪神クトゥルフが復活したうえに、眷属と一緒に自分達のすんでいる大陸に攻めてくるなんて普通ではない。さらに地震や津波、海面の氷結、天変地異が起きているのになんで敵を倒さなくちゃいけないのか考えるだろう。

少なくとも普通に暮らしている人は、こんな状況下では避難するだろう。まあ、海面の氷結はここにいる龍化した冬姫が起こしたことだが。


「まあ、もう考えてもしょうがないわね」


刹那がそう言った時だった、皆東の方角に何かが居ることに気づいた。

ここからでは黙視が不可能なはずの距離なのにここにいる皆が奴の存在に気が付いた。


「いったいなに?」

「わかりません。でも、強大な力を感じます」

「命もなにか感じる」


クトゥルフ。その存在の大きさは数千キロ近く離れている者にもその存在を知らしめるほどに大きいということだろう。


「おそらくはあれがクトゥルフなのね。 え!?」


突然だった。突然、あんなに大きな存在の気配が消えたのだ。まるでこの世界から消え去ったかのように。

気配が消えた理由は簡単だ、鬼龍がクトゥルフを消滅させたからだ。

だが、家族だからといっても鬼龍の能力のすべてを知っているわけではない。

だが。


「兄さんがやりました」

「うん」

「キー君」


皆は知ってた。鬼龍はクトゥルフを討ちにいったことを、そして鬼龍が負けるはずがないことを。


「来たみたいですよ」


冬姫が氷の割れ目を指差しながらそう言った。

そこからは、クトゥルフの眷属ダゴンが姿を表した。体長は時雨達のところに姿を現したものより大きい、およそ三十メートルはあるのではないだろうか。


「確かに海面しか凍らしはしなかったですけど、ここまでダメージが見られないのは少し悔しいですね」


冬姫はダゴンに向かってそう言った。もちろん返事を期待したわけではない。

その証拠に冬姫は銀色の髪を揺らし、翼を使ってダゴンのもとまで飛び、ダゴンを真っ二つに切り裂いた。

ダゴンの体は二つに別れ凍りついた。そして、硬い海面に当たったダゴンは砕け散った。

冬姫の能力は万物を止める能力。その能力を生物に使えばたちまちに命を奪うだろう。


「命も戦う」


命がそう言うとどこからか、無数の短剣が現れ空中で円形に浮かんだ。短剣の見た目は黒色の刀身にヒビのような赤い模様が浮かび刃の部分はうっすらと紫がかっていた。


割れた氷の割れ目から次々と魚人のような異形の怪物が姿を表す。


「じゃあ私は後ろで見てるから二人ともがんばってね」


刹那はそう言うとどこからか敷物を取り出してそこには座った。

刹那は保険として来ているので今は働かなくてもよいのだ、しかもこの場は実際二人で十分なので、二人のうち漏らしを排除するのに徹するだけでいいのだ。


「マイペースですね姉さん」


冬姫が異形の怪物を凍らせ砕きながら刹那にそう言った。冬姫のは刀を持っているが刀をあまり使っていない、すなわちこの程度の相手には刀を使う必要がないということだ。


「二人を信頼してるだけよ」


刹那は命を見ながらそう言った。

命は縦横無尽に転移しまくって短剣で敵を切ったり刺したり、短剣を飛ばしたり短剣を敵の体内に転移させたりして戦っている。

結構無茶苦茶な戦いかただ。転移魔法は使える人が少ない上に相当な魔力を使うのでここまで戦闘に使えるのはこの国でも十人もいないだろう。






鬼龍は渦を見ていた。クトゥルフを消滅させたために生じた渦だ。


「さて、後片付けをするか」


鬼龍はさっきまでの感情を切り替えてそう言った。


クトゥルフには同情するが、この大陸に攻めてきたからには眷属どもも全滅させてやる。


鬼龍がそう思っていると、渦の中からこちらに敵意を剥き出しているものを見つけた。

ダゴンだった。だが、時雨や刹那達が見たのとは大きさが違いすぎた。約百五十メートルはあるだろう、その大きさはクトゥルフと比べたらたいしたことはないが普通の人間からしたら恐ろしいにちがいない、おそらくはクトゥルフの側近だったのだろう。

だが相手が悪い、鬼龍は普通ではないのだから。

鬼龍はダゴンに同情することはない。すなわち、楽に殺すつもりはないのだ。


「後悔しろ」


鬼龍はそう言うとダゴンの声という概念そのものを消滅させた。次に鬼龍はダゴンをの手を崩壊させた。

「崩壊」は鬼龍の能力の一つだ。

ダゴンの手は端から徐々に崩れていく。ダゴンは自分の手を見て狂ったように暴れているが、声は聞こえない。

鬼龍はダゴンの残りの手足にも崩壊現象を起こした。

崩壊が肩や又の位置まで達したら鬼龍はもう一つの能力を使った。その能力は「再生」。

ダゴンの手足は元通りになった。なったが、崩壊はまた手足の先から始まった。

崩壊の痛みはヤスリで神経を削られるより痛いだろう。

鬼龍はまた「消滅」を使った。次はダゴンの気絶という概念を消滅させたのだ。

すなわち今のダゴンは、永遠の痛みと恐怖。さらに死ねないうえに気を失うことも出来ないという拷問を受けているのだ。


鬼龍に拷問をする趣味はない。しかし、今回の件で鬼龍はイライラしていたのかもしれない。クトゥルフが攻めてきたこと、攻めてきたクトゥルフが脱け殻のようで弱かったこと、そんなクトゥルフに警戒しすぎていたこと、そしてクトゥルフを脱け殻にしてしまった先祖にたいして。


気が付けば三十分くらい経過していた。

鬼龍はダゴンに飽きたのか即刻殺し、ここら一帯に居るクトゥルフの眷属を消滅させると、大陸にゆっくりと戻っていった。

ある程度は出るキャラを決めていますが。

こんなキャラを出したらいいんじゃないかと思うのがありましたらコメントください。

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