表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/138

白銀の獣と土の精霊王 2 【時雨】

 「じゃあ白を迎えに行ってくるから」


 そう私に言い鬼龍は屋敷に白ちゃんを迎えに行った。

 迎えに行ったといっても鬼龍は空間転移で屋敷に一瞬で行けるから、すぐに帰ってくると思うけど。

 

 鬼龍の空間転移は魔法じゃなくて別の何か。

 多分権能だと思うけど、あまりに次元が違いすぎるから私にもわからない。

 私も空間転移は権能で使うことはできるけど、あそこまで自然に使いこなすことはまだ難しい。


 私も鬼龍みたいに権能を自由自在に使いこなせるようになりたいな。


 「お邪魔します」


 私がそんなことを考えていると、玄関から東華の声が聞こえてきた。

 東華は一度家に帰り、着替えて私服でこの場に居る。


 東華とはお隣さんで、最近はこっちで一緒に食事をしたりしているので、この家には自由に出入りしていいと言っている。

 このことに関しては鬼龍もいいと言っているから気にしなくてもいいと思っているけど、東華はこっちに来るたびに「お邪魔します」と一言だけ口にして入ってくる。


 そもそも勝手に出入りしていいといった時も「さすがに……」「それは……」とかいろいろ言っていたけど、私が無理やり言いくるめた。

 その時は、私の数少ない友達がお隣さんだから、大分舞い上がってたんだと思う。


 結局東華の方が折れてくれて頻繁にうちに来てくれるようになったけど、「お邪魔します」は言わせてと言われた。

 なんでも習慣だからしょうがないとのこと。


 「時雨これお菓子」


 東華が私にチョコクッキーを渡す。

 このチョコクッキーは市販の奴だけど、私が毎日食べているお気に入りのやつだ。

 

 東華も私の好みをわかってくれているのか、よくこれを持ってきてくれる。


 「いつもありがとうね」


 私は好物のクッキーを受け取り、東華にお礼を言う。


 「いつも晩御飯ご馳走になってるからね」


 東華はいつものように私の右側の席に座る。

 

 そこで気が付く。

 窓の外に居る一匹と一人の異様な気配に。


 何者?

 とりあえず東華も気にしてないみたいだから無視しようかな。


 「そう言えば先輩は?」


 東華が私に訊いてくる。

 東華が言っている先輩とは鬼龍のことで、一応学年的にも年齢的にも鬼龍は東華の上なので、東華は鬼龍のことを「鬼龍先輩」や「先輩」と呼んでいる。


 「あ~ さっき白を迎えに出かけたよ。多分もう少ししたら帰ってくるよ」


 私がそう言った直後。

 異様な気配が、敵意に変わった気がした。

 そして嫌な気配に反射的に権能を使ってしまった。

 

 使ってしまったのは空間を操る権能。

 

 その権能で空間を曲げ、どこかの川の近くに異様な気配の者達と東華を転移させてしまった。


 「なに!?」


 私の横で東華が驚いている。

 私が無理やり転移させてしまったせいで東華が驚いた。

 権能をむやみに使う癖を全然直せないのがつらい。


 「貴方たちは何?」


 状況を素早く理解して、相手を見る東華。

 今は裸足だけど気にしてられないような状況。


 空間を曲げたままだから、鬼龍が家に戻ってきたらここに来るはずだけど。

 あいつらは何なんだ。

今回も読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ