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月夜

明けましておめでとうございます。

これからも投稿を頑張るので見てくれたら嬉しいです!

 日曜日の深夜、俺は近づいて来る陽月の気配で目を覚ました。

 今日は俺の部屋で白と龍那、凛那も一緒に寝ていて陽月もそれをわかっているのか足音や気配を消して近づいてくる。


 と、次の瞬間俺は部屋の外に出ていた。


 「おはよ鬼龍」


 部屋の外に強制的に出された俺に声をかけてきたのは陽月だった。


 今の時間は感覚的に午前一時だと思う。

 その時間帯に「おはよう」は少しおかしい気がするな。


 「少し付き合って」


 陽月が俺の手を握り俺の部屋から離れるように歩いていく。

 

 「わかったけど、どこいくんだ?」


 手を引かれて連れられている俺は、小声でどこに行くのか陽月に訊いてみた。

 最近陽月と二人きりで話す機会はあまりなかったから少し話したいと思ってたから、これはラッキーかもしれない。

 

 「ん? 月がよく見えるところ」


 そう言われて向かったのは縁側だった。

 この屋敷は標高の高い場所に位置しているが、程よい温度の風が吹いている。

 そして今夜は満月で大きな月が眼前に見て取れる。


 しばらく沈黙の時間が過ぎる。

 だけど気まずい空気は全くなく、むしろ心地の良い感じですらある。


 

 そよ風が吹き庭の草木が揺れる。

 その風に陽月の銀色の髪の毛も月光に照らされ煌びやかに踊っている。


 「鬼龍は夜は好き?」


 月を見ながら陽月は俺にそう訊いてきた。

 俺に訊いてきた陽月の表情は、なぜかすごく楽しそうな表情をしていた。


 夜は好きか?

 考えたことはなかったな。でも夜は好きかも知れない。夜の静けさや月明かりはとても見ていて心が和む。


 「好きだよ」


 俺も陽月と同じように月を見ながらそう答えた。

 

 俺のその答えを聞くと陽月はこちらを見る。


 「私もだよ!」


 夜なのに元気よく陽月は俺にそう言ってきた。

 その行動はまるで子供みたいでとても無邪気だ。


 「月はいいよね、見ていて落ち着くんだよね」


 そう言って陽月は俺にもたれかかってくる。


「月が出ている時間は魔の者達が活発になる時間帯だから、もしかしたら私、魔族だったりしてね」


 俺の肩に頭をのせながらつぶやくように冗談を言う陽月。


 たとえ陽月が人狼や悪魔、魔王、吸血鬼になったとしても俺の思いや態度は一切変わることはないし、周りの人も変わらないと思う。

 とは言いつつもこれは確信に近い。

 陽月は龍那と凛那にはもちろん好かれているし、刹那や冬姫や命にも慕われている。


 だから嫌われるなんてことは絶対にないし、そもそも種族なんてこの屋敷では関係ない。

 すでに龍、人、神獣、精霊がこの屋敷で共に暮らしているのだから。


 「陽月が魔族だとしても俺は受け入れるけどね。俺は今までの陽月を知っているから」


 「ありがとう」


 そして陽月は俺をちからずくで倒そうと俺の肩を押してくる。

 よくわからないが倒れてやるか。


 「たまには近くに居てね」


 俺を押し倒して陽月はそう言うと俺の腕にしがみついた。


 「おやすみ」


 陽月はそれだけ言うと目をつむり寝てしまった。

 寝るの早いし自由だな。


 しょうがない今日はとことん付き合うか。


 俺は朝もらったばかりの龍皇刀 烏兎龍 永久を呼び出す。

 龍皇刀 永久は俺の全知全能を象徴した刀で全知全能を九割使用可能だ。そして姿も変えることが出来る。

 俺は永久の姿を一枚の布に変化させる。

 その布は白くて大きく少し分厚い。

 だけど通気性はかなりあり、夏でも熱くなく、程よい温度に保つ効果のある布に変化させた。


 この布に変化させた龍皇刀 永久を俺と陽月の上にかけて眠りについた。

 俺の腕で寝ている陽月は幸せそうに眠っていた。

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