序章
0話みたいなものなので短いです
序章 幻の大陸
世界には様々な、民話、神話、伝承が伝わっている。
その中には、海に沈んだ大陸の話が存在する。だが大陸は、本当に海に沈んだのだろうか?
真実は、大陸は異世界に存在しており、発見者が異世界に迷い込んでいただけだったのではないさろうか?
この世には三つの世界が存在するとされている。
表の世界、裏の世界、死後の世界がある、沈んだとされていた大陸は裏の世界に存在していたのだ。
表の世界と裏の世界というのは、人間が呼んでいるだけでどちらも違う場所にあるだけで同じなのだ。裏の世界と表の世界は、互いに破壊と再生を繰り返しており、片方の世界の生物が絶滅したら、もう片方の世界から新たな生物が行くことにより、また、その世界で生物が繁栄する、そしてまた、絶滅する。
世界は、これを繰り返してきているのだ。
裏の世界に行くには、裏の世界の物を身に付け、空間の不安定な場所に行くだけで裏の世界に行ける、稀に、何も身に付けなくても迷いこむ事がある。
今では自由に行き来が出来るようになったが問題は裏の世界がどこの国の領土かということになった。各国が競って裏の世界に進出したのだ。だが、裏の世界にはすでに国が存在したのだった。
文明レベルはほとんど同じだが、異能の力も表の世界よりはるかに上だった、文化は日本に似ていた。
その理由は昔から日本やアメリカの船や漂流者が大陸にたどり着いていて、日本人やアメリカ人も住んでいたからだ。
そのため日本はこの大陸と平和条約を結び、表面上は仲良くなっていき、アメリカは裏の世界の侵略を諦めた。
だが、他の国はこの大陸の資源と豊かな土地を諦めてはいなかった。
人間が裏の世界に行けるようになって五十年、日本と大陸では、貿易や旅行が気軽にできるようになり、移住なども認められるようになった。
だが、日本以外の国は未だこの大陸を狙って軍艦などで大陸を奪おうとしている。
それらからこの国を守るのが龍王、鬼王と呼ばれている二柱の守護神とこの国の軍隊である。
深夜の砂浜で一人の男が海をみつめていた。その男は三十代前半の筋肉質で、腰には刀が二本ある。その刀の鞘には見事な深紅の龍が掘られている。男はただ静かに水平線をみていた。
しばらくすると、水平線から十隻の軍艦が見えてきた、すると男の目は赤く蛇に似た目にかわり、背中からはドラゴンの様な翼が生えた。竜人化と呼ばれている変身だ、竜人化は竜に関りが深いものしかできない、すなわちこの男が竜と深いかかわりがあることを示している。
男はその翼で軍艦の群れに飛んで行った、まーその光景はまるで紅い流星のようにも見えた。
男は腰から抜いた刀で軍艦を一瞬にして真っ二つにした。
瞬く間に軍艦十隻を海に沈めた。
そんなとんでもない、偉業とも思える行為をしたのにも関わらず、男は何事もなかったかのように砂浜に戻っていった。
するとさっきまでそこには居なかった人影がそこには在った。
「いつ戻られたのですか鬼龍様」
男が笑いながら鬼龍という人物に問いかけた。
「ついさっきだよ。焔龍家当主の力はいまだ健在だな」
鬼龍と呼ばれた人影は楽しそうに答えた、すると、鬼龍は闇に消えていった。
まるで、最初からそこには誰も居なかったかのように。
次回から本編です