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第11話 間違いないと告げております

アイシェからノエルが校門付近で下校する生徒達に大魔法剣士(まもる)のことを聞き回っているということを聞き、急ぎその現場に向かう面々

時は遡り、ジルとジャンヌが守に不満を言いに行くその裏側では下校中の生徒に守の存在を確かめようと校門に訪れるノエルとその筆頭メイドであるナナノの姿があるのだった


「なぁなぁ!ここがファントム家とオリビア家の次期当主が言っておった大魔法剣士のお兄ちゃんがいる学園か?」


「その通りにございます、お嬢様。しかし、戦時中そのお姿を隠されていました大魔法剣士様。まずは"まもる"というお名前の生徒の情報を集めましょう」


「それならここの学生に聞き回ればいいのだ!そうであろう、ナナノ?」


「よっ!さすがです、お嬢様!さっそく帰り途中の生徒の皆さんにまもるさんの情報を聞きましょう!」


ノエルとナナノは誰彼構わず下校する生徒に話しかけ少しでも情報を得ようとする

ナナノは獣人族出身で、耳と鼻がとても効き、頭がよくないノエルにとっては欠かせない存在(メイド)である


「なぁなぁ、そこのお兄ちゃん!この学園に大魔法剣士がいると聞いたのだが、どこにいるのだ?」


「大魔法剣士様?勇者様なら確かに在籍していますが、大魔法剣士様がいるなんて聞いたことがありません」


「そ、そうか…。因みにまもるって名前の男をしっておるか?」


「守だってぇ!?」


「ひ、ひぃっ!?どうしたのだ」


「す、すまない…。聖守という男なら知っている。この学園の男子生徒で聖守(やつ)を知らない男なんていないだろうさ」


「お嬢様に変わり失礼致します。その聖守という男子生徒について聞かせていただけないでしょうか?」


「あの男は初日の登校で自身のメイドとアディリシア様を携えて来ただけに飽き足らず、新入生代表挨拶では全生徒の前で勇者様に告白されそのまま口付けをしたのさ。さらに三大貴族の一人、エリカ様とも口づけをしたとも噂されている。あげくには今日転入してきた女生徒にも告白されたらしく、そのことに対し平然としていると噂されている。(やつ)はこの学園の綺麗所をすべて自身の手元に置いておく悪魔のような男だっ!!この学園のすべての男はやつを敵視している。お嬢ちゃんたちもやつの毒牙にかからないように気をつけるんだなっ!!」


「そ、そうですか…。有益な情報ありがとうございました」


その後も男女問わず数名の生徒に声をかけ、情報を集めるが、皆大魔法剣士が学園にいるということを知らず、聖守という男に関する情報はどれもだいたい同じであった


「あら?あのお方は…」


「…お世話になっております。ファントム家のアイシェにございます」


「おっ!お前は昨日のやばいお姉ちゃんの従者ではないかっ!!」


「…ノエル様は本日はどのようなご用件で学園に?」


「それはこちらの台詞です。ファントム家の者がどうして学園にいるのですか?」


「…私は本日よりこの学園に通われます、メイお嬢様のお迎えに参りました」


「先ほどの男性がおっしゃっていた転入生とはメイ様のことでしたか。ノエルお嬢様は昨日の貴族会議での話からここに大魔法剣士様がいらっしゃると思い、探りを入れているのです」


「…そうでございますか。では、私は失礼いたします」


「待つのじゃ!お主は大魔法剣士のお兄ちゃんを知っておるのだろう?私にも教えてくれっ!」


「…すいません。それはできないのです」


「なんだとっ!?いくらファントム家の従者と言えど、私はガルト家の次期当主だぞっ!偉いんだぞ!」


「…勘違いしないでください。私の全てはお嬢様のためにあります。大魔法剣士様の存在を私が喋ることで、お嬢様から嫌われたくはありません。どうぞお引取りを」


「お、お嬢様。この方はやばいです…。他を当たりましょう」


「そ、そうだな…。ファントム家の次期当主によろしく言っておいてくれ」


「…失礼致します」


アイシェの後ろに見える闇に怯える二人はアイシェから情報を引き出すことを諦め、学生達から再び情報を集めるのだった

そして時は戻り、守達が校門にたどり着くと問題の二人は情報あつめに動いている最中であった

その中でエリカの存在に気づいたノエルは守達のそばにやって来て、守に守のことを尋ねる


「なぁなぁ!そこのお兄ちゃん!聖守というこの学園一最低な男について知っているか?」


ノエルが守にそう尋ねると守は苦笑いで流そうとするも女性陣はそれぞれで反応が異なった

ジャンヌやジルは笑いを堪えずに吹き出しており、ニースやエリカは"やってしまったよこの娘…"なんて目でノエルを見つめる

対して過剰に怒りの反応を見せたのは心から守を慕っているアディリシアであった


「守様は最低な男なんかではありませんっ!!誰が吹き込んだのか知りませんが、守様を貶すことを私は許しません!!」


「ひぃっ!?わ、私何かやらかしたのか?姫様が怖いのだっ!!」


「今までの情報を思い出してください、お嬢様!姫様たちがいるということはこのお方が聖守さんなのですよっ!…って、うん?」


「落ち着けってアディリシア。そんなに怒るなって」


「申し訳ありません。はしたない姿をお見せしました…。ですが守様を貶す者を私は許せません」


「その気持ちだけでいいよ。それで、その学園一最低男と言われているのが俺だが…ガルト家の次期当主が何か用か?」


「(クレイジー娘というのは知っていたが、実際その目で見るのは初めてだな。このちっこいのが次期当主のノエルか。アディリシアを怒鳴らせるなんて珍しい。それにしても付き人の獣人さんの方はどこかで見たことあるような…)」


「お兄ちゃんが聖守というのか!ようやく見つけることができたぞ!姫様達が寄り添うというのでどれほどのイケメンかと思ったが、そうでもないなっ!」


「ハハハ…面と向かってなかなかなことを言ってくれますね。この娘は」


「同じ三大貴族代表としまして謝罪致しますわ。守様は私にとっては十分イケてる(おのこ)ですわ!」


「謝罪に絡めてちゃっかりアピールしてますね…エリカさん」


「むぅ、我も守の顔大好きじゃよ!!」


「ふふ〜ん、私は守のすべてが好きだもん!」


「そんなことはどうでもいいのだ!この学園に大魔法剣士様がいると聞いたのだ!確か…」


「お嬢様!この人が大魔法剣士様ですよ!間違いありません。私の嗅覚と聴覚がそうだと告げています!」


「なっ!?」


「守、この人あの時(・・・)の子だよ!獣人族の里の!」


「あの時のかっ!!ということは…」


魔王討伐時代、獣人族の里では当時碌な武装もない獣人の男兵達が無謀とも言える魔族との抗争を繰り返していた

勝ち目のない抗争に力自慢の男達は徐々に魔族に狩られてゆき、対抗手段を無くした獣人族はとうとう里の方まで魔族に侵攻される

守たち聖騎士団は獣人族の里を救出するために魔族の侵攻隊を殲滅したのだが

その時に襲われていた女性達の中にこの従者(ナナノ)はいたのだった


「当時私の里を助けていただいた聖騎士団の皆様の中で大魔法剣士様だけはそのお姿を見せていただけませんでしたが、目の前にいる聖守さんの声と匂いは大魔法剣士様のそれと私の耳と鼻が間違いないと告げております」


「ということは、お兄ちゃんが大魔法剣士かっ!?」


「違う…なんてもう通じないか…獣人族に言われてしまうと…。この展開(バレ方)は想像してなかった。完全にやられた…」


「「「「え〜っ!?」」」


この騒ぎを端から見ていた生徒達の叫びが響いたことで守は何もかもが終わったと心で思うのであった

この後叫んでいたモブ達により守の存在はすぐに伝わるのだった。と書くまでもないですね。ということで今回で守=大魔法剣士ということがバレました。実は守の正体をばらす方法として①アナトが暗躍してバレる。②舞い上がったロベルタがうっかりバラす。など色々考えていましたが、三大貴族を絡める方法を選びました。正体バレしたことで次回から本当の意味での大魔法剣士の学園生活になります。

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