03「能力公開」
ぅう…ここは? そうか。異世界だな。何やら豪華そうな内装の建物だな。周りには…兵士か。偉そうな奴もいるぞ。う〜ん。粋な神様め。好きなパターンだぞ。むふふ。
そこで気づいたことがある。周りに人が倒れている。いっしょに召喚された口だな。集団転移か。…良い。実に良い。
しかし、このパターンからすると、きっと能力をチェックされるだろう。兵士や偉そうな奴は未だ動かずか。周りの召喚された奴らも起きかけてきている。全員起きたら話し始めるのだろうか。
そこでステータスを偽装することにした。これも神界でカスタムした職業スキル《忍者》の偽装によるものだ。
偽装し終えた頃にとある声が…。
「皆、ここがどこかわからずに混乱しているだろう。我が名はキルーファ。この国の近衛騎士だ。」
くっ殺女騎士の様だ。すると召喚された者、約30名のうち数名が声をあげる。
「ここどこだよ!」
「早く返せよ!」
「ここどこぉ!」
「皆は我々が召喚したのだ。この国は近年危機に陥っていてな。そこで、異世界から勇者を召喚しようとしたわけだ。」
ふ〜ん。テンプレ。
「そんな国知るか! 早く返せや!」
「そうよ! 私のメイクが台無しだわ!」
しかし、そんな罵声も次の一言で制される。
「危機回避を手伝ってくれる者にはこの金塊を差し上げると約束しよう」
目の前に用意された金塊。召喚された女性陣の女が光る。ん?あの金塊おかしくないか? スキル《究極鑑定眼》で調べる。
鉄塊(金色塗装仕様)
・鉄の塊を金色で着色した金属の塊。鉄自体も粗悪品。売値、50G
めちゃくちゃやないけ!
「男性陣には女も用意している。」
そう言うとナイスバディーな女たちが騎士の後に現れた。ん?あの女おかしくないか? スキル《究極鑑定眼》で調べる。
美しの腕輪(粗悪品)
・つけたものを美しくする腕輪。ただし、粗悪品のため、近くで見るとバレる
オーク
・森の中で暮らす魔獣。この個体は人間のテイマーに使役されている。
オークか。しかし周りの召喚者は金と女に夢中なようだ。そろそろかな。
「おっ…俺は協力しますよ!」
「俺もだ…!!」
「私もよ! 金塊、忘れないでね。」
さっきまで嫌がっていた奴らは早くも手のひらを返し、状況理解が出来ていない者は雰囲気にのまれ、話が着々と進んできた。
「この世界には強さの基準として、ステータスがある。この世界に来るときに異世界人はそのスキルが発現するらしい。そこで、はじめにステータスをチェックしてもらう!」
そう言うと大きな水晶が出された。なんとなく《忍者》の技、聞き耳を立ててみた。ふむふむ。聞こえるな。
『我々が信用され始めたころに、強さランクC以上の異世界人にそれとなく隷属の首輪をつけるのだ。新人。つまりそれが我々は何故ステータスチェックをするかという真の目的よ。』
『は! 勉強になります。ところでランクC以下の者はどうなるので?』
『使えない者は引き立て役さ。自分と同じ境遇で、自分より劣るものが自分より悪い境遇を受けていれば、人間、やる気が出るものだ。』
『なるほど…勉強になります!』
部屋の端にいる騎士の会話だ。ごく小さいヒソヒソ声だが、俺には聞こえてしまうんだな〜。コレが。
するとステータスチェックは始まっていたようで。
「おぉ! よっしゃ! 俺Aランクだぜ! ヒャッハー!」
一人の男が声を上げた。
「俺はBか。」
「…フフフ クフフ フハハハハ! Sだぜぇ!」
そして俺の番が回ってくる。
亜堂春馬 24歳 人間族 Lv.1
HP.15 MP.10
攻撃力、10 魔功力、10
防御力、10 魔防力、10
素早さ、10
スキル、《草むしり1/1》
称号《異世界人》
瞬間、誰かが吹く音が…。
「ブッ! …いや。すまない。」
女騎士の様だ。おのれぇ! 冗談です。コレは偽ステータス。本当は…
亜堂春馬 24歳 人間族 Lv.1
HP.10000 MP.10000
攻撃力、10000 魔功力、10000
防御力、10000 魔防力、10000
素早さ、10000
スキル、《大勇者》《英雄》《聖騎士》《騎士》《剣士》《侍》《忍者》《剣の心得》《刀の心得》《金剛力》《全武器の才》《闘技創作》《大魔王》《召喚師》《大魔道士》《時空魔道士》《全属性魔法の才》《飛行魔法》《重力魔道士》《魔法創作》《究極鍛冶職人》《エンチャンター》《ブースト》《錬金術師》《馬マスター》《究極鑑定眼》《攻撃力UP》《魔功力UP》《防御力UP》《魔防力UP》《素早さUP》《強者》《能力強奪》《能力倉庫》《能力融合》《魔力察知》《気配察知》《加護を与えし者》《アイテムボックス》《精霊王の加護》
称号《異世界人》《無双許可者》
これである。強い…強すぎる。
ちょっと足しました