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神獣王と邪神獣王  作者: 神嵜 煉
プロローグ
2/5

絶望と出会い

連続投稿です


それではどうぞ。

9大名家。エレメスに存在する4つの大陸ある。その中の1つの大陸で大国と呼ばれる国が5つのある。その中の1つがウルスベルト。9大名家はウルスベルトの建国当時活躍したそれぞれの魔法属性に優れた9人の魔法師の子孫の家系のことを呼ぶ。


魔法は9つの属性に別れている。順に、火属性、水属性、氷属性、雷属性、風属性、地属性、無属性である。そこに上級属性の光属性と闇属性が入る。


この9つをそれぞれ、得意とするのが9大名家である。家の名は順に、火属性の火野家、水属性の水橋家、氷属性の氷川家、雷属性の雷嶺家、風属性の風馬家、地属性の地劉家、無属性の無田家、光属性の光市家、闇属性の闇尾家。


その中の2つの家である雷嶺家と闇尾家から落ちこぼれが2人生まれたのである。


6年後、彼らは6歳になっていた。そして今日は、9大名家の仕来たりである魔力測定と精霊契約の日である。これは9大名家が出来てから必ず行われている仕来たりである。これの表向きは名家それぞれの子供の能力を測る行事ではあるが、裏では落ちこぼれが出ていないかを探すためのものでもあった。落ちこぼれが出た場合は直ぐに追放するのが決まっている。子供達にとっては、生きるか死ぬかを問われているかのような拷問に近い行事である。


9人の少年少女がそれぞれ、測定していく。今の所、落ちこぼれは出ていない。そして、雷嶺家の子の順番になる。まずは魔力測定をする。出てきた数値は80。今までの子供では最高の魔力量である。魔力量はZ、SSS、SS、S、A、B、C、D、E、F、Gの順に低くなっていく。その中で彼はSSランクに相当する魔力量を保持している。この段階で、魔法を覚えただけで大体の人間に勝てる程の魔力量を保持している。彼の父親である男は大喜びした。次の瞬間までは。次に精霊との契約である。彼は契約の時に必要な詠唱を唱える。だが、精霊が現れない。少年は何度も繰り返して詠唱を行うが、反応はない。結局、精霊現れないままに終わる。少年はこれで追放対象になる。


それから、最後の闇尾家の子供の順番になる。魔力測定を行う。出てきた数値は70。今までの子供で2番目に多い魔力量である。そして、見ていた者達がまさかと思ったことは的中する。彼も、精霊と契約できなかったのである。


これまでの仕来たりで追放対象が出たのは初めてであった。更に、普通は魔法師の家系の生まれの子供は必ずと言って良い確率で精霊と契約する。なのに、契約することが出来なかったことにより1つの噂がその日のうちに流れた。それは実の子供では無いのではないかという疑惑である。そんなことはないのではあるが、噂を知った少年2人の父親は直ちに2人を家から追い出した。


2人は絶望した。何故、世界はこんなにも理不尽であるのかを。何故、契約することだけが出来なかったのか。この世界に絶望した。少年達は夜の街をさ迷いながら歩いている。見ず知らずの場所を歩いているため、2人の体は震えていた。涙も出る限り全て流した。この世界の理に怒りを感じずにはいられなかった。2人には、絶望と怒りだけが心の中に合った。


どれぐらい歩いたかも分からない。只、暗い街の中を歩き続けた。人には勿論、会わなかった。人自体いる雰囲気ではなかった。そんなとき、2人のおじいさんが話し掛けてくる。


「坊主、こんな時間にどうして、こんなところを歩いている?」


「僕達、家から追い出されたの。だから、歩いてるの。おじいさんは誰?」


元雷嶺家の子供が答える。おじいさんは驚いた。涙を流した後が見えるのに、そんな素振りを一切見せない2人の子供に。更に驚いたのが、神獣達の話によると、この2人が神獣王と邪神獣王の器を持っているらしい。成長させれば、歴代最強と呼ばれる存在になれる才能を持っていることを。


「儂らは神獣王と邪神獣王じゃ。聞いたことあるじゃろ?」


2人の少年は頷く。


「坊主達の名前は何じゃ?」


「僕は雷。」


「僕は謙。」


2人は勢いよく答える。何処にそんな声を出せる力があるのだろうかと2人のおじいさんは思ってしまう程に元気な声であった。


「坊主等には、儂等を継ぐ才能があるらしいのじゃよ。儂等と来んか?」


2人は目を見開いて驚いた。自分達は精霊とも契約出来なかった落ちこぼれである。それなのに、そんな力があるとは到底思えない。だが、伝説と呼ばれる存在に来ないかと言われているのだから、勿論の如く、2人は頷いた。


「なら、儂等の神獣と邪神獣と契約してくれ。」


「「うん。」」


2人の顔は最初に会ったときの悲しそうな顔とは打って変わって、笑顔である。おじいさん達も、ホッと胸を撫で下ろす。


「精霊じゃなくて、神獣じゃぞ。」


「「(邪)神獣よ、我に忠誠を誓い契約せよ。」」


神獣は雷嶺家の子供である雷と契約し、邪神獣は闇尾家の子供である謙と契約した。ここに、12代目神獣王と邪神獣王が誕生したのである。そして、後日ではあるが、2人の少年が9大名家の落ちこぼれとして追放された少年達であるとおじいさん達は知ったのである。






如何でしたでしょうか?


それではまた。

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