ウザい家族達
「たっだいま~」
帰ってくんな。
「あ?テメーこの俺にどんな視線送ってんだ、コラ」
狼のような獰猛さをもった、青い目が俺を睨んだ。
「聞いてんのかよ?!」
うぜぇ。
「ウザい」
「あ?」
その時、雷のようなハスキーな声が響き渡った。
「テメェらうるせぇんだよ!!!」
悟がビクッとした。
ざまぁみろ。
「悟!テメェ、昨日どこほっつき歩いていやがった??!!」
お袋が悟を怒鳴りつけた。
俺にはトバッチリなしがいいんだが。
「べべべ別に、かかかかの彼女と一緒に、」
「まーた合コンか!」
「やーいやーい!
怒られてやんの!」
いつの間にかいた、日向が囃し立てた。
「姉貴!テメー俺の金掏っただろ!」
「いらねーよ!あんなガキの小遣いなんざ!」
「ガキ扱いすんじゃねー!!」
うるせぇ。
日向が介入したことにより、口喧嘩が始まった。
しかもヒートアップしてってるし。
キィ。
急にドアが開いた。
騒がしかった玄関が、一気に静まり返る。
「ただいま」
親父だ。
「お、お帰りなさい」
「「お帰り~♪」」
急に肩を組んだ。
何故か俺まで引っ張られた。
「今日は早いのね~」
「会議が早く終わった」
親父はこの家で、もっとも権力が高い。
誰も親父には口答えしない。
「今日も素敵ね」
お袋以外は。
お袋は今も、親父に恋している。
親父と共に、お袋はリビングに向かった。
「「はぁぁぁぁ~」」
ペタン、という感じで日向と悟は座り込んだ。
「ああしないと、お袋怖ぇよな」
「そこは同感」
日向と悟が珍しく意気投合している。
珍しい光景を目の当たりにした。