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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
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ホームルーム後


「来てます」

藍川が口を挟んだ。


藍川コノヤロー。

俺は泉川の声が聞きたいんだよ。


センコーはちょっと泉川を見て、すぐに出席を続けた。


何か言わねぇの?


思い通りにいかなくて、何となく前の敦也の椅子を蹴る。


「ちょっとぉ!

 ナニナニ?イラついてんの?」


あー・・・。

蹴らなきゃ良かった。


うざい敦也の反応に、少々罪悪感(?)を感じる。

周りが面白そうに見てる。


見るな 見るな 見るな。


人の好奇な視線が嫌いだ。

警察に行くときの叔父さんを思い出すから。


“あの人でしょ?飲酒運転の・・・”

“そうよ、しかも被害者の家族は即死らしいわ”

“でも、1人だけ残されたらしいわ”

“可哀想に・・・”


“怖いから、いなくなってほしいわ”


イナクナッテホシイ?


「あれは事故だ!!」


叫びたかった。

だけど、臆病な俺にはできなかった。


叔父さん・・・ごめん。

庇えなかった・・・。

ホントにごめん。


「・・・らっ!晃!!」


俺は我に返った。

物思いに耽っていたようだ。


「んもぉ、しっかりしてよぉ!!」


キモい&うざい。

略してキモウザ。


「朝の話だけどさぁ、」


「柳瀬、ちょっといい?」


聞きたくもないキンキン声。


「ちょっとぉ、藍川!」


藍川は敦也をジロリと睨んだ。


「何?」


「何?じゃなくてー!

 俺達になんか用?」


俺も言いたかった。


「アンタには用はない。

 私は、柳瀬に用があるの」


ハキハキと断言した。


「俺?」


「そう」


藍川は、俺を思いっ切り睨んだ。


「芽衣は誰とも口を利かないから」


誰とも・・・口を利かない??


「え~!!どういうことぉ?」


キモウザ!


「それ以外で言うことはないわ」


それだけ言うと、藍川は泉川のところに行った。


「どういうこと???

 晃、何か知ってる?」


「・・・知らねぇ」


ま、いっか。

後で、泉川本人に聞こう。


「あ!そーいえば、あの2人、先輩の間でも有名らしいよ!」


「藍川と泉川?」


「うん!

 何か、ダブル・リバーらしい」


ゲラゲラ笑いやがった。


「藍川は、優等生系の美人。

 泉川は、」


泉川・・・。

何でこんなに気になるんだろう。


「・・・・」


急に黙り込んだ敦也。


「きゃ~見つめないでぇぇ!!」


大げさに顔を隠した。


「おい!何かホモみたいだろ!」


「俺はいいよ、晃なら」


「俺はダメだ」


こんなところ、泉川には見られたくない。


「ん、それで、泉川は緑ヶ丘中の歌姫らしい」


歌姫?


「気になるよねぇ?」


俺の顔を覗くようにして見てくる。


「藍川と泉川、緑ヶ丘中なんだ・・・」


「あ、そこ?」


1人で笑い出した。

傍から見たら、サビシイゾ。


歌姫・・・ウタヒメ・・・うたひめ。


ということは、かなりいい声なんだろうな。


聞いてみたいな。






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