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日常のおわり

 五月の半ばになり、日差しが強くなる。太陽という強敵に一度も勝った事のない俺は、これから訪れる憂鬱な季節にテンションを落としながら教室で机に倒れこみ、いつもと変わらない毎日をやり過ごそうとした。

 教室では、今週末にある生徒会長を決める、「会長戦」にみんなそわそわしながら、誰が生徒会長になるのかみんなで予想し合っている。全く元気なことである。

 一体いつからこれほど暑くなったのだろう。地球温暖化のせいなのだろうか。とりあえず、生徒と大人が暑さに耐えられず教室ではまだ五月だというのにエアコンが導入された。エアコンの設定温度は本来二十七度なのだが、現代っ子がその程度の温度で納得できるはずもなく現在二十度の空気が教室を冷やしていた。

 始めの内は、何度も先生が設定温度を勝手に下げることを怒っていたが、「地球を甘やかすから、あいつらは気温を上げてるんです。だから、僕たちは地球に厳しく接さないといけないんです」と熱く語った生徒がいて、そのうえ、担任が暑がりなため、その理論に賛同し現在二十度の設定温度は黙認されている。

 暑さは人間の体力を徐々に、そして確実に奪って行く。そのため、多くの人間が同じ行動を取る。ようは寝るのだ。特に俺の部屋にはエアコンがないため、教室は最高に整った睡眠場所であった。

 本当なら、俺みたいな人間は眠ってもいい身分では無い。だが、そのことをいちいち気にする連中も眠っている。そのため、エアコンが稼働した日から毎日眠っているのだ。

 そして、俺は夢の中で泳いでいる。冷たい水に包まれて、嫌なことを全部無視しながら。空などなく、底も無い。どこまでも深い俺の夢の海。息をする必要もなく、ただ水中に漂っていた。

 だが、突然俺が背にしていた部分に亀裂が入る。そして、海水がその亀裂に流れていく。俺は吸い込まれる亀裂から必死に逃げようとする。しかし、海水の勢いに勝てるわけもなく俺はあっさり亀裂に飲み込まれた。


 目が覚めると、俺は確かにイスに座って机を枕にしていたはずなのに、枕にしていた机が真っ二つになっており、イスは床に転げており、肝心の俺は床にだらしなく寝転がっていた。

 あれ、俺ってそんなに寝相悪かったっけと思いながら、頭を上げようとする。だけど、その動作はあっさりストップさせられる。俺の目の前に刀の鞘をストンと落とされたのだ。

 一瞬硬直し、そしてゆっくりと視線を上げていく。目の前には、女子のものと思われる足があり、完全に視線を上げた時、一人の美少女が刀を杖にして俺の前に立っていた。

 そして彼女は刀を抜き、俺の目の前に突きつける。

「あなた、ちゃんと責任とってよね」


いろいろと精神的にヤバかった時代の作品です。


駄文ですが、付き合っていただけると嬉しいです。

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