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それが私の仕事です!

作者: わも
掲載日:2026/10/26

タイトル変更、改稿しました。



「ローザ、あなたに縁談よ」


晴天の霹靂とは、このことです。


恋愛マスター(他称)のこの私に、縁談が来てしまうなんて……!!


『どんな素晴らしい恋愛をするのかしら』と、相談者のみなさんの期待の眼差しが痛いです。


実は、恋愛経験皆無の私。


このピンチ、どうしたらいいの!?



◇



――はい、ノープランです。


何もいい対策なんて思いつきません。


私のアドバイスで、成立したカップルが増えてきたというのに。


あなたたちに、私のほうがお聞きしたいです!


道行くカップルを眺めながら、縁談のお相手を待ちます。


縁談……えんだん……騎士団!?


白馬に乗った凛々しい騎士様が、急いでこちらに駆けてきます。


「ローザ様、お迎えにあがりました!」


「まあ、お仕事はよろしいの?」


「ええ、国を守るのも大切ですが、あなたをお守りすることが、私の使命なのです!」 


……こんなシチュエーションも、良いですわね!


いつものクセで妄想を始めると、待ち合わせの場所に縁談の相手がやってきました。


これは、なかなか……?


「はじめまして、ローザさん」


「はじめまして。どうぞよろしくお願いしますね」


ご挨拶をして、お相手の方をさりげなく、かつシッカリと観察します。


何でしょう。


そこそこカッコいいのです(失礼)。


でも、何かが惜しいのです。


ここは、にこやかに談笑するところなのに、我慢できなくなってしまいました。


「初対面で失礼いたしますが、あなたは、磨けば光る方だと思います」


「ええっ!本当ですか!?」


お相手の方は、驚いた後に、意外なことを言いました。


「実は、忘れられない人がいるんです。でも、自分に自信がなくて、ウダウダしているうちに、親がこの縁談を決めてしまって……」

「あっ、とても失礼なことを申し訳ありません」


お相手の方が、すまなそうに謝りました。


「いえ、失礼なのはお互い様ということで」


私は、何も気にしていませんでした。


でも、そうだったんですね。


困っている人は、やはり助けたくなってしまいます。


「私に、お任せいただけませんか?」


「えっ?」


「私、アドバイスには自信があるんです!」


コホン、と咳払いをすると、一気に話しました。


「まずは、体を引き締めるところから頑張りましょう。あと、あなたはパーマをかけていますが、ちょっとパーマがキツイです。緩めのパーマのほうが似合います」

「髪の色は、ブラウンが雰囲気に合いそうです。服は、今日は縁談用かもしれませんが、もう少しカジュアルな服がいいと思います」


お相手の方は、ポカンとして聞いていましたが、私が話し終わると、グッと拳を握りました。


「すごいアドバイスですっ!なんだか、変われるような気がしてきました!」


「その意気です!今日から頑張りましょう!」


それから、一週間。


「わかりました!髪の色は、アッシュ系で決まりです!」


「お相手のかたは、恋愛映画がお好きなようです。映画に詳しくなって、話を盛り上げましょう!」



忘れられないというお相手の方をリサーチして、その方好みの男性に、キッチリ仕上げて差し上げました。



そして、めでたくお二人はカップルになったのです!



さすが、私。仕事が早いです。



すっかり垢抜けた、元縁談相手の笑顔が輝いています。



「ありがとうございました、ローザさん!いえ、恋愛マスター!!」


いえいえ、お安い御用です。

お客様の笑顔が、何よりの報酬です!


って、私は何をしているのでしょうか!?


◇


「で、縁談はどうだったの?」


お母様が、私に聞きました。


しまった!と思いつつも、その時私は悟ってしまったのです。


「いいえ、お母様。私は、縁談を受ける方じゃなくて、縁談を成立させる側なのです」


「ローザ、何を言っているの?」


よくわからない、という顔のお母様を前に、私は胸を張りました。



「それが私の仕事です!」


お読みいただき、ありがとうございました。ローザの話の第二弾です!少しでもお楽しみいただけたでしょうか?

よかったら、何か反応をいただけると嬉しいです(^^)

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