それが私の仕事です!
タイトル変更、改稿しました。
「ローザ、あなたに縁談よ」
晴天の霹靂とは、このことです。
恋愛マスター(他称)のこの私に、縁談が来てしまうなんて……!!
『どんな素晴らしい恋愛をするのかしら』と、相談者のみなさんの期待の眼差しが痛いです。
実は、恋愛経験皆無の私。
このピンチ、どうしたらいいの!?
◇
――はい、ノープランです。
何もいい対策なんて思いつきません。
私のアドバイスで、成立したカップルが増えてきたというのに。
あなたたちに、私のほうがお聞きしたいです!
道行くカップルを眺めながら、縁談のお相手を待ちます。
縁談……えんだん……騎士団!?
白馬に乗った凛々しい騎士様が、急いでこちらに駆けてきます。
「ローザ様、お迎えにあがりました!」
「まあ、お仕事はよろしいの?」
「ええ、国を守るのも大切ですが、あなたをお守りすることが、私の使命なのです!」
……こんなシチュエーションも、良いですわね!
いつものクセで妄想を始めると、待ち合わせの場所に縁談の相手がやってきました。
これは、なかなか……?
「はじめまして、ローザさん」
「はじめまして。どうぞよろしくお願いしますね」
ご挨拶をして、お相手の方をさりげなく、かつシッカリと観察します。
何でしょう。
そこそこカッコいいのです(失礼)。
でも、何かが惜しいのです。
ここは、にこやかに談笑するところなのに、我慢できなくなってしまいました。
「初対面で失礼いたしますが、あなたは、磨けば光る方だと思います」
「ええっ!本当ですか!?」
お相手の方は、驚いた後に、意外なことを言いました。
「実は、忘れられない人がいるんです。でも、自分に自信がなくて、ウダウダしているうちに、親がこの縁談を決めてしまって……」
「あっ、とても失礼なことを申し訳ありません」
お相手の方が、すまなそうに謝りました。
「いえ、失礼なのはお互い様ということで」
私は、何も気にしていませんでした。
でも、そうだったんですね。
困っている人は、やはり助けたくなってしまいます。
「私に、お任せいただけませんか?」
「えっ?」
「私、アドバイスには自信があるんです!」
コホン、と咳払いをすると、一気に話しました。
「まずは、体を引き締めるところから頑張りましょう。あと、あなたはパーマをかけていますが、ちょっとパーマがキツイです。緩めのパーマのほうが似合います」
「髪の色は、ブラウンが雰囲気に合いそうです。服は、今日は縁談用かもしれませんが、もう少しカジュアルな服がいいと思います」
お相手の方は、ポカンとして聞いていましたが、私が話し終わると、グッと拳を握りました。
「すごいアドバイスですっ!なんだか、変われるような気がしてきました!」
「その意気です!今日から頑張りましょう!」
それから、一週間。
「わかりました!髪の色は、アッシュ系で決まりです!」
「お相手のかたは、恋愛映画がお好きなようです。映画に詳しくなって、話を盛り上げましょう!」
忘れられないというお相手の方をリサーチして、その方好みの男性に、キッチリ仕上げて差し上げました。
そして、めでたくお二人はカップルになったのです!
さすが、私。仕事が早いです。
すっかり垢抜けた、元縁談相手の笑顔が輝いています。
「ありがとうございました、ローザさん!いえ、恋愛マスター!!」
いえいえ、お安い御用です。
お客様の笑顔が、何よりの報酬です!
って、私は何をしているのでしょうか!?
◇
「で、縁談はどうだったの?」
お母様が、私に聞きました。
しまった!と思いつつも、その時私は悟ってしまったのです。
「いいえ、お母様。私は、縁談を受ける方じゃなくて、縁談を成立させる側なのです」
「ローザ、何を言っているの?」
よくわからない、という顔のお母様を前に、私は胸を張りました。
「それが私の仕事です!」
お読みいただき、ありがとうございました。ローザの話の第二弾です!少しでもお楽しみいただけたでしょうか?
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