ワシ、気づいたらゴミ溜めの門番になっとったんや!
先日な、ゴミ捨てに行ったときの話やねん。
部屋入った瞬間や。
バーーーン!
って、ドア閉まりよってな。
まあ、この程度の音でワシはビビらへん。
……普段やったらな。
せやけど……
ドア壊れて、開かへんようになったときは――
さすがにビビったわ。
ほんでワシ、ドンドン叩いて助け呼んだんや。
そしたら外から言われたんが、
「なんでドア閉めたんや……?」
いや、ちゃうねん。
最初から閉まっとったんや。
開けっぱなしにするやつおるかいな。
救助にきてくれたんやけど、これがまたビクともせえへん。
……あろうことか、逆にカギ閉めよるんや。
いやいや、それはあかんやつや。
完全にワシ閉じ込めにきとるやん。
外からなんか「いけー!」みたいな掛け声まで聞こえてくる。
いや、スポーツちゃうねん。ワシおるねん。
それにしてもや。
ここ、めちゃくちゃ臭いねん。
妙なもん食うて、人生一回終わった後みたいなニオイしとる。
「閉じ込められたから出してくれ」やのうて、
「臭いから出してくれ」に変わっとるがな。
メンタルより先に、鼻がやらかしよるわ。
そのときや。
ポケットにメモ帳入っとるん思い出してな、ワシ書いたんや。
「カギちゃう! ノブや! ノブやで!」って。
ほんでドア横の隙間から差し込んだんやけど……
スッ……
――戻ってきよる。
「却下」って顔しとる戻り方や。
受付終了みたいなスピードで戻ってきよる。
なんでやねん?
もう一回入れる。
弾き返してきよる。
そこで気づいたんや。
下や。
下からや。
――スッと入る。
「挿入口、そこやったんかい!」
やっと外にも伝わったみたいでな、なんか工具持ってきてガシャガシャやりだした。
「離れてください!」って聞こえたから、ワシ、素直に離れる。
……ほんまに大丈夫かいなと思った。
そしたら――
バーーーン!!
さっきと同じ音してドア開いたんや。
ほんで、そのままオフィス戻ったらな、
おばちゃんが一言。
「ゴミ捨て行って遅いから心配したで。逃げたんか思たわ」
……どこに逃げるねん。あそこ腐海やぞ。
ワシはな、腐海から命からがら帰ってきたんや!
ゴミ捨てで命削るやつ、おるかい!
—了—




