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ドアマットヒロイン(異母姉)を助けるヒーローの目論見を叩き潰した悪役令嬢(異母妹)の話

作者: 月森香苗
掲載日:2026/09/13

 私は自分がおかしいということが分かっていた。

 立場の弱い女がボロボロになっているところに現れ、それを颯爽と救う身分が高くプライドも高い男をズタボロにしたいのだ。

 見たいだけで、それが恋愛的な好みかと言えばそうではない。


 いわゆる「ドアマットヒロイン萌」のクズ男の尊厳を破壊してやりたいのだ。まあ、同類ってことだね。プライドの高い男をボロカスにしてやりたいってのも似たようなものでしょ。


 私が恋愛的に好きになるのは、一緒にいて穏やかに楽しかに過ごせる人であり、四六時中精神的な攻撃をしあわなければならないような男では無い。

 断じて違う。


 前世の頃から私が好きになるキャラは、努力で困難を乗り越え、時に挫折し、失敗し、それでも最後に勝利を掴み取るようなキャラだった。

 好きになる人も、学校で一番人気になるような人ではなかった。背が低くて周りから人が良さそうと言われるような人だった。

 その好みは今も変わらない。


 それと、衝動は別物だと思う。

 多分、嫌悪なのだと思う。


 スパダリとかチートとか呼ばれるような男が、本当に救いを求めている時に見ているだけで、完全に心が折れた後に現れて助け、依存させるような展開が嫌いだった。

 本当に助けて欲しい時に救いの手があればそれだけで好きになるじゃん。その人だけが頼りになるじゃない。いっぱい傷つく前になんで助けてあげなかったの?

 見てたのに?

 そう思うとムカムカして、そんな男をボロボロにしてやりたいと本気で思うようになった。

 身分があって、何でも手に入って、叶わないことは無い、そんな男が好きな女を支配し隷属させて幸せになるのが苛立たしい。

 だから私は、自分のどす黒い感情を発散させる為に「ドアマットヒロイン」の異母姉を利用することにした。


 半分だけ血の繋がっている異母姉は小説『虐げられ令嬢はスパダリ令息の溺愛に溺れる』のヒロインだ。

 ストーリーはテンプレそのもので、父親が愛人を作り正妻とその子供を蔑ろにする。正妻の子である異母姉――オリヴィアは母が亡くなり、父が愛人とその子供を連れ帰るととことんいびられる。

 異母妹ローラはオリヴィアのものを何でも欲しがり、最後は婚約者まで欲しがって奪う。

 嫌がらせのようにメイドと同じ仕事をさせられ、令嬢らしからぬ姿になるオリヴィア。そんなオリヴィアをずっと好きな男、それが公爵令息フィリップ。男爵家の娘のオリヴィアとの出会いは回想シーンで語られるけれど、フィリップ視点なのでやけに煌びやかで気持ち悪かったのは覚えている。

 証拠を集めなければ、とか何とか言いながら虐げられてボロボロのオリヴィアを見守るのに徹し、それは十年に及ぶ。

 学園の卒業式の後のパーティーで、ローラはオリヴィアから婚約者を奪い取った上で『私、おねえさまにずっと虐められてたの』なんて言いながら冤罪にかけて断罪し、貶めようとする。

 そこにフィリップは颯爽と現れて逆に断罪返しをしてオリヴィアを助けに来たと言って連れ去る。

 家族は虐待のあれこれで捕まり罰を与えられるし、フィリップは特にローラを許せず高齢で性欲が衰えない男の後妻に送り込み、女としての尊厳を壊すようにする。


 確かに両親はクズだけど、何もせず十年見守るだけのお前もクズじゃねぇか、と思ったよね。

 何かしら助けの手を差し伸べるとかあるのかと思いきや見守るだけ。

 使用人を潜り込ませて手助けするとかもしない。

 最後の最後、断罪の時に現れてそこで手を伸ばし、幼い頃に会ったことがあるとか、そんなことをミュージカルの如く語りながらオリヴィアの味方ですよ、って振る舞うのだ。

 は?って感じじゃない?


 私に前世の記憶が生えてきたのは異母姉に会ったその日で、その瞬間、この姉を利用してヒーローをボロカスにしてやろうと決めたよね。

 やってることは、洗脳、支配、依存じゃん。オリヴィアが本当の意味で幸せになれるのかと言えばなれないでしょ。

 私だって親が怖いから完全に庇うことは出来ない。でもやりようはあるのよ。


「これ、好きじゃないわ。美味しくないもの。おねえさま、これでも食べてなさい」


 そう言って渡すのは豆がたっぷり入ったスープ。その底には細かく刻まれた鶏肉が沈んでいる。

 これは私にだけ出されるものだけど、オリヴィアに「嫌いだから」と押し付ける。両親は豆が嫌いだから最初から出されない。

 小説の中でオリヴィアの味方の使用人はいなくなっていた。両親がどんどん解雇していくから。

 でも、今多少は残っている。居なくなられたら困るのよ。あのクズ男はオリヴィアの味方が一人もいない状況だからこそ依存させることに成功した。

 でもね、何人かでも残っていればそれは崩壊するでしょ?


 豆のスープは栄養価が高い。いわゆる平民の食べ物だから、特に母は嫌っている。愛人時代のことを思い出すから。

 私には毎日ではなく、数日ごとに出されているのできっと気付いていない。

 両親が「平民の食べ物」と判断するものを紛れ込ませ、私がそれをオリヴィアに押し付ける。

 オリヴィアの食事は硬いパンと豆のスープだけ。

 両親はそれを見て笑っているし、私も笑う。馬鹿な親を。

 栄養が偏っている、野菜が嫌いで油たっぷりの焼いた肉がご馳走の二人は肌質が最悪だし太り始めている。


「おねえさま? お肉食べたい? 食べたいですよねぇ? ふふ、一切れあげますわぁ」


 そう言って切り分けた肉をこれみよがしに高いところからスープの中に落とすと、スープが飛び散ってドレスに付着する。

 今着ているのは持っている中ではボロボロで汚れても良いはずだったから構わないはずだ。

 それを見た両親は大喜びだけど、やはり馬鹿だなぁと思う。

 床に落としたのを食べろたと言った訳でもなく、スープに落としただけなら食べられる。

 お皿の上に綺麗に盛り付けたものが貴族の料理だと思っているから、これは彼らからすれば侮辱。

 だけどね、食べれればなんでもいい人は、スープの中に肉が落とされても気にならないのよ。食べられれば。

 まあ、私としては油っこい肉はこれ以上お断りなので、オリヴィアに処理してもらうけど。


「おねえさま。入浴の手伝いをしなさい」

「はい」


 入浴の際に手伝いを受けるのは貴族の女性としては当たり前のことだ。手伝いをするのは使用人の仕事で、母はそれをさせられるオリヴィアが憐れだと笑うけれどね。


「おねえさまに全部させるからお前たちは要らないわ」


 母の意を酌む侍女を追い出す。一人でやるのは確かに大変なことなのよねぇ。でもそれは自分で出来ない場合よ。

 前世の記憶がある私からすれば手伝いがそもそもいらないのよね。


「おねえさま、さっさとドレスを脱いで」


 オリヴィアの方が貴族令嬢として育ったから体を自分で洗えなかった。

 子供の頃からどうやればお風呂に入れられるかを考えた結果がこれだけど、流石にどうかと思って洗い方を教えた。

 二人がそれぞれ一気に体を洗えばいいだけ。

 髪の毛も洗うけど、これの誤魔化し方はとても簡単。ああ、ドレスにもお湯をかけておかなければ。

 最初は困っていたオリヴィアだけど、もう何年も同じことをしているから慣れたものよね。

 お風呂から上がる時に私がオリヴィアに湯をかけてびしょ濡れにした、ってことにするの。実際にドレスも濡らすし。

 びしょ濡れで俯いたオリヴィアが自室という名の屋根裏部屋に行けば今日は終わり。どうせ母に侍女が報告するだろうからね。

 屋根裏部屋は初め、とっても汚かった。

 作中でそこに追いやられたオリヴィアは汚れの中で生活していたけれど、ここではそんなことはさせない。

 オリヴィアの数少ない味方メイドに「おねえさまに掃除の仕方を教えてあげなさい?明日から掃除しなきゃいけないのだもの」と言って二人で屋根裏部屋を練習と称して掃除させたから綺麗になったはず。

 表立ってオリヴィアの味方をするとオリヴィアが虐げられるというのを理解させる。それが出来なかったから作中で味方がいなくなるのよ。全く。

 まあ、私が一番の違いよね。


 人から見えるところではオリヴィアを虐げているように誤解させる。でも、私はオリヴィアの味方ではないけれど敵にもならない。

 だって時には母の前でオリヴィアの頬を叩くこともあるもの。

 オリヴィアの血色が良ければ間違いなく地下室に閉じ込めかねないから、そこの調整も難しい。


「ねぇ、おねえさまぁ~。おねえさまはわたしの肉盾ですよねぇ?弱かったらぁ、私が危なくなるからぁ、騎士に剣術教わってきてはどうです? まあ、そんなひ弱な体じゃすーぐぼろぼろになっちゃうかなぁ?」


 受け身の練習をしっかりしてもらいたい。この母がいつ階段から突き落とすか分からないのだから。貴族の令嬢が騎士の訓練を受けるなんてありえない、と母が思い込んでいるわけだし、ボロボロになるって言葉に目を輝かせていたから利用しよう。


「まあ、精々受け身が取れるようになるといいわねぇ。さ、お母様。お茶の時間よ」


 オリヴィアが理解したかどうかは分からないけれど、身を守るすべはあった方がいいでしょ。

 母のつまらない見栄だらけの自慢話を聞き流しながら私はドレスをどう渡すか悩んでいた。

 一歳しか違わない上、最近の私はよく食べてよく寝ているからかオリヴィアと体型が似てきた。カラーリングが違うから似合う色が違っているので何でも渡していい訳じゃない。

 私に似合うのはピンクでオリヴィアに似合うのは青系統。

 ドレスデザイナーにピンクで頼むけれど、母がいない隙に色変更をする。

 届いたドレスは母に見せるために一度着ることになるけれど、それは二度と着ない。頃合いを見てオリヴィアに渡すのだ。

 普段着は私からお下がりを与える。お母様はこれが好きみたい。お下がりは中古だからね。これも貴族令嬢としては嫌がるものだものね。


 本当にわかってないなぁ。

 今の状態でオリヴィアがどこかに出かけるなんて出来ないのだから服がお下がりだろうときにしないのよ。

 はー、さっさと事故死でもしないかしら。

 オリヴィアは今十五歳。あと少しで十六歳になると、爵位の継承が出来る。

 オリヴィアの婚約は十七歳の時にされるけれど、それより前に親が死んだらどうなる?

 オリヴィアは自分で婿を選べるよね?

 問題はフィリップがどこまで監視してるか、よね……。

 少なくとも今の段階で監視者はいないから、オリヴィアの好みを聞いて目ぼしい男に声を掛けておくのはありじゃない?

 あの男が出しゃばる前に婚約させればいいし、なんなら出奔してもいいんじゃない?

 そもそも貴族でいたいのかな?


 お風呂タイムで聞いてみるか。




「どういうことだ!! 何故オリヴィアがいない!!」

「落ち着いて下さい、マクレガン小公爵殿」

「爵位を返上しただと!」


 ユンベル男爵領の領主館前で騒いでいるのはフィリップ・マクレガン。小説のヒーローである。

 向かい合うのは国から派遣された政務官である。



 私は小説で知っていたけれど、フィリップが一ヶ月ほど国を離れる時期がある。その時がチャンスだと私は事を起こした。

 姉の味方を追い出すという名目で紹介状を父に書かせた。辞めさせるにしても紹介状無しで辞めさせるのは噂を流されて社交界に影響が出る。寛大な心で出してあげて欲しい、と心優しいローラを演じて数少ないオリヴィアの味方にだけ救済を施した。

 これがあるのと無いのでは違うからね。

 そして僅かな退職金も出させてその袋の中にある国の名前を書いたメモを入れておく。オリヴィアのイニシャルを書いておけば終わり。

 その後、馬車に仕掛けを施してふたりで出かけた際に事故が起こり、二人は亡くなった。

 爵位の継承は王都に行き許可を得なければならないのだけど、父の雑な領地経営を理由に、立て直しは難しいこと。それならば国に返上し、平民になった私たちは他領の親戚をたよることを願った。

 小さな男爵領程度の返上はよくあることで、あっさりと認められた。

 その後、私は姉を連れて宿に入り、準備していたかつらと平民らしく見える服に着替えた。どこにあの男の目があるか分からないから念には念を入れた。

 爵位の返上はやはり恥になるので個室に入れられるのはわかっていたから、中でどんな手続をしているのか監視人も分からないはず。

 オリヴィアには綺麗なドレスを着てもらっていたので着替えただけで雰囲気が変わる。後は歩き方や手の振り方も意識してもらった。


 貴族でいたくないと言ったのはオリヴィアだった。

 初めこそ母の為にと思ったけれど、そこまでして家を存続させたいと思うほどの熱意はない。

 私の無茶ぶりでメイドでもやっていける程度には掃除も洗濯も料理も出来るようになった。

 平民になった方が自由になれるかもしれない。

 そう言ったのでその道を選んでもらった。


 男爵家の当主になればフィリップとてすぐに結婚とか言わないかもしれないけれど、没落させて手に入れかねないと思ったから、それならいない内に逃げて方が良いと判断したのよ。

 本当は領主館の引渡しの際に立ち会いしないといけないのだろうけれど、当主印諸々を全部渡したからあとはお任せだ。国から派遣された役人が適切に処理してくれるだろう。


 私とオリヴィアが宿を出たけれど誰も追いかけてこなかったから変装はバレていないようだ。

 まあ、まさか、男装してると思わないよね。

 髪の毛をバッサリと切ることになったけどオリヴィアは嫌がらなかったので。私は楽に短髪のカツラをつけ、念の為に帽子も被った。

 晒しを巻いて胸を潰し、平民用の男性服を着れば分かりにくくなった。

 首元に布を巻けばより分かりづらくなる。

 女二人の旅は危ないから男装は基本だ。髪を短く出来るかどうかだけどね。


 王都から出る乗合馬車で一旦西に向かった後、南行きの馬車に乗り換える。

 そこから南西に向かえば国境に繋がる。

 爵位を返上した際に私達は身分証が無くなるから、平民用の身分証が貰える。そこで二人揃って名前を変えた。

 オリヴィアはアヴィ、私はラル、と。

 貴族から平民になる時に名前を変えることはよくあるらしく、特に何も言われなかった。

 国境を無事に越えても油断はしない。この国はあくまでも中継地点で、更に南下すると港町に出る。そこから出る船で南大陸に移動するのだ。

 母国から直接だとあの男が権力を使って手を回すかもしれないけれど、他国を挟むとその権力が使えなくなる。

 お金は父が貯め込んでいたものを貰ってきた。ごめんなさい、政務官さん。数字が会わなくても父の裏金から貰ったので父を責めてね。


 出来るだけ移動優先で無茶をしたけれど、もうゆっくりで大丈夫だと久々に宿に泊まった時は二人して疲労困憊だった。


「もう追いかけてこないかしら」

「わかんない。この国までは来るかも」

「なら、早く港町まで行きましょう。落ち着かないわ」

「確認するけど、本当にマクレガン小公爵には思い入れないの?」

「ないわよ。だって子供の頃に何回かあっただけよ? お母様が侍女をしてた縁でお会いした程度。そこから一度も会ってないのよ?それより、私を助けてくれたのはローラだもの。ローラを信じるわよ」


 お風呂タイムで私はオリヴィアに幼い頃に「予知夢」を見て、オリヴィアが虐げられたままだと将来的に何が起きるか。そしてフィリップが何をするかを話した。後妻に行きたくなかった私は未来を変えたの、と半泣きで言えばオリヴィアは信じてくれた上で逃げることに同意してくれた。

 そしてフィリップに対して「気持ち悪いわ」と言ったのだ。

 やはり救いの手を伸ばさず見守るだけは気持ち悪かったらしい。


 二人であれこれ考えて、やはり両親が邪魔となって、これに関してはオリヴィアに聞かれたけど、親への情はなかった。

 だって、二人にとって私はオリヴィアを虐げる道具だけど可愛がる娘ではなかったし。

 そもそも愛人してたのとか受け入れられない。

 悲しいけれどお別れを選んだ私をオリヴィアは抱き締めてくれて、そして逃げた。


 続編で南大陸が舞台で、そこは自由都市で貴族はおらず元首はいて議会制度が確立されていることは知っていたので、大陸を渡ることにしたのだ。

 この大陸にいる間は落ち着けないし。

 果たしてオリヴィアの味方の使用人達はどうするのか。一応この国の港町を指示しておいたから、彼らがその港町にいるかどうかはもはや運。


 ざまぁみろ。

 お前が欲しかった女は絶望してないし、自分で出来ることを増やしたし、自由を望んだんだ。お前が用意する鳥籠なんて要らないのよ。

 哀れで可哀想なオリヴィアはいない。

 目を輝かせ、これから先の未来を夢見てる。


 あーあ、逃げられて悔しがって暴れる姿は見れなかったなぁ。

 まあでもいっか。

 二度と会うことは無いし。


 原作から大幅に変えてたけど、これから先は全く何も分からない世界。だけどまあ、それが普通なのよ。

 乗合馬車に揺られ向かうは港町。

 そこから船に乗って南の大陸へ。


 あー、楽しみ!

お風呂タイムで暴露した辺りから、ヒーローをズタボロにするよりは逃げられた残念男にしてやろ、ってなってた主人公。

ご都合主義多い。

ローラは自らの手で親が神の元に行くお手伝いした。ただまあ、善人じゃなかったし親を親と思えていなかったから罪悪感は少ない。


この後、身軽な味方してた使用人たちと再会出来て揃って大陸を渡る。

未来永劫会うことはなく、オリヴィアもローラも恋をして結婚して幸せな家庭を築く。

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ヒーロー?がいなきゃハッピーになれないという時点で、それ系のお話は流し読みでした 女性が自分で幸せ掴んだっていいと思う! 男性社会の設定だからそういう感じになりやすいのだろうけど、自分で頑張るお姉ち…
確かに、気持ち悪い! ズタボロにされてるヒロインを見てるだけ、て‥ 子ども時代だって、ローラのように出来ることを考えて助けることができるのに。。。 普通の神経なら、少しでも助けたいと思うのにしないんだ…
10年子供だからという言い訳は小公子という身分があれば関係ない。そもそも公爵に諫言する従者を止めてるとしか 公爵夫人になんか出来るの?男爵なら精々愛人でしょう?今度は正妻にいじめられるのを愉しむとか?…
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