サンドアート・オブ・ギャル神社 ― 腰に神は宿るのか
──春。
まだ海開きすらしてねぇ。
でも、俺たちはもう“開いてた”。
……脳が。
ユウ「行くぞ、海へ!!」
カズ「いや四月!まだ“春”のくくり!!」
タクミ「波よりお前のテンションが荒れてる」
ダイキ「桜舞う浜辺って情緒どころか地獄だぞ!!」
だが、バカは止まらない。
バカが止まったら青春が止まる。
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◆ “泳げないなら掘れ”
ユウ「海冷たい?関係ねぇ、俺たち砂と向き合おう」
カズ「出た、“ノリだけ芸術”の再来」
タクミ「前回の雪像ち○こ事件、まだ風化してねぇぞ」
ダイキ「でも俺、こういうノリ嫌いじゃない……!」
ユウ「題して! サンドアート・オブ・ギャル神社!!!」
全員「出たァァァァ!!」
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◆ 彫刻バトル開幕
タクミ:「俺はアイカ先輩担当。知性と静謐を表現したい」
(結果)→ただの長方形。
「……冷静な空気って、形にするとこうなる」
カズ「棺桶やんけ!」
カズ:「レイナ先輩は爆発力! 太陽みたいなギャル!」
(結果)→砂山爆散。
「見ろ、輝いてるだろ!」
タクミ「いや物理的に崩壊してるだけ!」
ダイキ「太陽(寿命3分)」
ユウ:「俺は、ミナミ先輩。」
全員「やめとけ!!!!」
ユウは無言で砂を彫る。
腰を描き、撫で、整える。
その集中力、狂気。
やがて砂浜に降臨した――完璧な腰ライン。
カズ「なんだこのリアリティ……」
タクミ「砂が腰を理解してる……?」
ダイキ「拝める……これは宗教……」
ユウ「腰は、存在の中心だ。」
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◆ 三柱、降臨。
波の音を割って、三つの影が歩いてくる。
日差しが跳ねる。
ラメと風とヒール。
レイナ「ちょwwなにこれwwww」
アイカ「腰に魂宿ってる」
ミナミ「……これは、私?」
ユウ「芸術っす!」
ミナミ「芸術でも腰から始まるの、あんたくらい。」
アイカ「むしろ腰で終わってる。」
レイナ「腰だけ神ってんの草すぎwww」
突風が吹く。
砂像、崩壊。
──腰だけ残る。
ユウ「……神は腰にいた。」
カズ「お前、悟るな。」
ダイキ「腰神、また一柱増えたな。」
タクミ「宗教法人・杏仁豆腐設立か?」
ミナミ、笑って言う。
「くだらないのに、熱いね。……腰のくせに。」
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◆ 帰りのバス
全員、砂まみれ。
沈む夕陽に、潮風が刺さる。
ユウ「芸術は崩れても、腰は残るんだな」
カズ「名言っぽく言うなバカ!」
ダイキ「俺もお腹で生きようかな」
タクミ「頼む、沈黙をくれ」
ミナミ、窓際で小さく笑う。
「青春って、くだらない神話の積み重ね。
……で、その腰、あとで修正しといて。」
ユウ「へへっ……了解です、最高神。」
──波音と笑い声。
砂が崩れても、バカは崩れない。
それが杏仁豆腐、春の信仰告白。




