フェチとラメの聖戦 ― 腰ラインの白き光
校庭は桜とラメが共存する季節。
ギャル神社(=三柱のたまり場)は今日も平和……だった。
カズ「なんかさぁ、今年まだバカ事件起きてなくね?」
ダイキ「お前が言うなよ、昨日机の上でカップ焼きそば作ってただろ」
タクミ「文化系の平和、尊いと思うけどな」
ユウ「……いや、嵐は静けさのあとに来るんだよ」
——その瞬間。風が変わった。
黒光りする影が、桜の中を一直線に歩いてくる。
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◆ マンバ族、降臨。
マユ「おい、そこ。春ボケしてんじゃねぇよ。温度、下がってんぞ。」
リカ「うちらの“黒”が照り返して見えるってことは、お前らの情熱、足りてねぇ。」
エミ「なにその白昼のぬるま湯。ギャル神社、保湿しすぎじゃね?」
杏仁豆腐、即立ち上がる。
ユウ「出た……黒の神々……!」
カズ「うわ、目が焼ける……闇が光ってる……!」
ダイキ「なんかラメが物理攻撃してくる……!」
タクミ「もう俺、まつ毛で防御できねぇ!」
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マユが顎を上げて言う。
「“それなり”とか、ゆるいノリで終われると思うなよ。
うちらの黒は“夜明け”だ。
限界? その言葉、日焼け止めより効かねぇ。」
リカ、手の甲のラメをかざして。
「積み上げたまつ毛はエベレスト。
発光量最大のラメはビッグバン。
黒は闇じゃねぇ、“到達”だ。」
エミ「可愛いは照明で作るもんじゃない。
自分で光るんだよ。」
──空気が一気に神域化する。
三柱も苦笑い。
レイナ「やば、テンションの気圧が違うw」
アイカ「これはもはや災害レベル」
ミナミ「……でも、悪くない。生き様にラメ振ってんの、好き。」
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◆ 杏仁豆腐、対抗口上。
ユウ「……言わせておけねぇな」
カズ「出た、悪ノリスイッチ」
ダイキ「青春バカップラーの咆哮、いくぞ!」
タクミ「……やれやれ、こいつらまた始まった。」
ユウが立ち上がる。
拳を突き上げ、叫ぶ。
「世界を覆うほどの漆黒のアイライン!
生命の神秘で真理の腰ライン!
ビーナスのエクボは至高の森羅万象!!
これが俺のフェチだぁぁ!!」
ダイキ「哲学と変態のあいだ通過してったぁぁ!!」
カズ「詩的なのに内容ヤバい!!」
タクミ「もうフェチが宗教名乗ってる!!」
リカ「……黙れ、腰の亡者。」
ミナミ(小声で)「……熱、悪くない。」
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◆ 終幕。
マユ「へぇ、あんたら、熱はあるじゃん。」
エミ「でもまだ足りない。次は真夏に勝負ね。」
リカ「黒は溶けねぇの。」
三柱は笑いながら見送る。
桜の花びらが、風に舞う。
ミナミ「白でも黒でも、バカが一番強い。」
アイカ「……ま、青春ってそういうこと。」
レイナ「“腰ライン”の子、またやらかしそうw」
──その夜。
ユウは桜並木を歩きながら、ひとり呟いた。
ユウ「……俺、やっぱり、色白ギャルの腰が好きなんだよな。」
(そして次の日、また噂になる)
——青春は懲りない。
今日もフェチとラメで、世界はまわってる。




