青春タワー・ギア4
──季節は春。
校門前の空気は、どこか浮かれ気味だった。
桜が舞い、制服の裾が風に踊り、
そしてそこに――地獄みたいなスクーターが現れた。
「いくぞォォォォ!! 青春ギアァァァァァァァァ4!!!」
ダイキの雄叫びが炸裂。
原付のエンジンが泣いている。
悲鳴のような“みぃぃぃぃぃん!”という音。
運転:ダイキ。
後席:カズ(冷静に荷重バランスをとる)。
その後ろ:タクミ(女子の視線を気にして髪を整える)。
そして――
「よく見ろ!ここがあるだろッ!」
足置き場にしゃがみこむユウ。前向き。膝を曲げ、両腕でハンドル下をガード。
ユウ:「俺、今、青春の下半分だぞぉぉぉ!」
ダイキ:「しゃがんでろォ!バランス崩すなァ!」
タクミ:「え、てかこれ法律的に大丈夫なん?!」
カズ:「もはや宗教だなこれ……」
風圧。笑い声。桜吹雪。
4人が乗ったスクーターは、奇跡的なバランスで通学路を滑走していた。
──そこへ。
安藤先生のアメ車が、信号待ちの向こうに。
助手席には昆布。
窓越しにその光景を見て、先生は小さく息を漏らす。
「……青春は、重すぎる。」
そして、
校門前でその惨状を見た校長が、
深く、深く、ため息をついた。
「……またか。」




