表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
79/191

お供えチョコ事件

──恋よりも、供えよ。


昼休み。購買前、今日もギャル神社(=三柱のいる空間)は混沌。


カズ「なぁ……鳥居の前、なんか光ってね?」

ダイキ「パンの袋じゃね?」

タクミ「いやチョコだな。しかも金リボン。」

ユウ「……奉納かよ。」


タグには、こう書かれていた。

『恋よりも熱を。ギャル神社へ奉納。』


ダイキ「供えられてるぅぅぅ!?」

カズ「いやこれ完全に儀式だろ。」

タクミ「ってかさ、ユウ、お前じゃね?」

ユウ「なんでだよ!」

ダイキ「“恋よりも熱”とかお前の口癖だし!」

ユウ「俺は言うけど供えない!」

カズ「供えないとか弁明が宗教くせぇんだよ!!」


その瞬間、

香水の風が吹き抜ける。金髪の光。リップの神気。

──三柱、降臨。


レイナ「なにコレ〜?ウケる〜!供えチョコとか神すぎ♥」

アイカ「神じゃないっつーの。これ誰の仕業?」

ユウ「俺じゃないっす!!」

レイナ「怪しい〜!顔が“俺です”って言ってんじゃん!」

ユウ「俺は常に真実しか言わねぇ!!」

アイカ「その真実が信用できねぇんだよ。」


ミナミ、静かにチョコを拾う。

「……“恋よりも熱”、ね。

 この神社の空気にぴったりじゃん。」


一瞬、沈黙。

青春の風。チョコの甘い香り。


ユウ「……俺、供えるなら、ビーナスのエクボに供えるね!」

(ドヤァ)


全員「うるせぇ!!!!!!」


ダイキ「自分を神格化すんな!!」

レイナ「ビーナスのエクボって何!?キモいけど語感好き!!」

アイカ「たぶんミナミ先輩のこと言ってんじゃね?」

レイナ「あ〜〜〜ユウ、恋の供物ぅ〜♥」

ユウ「違ぇし!俺はフェチの供物を語ってんの!!」

カズ「説明すんな、余計キモいわ。」


そこへ、

カツン、と厚底の音。マンバ族、登場。


マユ「あ、それ、ウチらっす。」

リカ「“恋よりも熱”って言葉、マジアガったんで〜」

エミ「神社っつーか、ウチらの聖地でしょここ。」


レイナ「マンバも信仰しにきた!?世界平和じゃん!!」

アイカ「ギャルの宗教戦争、まさかの終戦。」

ユウ「おい待て、俺が供物扱いされてんぞ!!」

ダイキ「神への供え物(男子)爆誕!!」

タクミ「これが本当の“チョコの奇跡”……」


ミナミ、ふっと笑う。

「……ねぇユウ。

 供えるより、ちゃんと燃やしなさい。

 恋も熱も、半端は一番つまんないよ。」


ユウ「……はい(照)」

カズ「お、供物、悟り開いたな。」

ダイキ「チョコより甘い顔すんなや!」


春の風。鳥居の上で、包み紙が舞う。

その日、ギャル神社に供えられたのは──

チョコでも恋でもなく、バカみたいに熱い青春の祈りだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ