杏仁抹茶三日天下(スリーデイズ・ドリーム)
昼休み、購買前のパン戦争を避け、杏仁豆腐の四人は校門前のコンビニへ。
そこに──“異文化融合の狂気”が並んでいた。
ユウ「見ろよ……杏仁抹茶ラテだってよ。」
カズ「その組み合わせ、外交破綻するやつだろ。」
タクミ「味の方向性どっちにも行けてないじゃん。」
ダイキ「お前の舌って、迷惑系YouTuberなの?」
ユウ、無言で購入。
誰も止められない。フェチズムが呼んでいる。
(ストローを刺す音)
ユウ「……っ、くぅ〜〜!これだよ!」
カズ「何がだよ。」
ユウ「甘いのに渋い!優しいのに攻撃的!
まるで恋じゃないか……!」
タクミ「いや、それ“未練の味”だよ。」
ダイキ「胃が泣いてるぞ。」
⸻
次の日。
ユウは再びコンビニに走った。
だが──棚は、もう空だった。
ユウ「……え、ない?」
店員「あー、それ3日で終わったっスね。評判、めちゃ悪くて。」
3日で消えた、青春の幻。
⸻
放課後。ギャル神社(=三柱のたまり場)。
レイナがスマホをいじりながら笑う。
レイナ「ねぇユウ、それ本気で美味しいと思ったの?」
ユウ「マジだよ。あれは“恋のカタチ”だった。」
アイカ「味覚のカタチ、歪みすぎでしょ。」
レイナ「3日で消える恋とか、乙女かよ!」
その横で、ミナミ先輩が缶コーヒーを飲んでいる。
目は笑ってないが、どこか面白がってる。
ミナミ「ふぅん。あんた、味覚センスは壊滅的ね。」
ユウ「そ、そんなことないっスよ……!」
ミナミ先輩、ほんの少しだけ笑う。
そして、口元で——
ミナミ「でも、女のセンスは悪くないじゃん?」
ユウ、即座にドヤ顔。
ユウ「そこなんですよ、先輩。味覚ゼロでも女運は神ですからッ!」
カズ「いや、どの口が言うんだよ!」
ダイキ「お前、恋愛でも賞味期限3日だろ!」
タクミ「ラベルの時点でバグってんだよ!」
校門前に笑い声が響く。
伝説のドリンク“杏仁抹茶”──
三日天下にして、青春の味覚革命だった。




